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「コーチングは、クライアントとコーチが2人で行う宝物探しみたいなものなんです。クライアントの人生をより良いものに変えてくれる宝物、それは必ず存在するはずなのですが、何が埋まっているか、どこに埋まっているかはわかりません。だからこのセッションの時間でその宝物を一緒に楽しみながら探してみませんか?」

そんな説明をセッションの冒頭でさせていただくことがあります。ここで言う”宝物”とは、その人がキャリアや人生において大切にしたい価値観や自分軸のことで、それがなかなか見出せずに困っている人、或いは焦っている人は、決して少なくないんですよね。逆にそれが見つかったことで大きな躍進を遂げられたり、「生きやすくなった」と仰られる方にも多数お会いしてきました。

皆さんは、そういった困りごとやモヤモヤを抱えておられませんか?

こんにちは。me:Riseキャリアコーチの高橋明久(コーチインタビュー)です。会社員をやりながら、副業でコーチングを行っています。

普段キャリアコーチングさせて頂く中で実は一番多いのが、「やりたいことが見つからない」「自分の価値観がわからない」といった類のテーマなんです。そしてかくいう私自身も、コーチングに出会う前はその悩みを抱えていた一人でした。

そんな私が、コーチングを学ぶ中で出会い、手応えを感じたスキル(価値観探しの4ステップ)について今回ご紹介させてください。
実際にセッションにおいても良く使う方法の1つですので、効果は実証済みです。
もし宜しければ試してみて下さい。

具体的なエピソードがあった方が伝わりやすいと思いますので、まずは私自身のエピソードの共有から。


■私のエピソード

コーチングを学ぶクラスの中での一幕です。その時は、“子供の頃の充実した体験”というテーマで、その時何故か突然思い浮かんだ”アケビ採りのエピソード”をコーチに聴いてもらいました。(アケビというのは里山の秋の味覚の1つで、爽やかな甘みのある果物です。)

小学校5年生の秋、父と近所の山で行ったアケビ採りがとても楽しかったため、友達と2人で後日同じ場所に行き、袋いっぱいに採ったアケビを翌日小学校に持って行ったという話です。

以下、実際のセッションの流れを少しだけでも感じとってもらうため、その1部を対話形式で表現しています。そのシーンを思い浮かべながら読み進めてみて下さい。


エピソードの概要を話した上で、コーチが私にこう訊いてくれました。

コーチ:
「ちょっと時間をとるので、その時に見えていた物や聞こえていた音、周りの空気感など、目を閉じて味わいながら思い出してみてもらえますか?」

私:「は、はい。」

そして少し経った後にコーチが訊いてくれました。

コーチ:
「そのシーンをありありと思い出しながら、その中でも最高の瞬間はここだって瞬間を探してみてもらえますか?」

私:「はい。」

私は頭の中で一連の映像を流しながら、私にとって最高の瞬間を、どこだどこだと探し始めました。

友達と自転車で向かっている時かな?
アケビを再び見つけた時かな?
袋いっぱいにアケビをとり切った時かな?
翌日学校に持って行って先生に見せた時かな?

どこが最高だったんだろう? 頭の中で1つ1つのシーンを検証しながら、最終的に出てきた答えは意外にも

私:「・・・山に足を踏み入れる瞬間」

コーチ:「えっ、山に足を踏み入れる瞬間? もうちょっと教えて」

私:
「アスファルトで舗装された所に自転車を停め、そこから側溝を跨いで、土のごつごつした山道に足を踏み入れた瞬間」

コーチ:「どれくらいの側溝なの?」

私:「たぶん30cmぐらい」

コーチ:
「じゃあさ、その側溝を越えて山に足を踏み入れる瞬間、今ここで再現してみない?」

そしてコーチと2人、その側溝を越えて足を踏み入れる仕草を繰り返しながら、その瞬間を再体験してみました。(これは臨場感を高めるために行う工夫の1つです。)

そしてコーチが訊いてくれました。

コーチ:「この瞬間の、一体何が良かったんだろう?」

私:「・・・」

そうですよね。普通はその一歩にそんな価値を感じることはありません。でも、このセッション中の私は何故かその瞬間に一番価値を感じていたんです。そのエピソードが教えてくれる私の価値観って、いったい何なんだろう?

しばらく考え続けました。そして出てきた答えは、

私:「違う世界に足を踏み出す、そのドキドキ感が良かった。うん。」

コーチ:「そっか、そうなんだね」

その瞬間、自分の中でも妙に腹落ち感を感じられていました。そしてコーチが最後にこう訊いてくれました。

コーチ:
「そのエピソードが教えてくれる、あきさんがこれからも大切にしていきたいことって何だろうね?」

私:
「そうですね。自分の成長のためにも、また、より人生を充実させていくためにも、越境体験に臆せず挑戦していくことを大事にしたいです。今こうして京都から東京まで出てコーチングを勉強しているこの時間が充実して感じられているのも、きっとその価値観とマッチしているからなんですね」


以上、私の宝物探しエピソードでした。


■価値観探しの4ステップ

先のエピソードの中でやっていたプロセスをシンプルに表すと以下4ステップです。

ステップ1:子供の頃(小学生ぐらいまで)の充実体験を紙にいくつか書き出してみる

「充実していた体験は?」「楽しかった思い出は?」と訊かれて頭に思い浮かぶもの、小さなことも含めてできるだけ多く書き出してみて下さい。それが皆様の宝物の原石です。

ステップ2:書き出した思い出の内1つを選び、その時の情景をありありと思い出してみる

できればその思い出の大小によらず、1番古いものを選んでその情景(見えていたもの、聞こえていた音、その時の匂いや空気感)を目を閉じて、ありありと思い出してみて下さい。この段階での臨場感の高まりが、宝物探しの成果に直結します。

ステップ3:最高の瞬間を探す

その情景が思い出されたら、その中であなたにとって最高なシーンがどこであるか、映画を一旦停止するような感覚で探してみて下さい。「ここ!」って瞬間を探してみて下さい。そして改めて、そこで見えている情景やその時の感情などに触れてみて下さい。

ステップ4:大事にしたい宝物(価値観)の抽出

「その瞬間の一体何が良そんなに良かったのか?」「そのことが教えてくれる、今後の人生でも大切にしていきたいことって何だろう?」を自分自身に問いかけてみて下さい。

以上、
もし宜しければ皆さんも紙とペンをご用意いただき、実際にやってみてください。年末年始に子供の頃のアルバムを開いてやってみるのも良いかもしれませんね。

ステップ4で宝物が見つけられた時、きっとこれまでの人生の様々な出来事が、あなた自身の中で繋がって感じられるような感覚(“Connecting the dots”)が、場合によっては捉え方がガラッと変わってしまうような体験が得られると思いますよ。

なお、ステップ1でのエピソード探しは、「あなたの人生を変えてくれたエピソードは?」「あなたが尊敬する人は?」「今の社会に足りないと感じることは?」など別の問いでスタートすることも可能です。もし、子供の頃の充実体験が思い出しにくい方は、そういったエピソードを使って同様のことを試してみても良いかもしれません。


■おまけ

私の好きな映画の1つに、『最高の人生の見つけ方(原題:The Bucket List)』があります。余命を宣告された2人が、死ぬまでにやりたい100個のことを次々と実現させていく物語。

Wish Listと呼ぶこともありますが、やりたいと思いつくことを書き出し、それを実際にやってみながら、その中で本当に自分に大事なものが何かを探していくというやり方も、私自身も採用している方法の1つです。

「まず行動!!」といったスタンスの方が自分に合っているという方は、是非その方法も試してみて下さーい (^ ^)/


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