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キャリアコンサルタントの稼ぎ方と独立・副業の収入について

はじめに
こんにちは。キャリアコンサルタントとして独立して15年目の松田剛典です。現在は、一般社団法人キャリアラボで複数のキャリアコンサルタントと一緒に高校や大学などで若者向けの支援をしています。このシリーズはキャリコンとして副業・独立を検討する方を対象に、独立までに知っておいたほうがよいキャリコンのリアルをお伝えしていくブログです。2023年9月から新しく保護者向けのキャリア支援「みらぴかhttps://mirapika.jp)」を始めました。まだまだメンバーが足らず立ち上げ段階です。記事を読み進めて、興味を持っていただいたらぜひ、気軽にご連絡をいただけると嬉しいです。

今回のテーマは「キャリアコンサルタントとしての稼ぎ方と収入のリアルです
第一回では「キャリアコンサルタントとは?」というキャリコンについて話をしました。今回はキャリアコンサルタントとしての稼ぎ方と独立・副業の収入などの収入のリアルについてです。

キャリアコンサルタントになった場合の収入はどれぐらいなのでしょうか?
派遣や契約社員での仕事とフリーランスの違いは?

など、ちょっと気になるお金の話をしていきたいと思います。


キャリアコンサルタントの働き方はどんな種類があるの?

キャリアコンサルタントの主な働き方は大きく3つ!

まず、キャリアコンサルタントの働き方についてです。
キャリアコンサルタントの収入は、雇用形態によって大きく異なります。ざっくりと、「正規雇用」「非正規雇用」「フリーランス」と大きく3つです。経営者になる、ボランティアとして活動するという方法もありますが、今回はあくまでもお金を稼ぐことがメインですので上記3つに焦点を絞ります。

では、さっそくデータを見ていきましょう。

キャリアコンサルタントの収入や仕事の現状を考えるときには、2023年6月21日労働政策研究報告書No.227第2回キャリアコンサルタント登録者の活動状況等に関する調査が非常に参考になります。

今回はそのデータから「キャリアコンサルティングに関する活動が80%以上の人のデータ」を抜き出しました。これはおそらくキャリコンをメインで活動している方の雇用形態と年収の分布に近いと考えています。

※あくまで予測のデータなので「間違っている可能性もある」ということを踏まえて読んでください。
また、キャリアコンサルタントと正社員で副業している方や複数の異なる業種をしている複業人材はここにはほぼ含まれていません。(社労士とキャリコンなど)

キャリコン1000人の村を働き方と年収で分けてみました。

まずは、数字がわかりやすくなるように、キャリコンを1000人の村にしてみました!このデータは仮にキャリアコンサルタントが1000人いた場合の、予測の雇用形態人数の割合と年収の分布です。

え?100人の村じゃないの?と突っ込まれそうですが、100人の村にしてしまうとフリーランスで活動している600万以上の人が1%未満で0人になってしまいます。そのため、人数を10倍にして1000人で計算しています。

キャリアコンサルタントを主とした仕事とする場合、まだま非正規が多い(2023年現在)

めっちゃ細かい。みにくいよ・・・という声が聞こえてきそうですが、細かい分布については後で解説しますので一番下の緑色にした部分を見てください。

非正規雇用のキャリアコンサルタントが多い

仮にキャリアコンサルタント村で1000人が集まったとすると正社員は173人。対して、非正規雇用の人は629人いることがわかります。細かい数字に意味はないのでキャリアコンサルタントを主業務としている方の多くが非正規であることがデータからは読み取れます。

実際にキャリアコンサルタントの求人は学校や行政の求人が多いです。

しかし、そうした求人の多くは契約社員や派遣の仕事がほとんど。正社員の募集はなかなかありません。もし、募集していたらそれはチャンスだと思います。

独立・開業するフリーランスは全体の20%程度

一方で、独立・開業してキャリアコンサルタント専業で生計を立てている方は15%〜20%前後ぐらいかな?と思います。

というのも、最近の選考をしていても以前よりも独立希望者は減り、副業希望者がかなり増えているからです。

コロナ渦の中でオンラインが普及し、在宅勤務が進んだことで副業での独立がとてもしやすくなったと感じています。

副業でキャリアコンサルタントとして経験を積み、独立するスタイル希望する人がこれから増えていくと思っています。そのため、データには含まれていませんが「将来、独立したい」「副業でキャリコンとして稼ぎたい」という方がかなりの数いると思います。

キャリアコンサルタントの雇用形態別の収入事情

では、キャリアコンサルタントはどのぐらい稼げる仕事で、独立・開業した人はどれぐらいの収入になっているのでしょうか?

さっきのデータだと細かすぎたので、雇用形態別の収入分布をわかりやすく棒グラフしたものが下記のグラフになります。左から、正規雇用、フリーランス、非正規雇用という形で並べています。
※上の表と並べている順番が異なるのでご注意ください。

キャリアコンサルタントの年収分布を雇用形態別にグラフ化したもの

正社員の収入について

キャリアコンサルタントの雇用形態別の収入を見ると、他の形態と比較しても正規雇用の方は全体の収入が多いです。「人材紹介会社のコーディネーター」と「キャリアセンター勤務の大学職員」等が含まれているように思います。また、キャリコンサルティングがメイン業務ではありませんが「企業人事」の方がキャリコンの資格を取ることもよくあります。

疑問だったのは1000万以上稼いでいる正社員です。個人的には正社員でキャリアコンサルタントを主業務にしながら、しかも1000万超える方というのはなかなかイメージができません。もし、ご存知の方がいたら情報いただけると嬉しいです。

フリーランスの収入について

次にフリーランスのキャリアコンサルタントの収入です。フリーランスで仕事をする場合、企業や教育機関、行政機関などに所属せず、独立してキャリアカウンセリングや職業相談などを行います。お客様と直接契約する方法とエージェントを通して仕事を委託されるケースがあります。

ただ、このデータ見ると3つの形態の中で一番収入が少なく見えませんか?

これだと、フリーランスにならない方がいいと思われるかもしれません。

そんなことないですよ!…と個人的にはいいたい。

大きく理由は二つあると思っています。
一つ目は、育児や介護などの理由で勤務時間そのものが限られている人が多く含まれるからだと思います。

キャリアラボの先生でも子育て中の方が多くいます。みなさん、個別の時間単価は高いのですが、フルタイムで活動することはなく、時間限定で働いているため総額で見たら少なくなります。そのため、子供が大きくなってくると収入も一気に増える方がいます。

二つ目はデビュー間がなく土台作りの時期の方も多いためです。

異業種から転職して独立した場合には、最初は土台作りで収入が安定しない時期があります。キャリコンの場合、この期間が比較的長く年単位です。特に若者支援の場合、経験を積み、知識とスキルが高まってくるのに1、2年の期間が必要です。なぜなら、学校行事が1年単位で進むからです。逆に経験を積み、スキルが上がってくると収入もぐっと安定します。(ただし、お客様によります)

他にもいくつかありますが、フリーランスの場合、いろんな働き方が考えられるため分布が散らばっているのかな?と感じました。

非正規雇用の収入について

最後に非正規雇用の場合です。
年収の分布が集中しているのが特徴です。派遣社員や嘱託社員など雇用形態がありますが、単価の範囲が決まっているため、突出して高い給与にはなかなかなりにくいかもしれません。代わりにある程度、金額が保証されていると考えることもできます。

問題があるとしたら、経験に応じて給与が増えるというよりも、「予算は変わらずスキルの高い人を求める傾向が年々強くなっている」ことだと思います。

例えば、10年前であれば予算25万で未経験者でも仕事を始めやすかったです。ところが、10年経ち経験者が増えてくると、25万の予算の中でより経験の高い方を求められるようになってきました。予算はむしろ減り気味です。

結果的に、未経験者の方の入口が狭くなっていることはこの業界の一つの課題だなと個人的には感じています。

まとめ

今回はキャリコンの収入について書いてみましたがいかがだったでしょうか?

雇用形態によってもらえる収入の違いが少しでもイメージできると嬉しいな?と思います。「自分だったらどんなふうに独立していくのか?」「未経験者だったとしてもどんな強みが発揮できるか?」ということも気になる方もいらっしゃると思います。次回の第3回ではそうした中で、キャリコンの仕事のやりがいと難しさについて記事にします。その後、第4回からは「異業種からキャリコンを始めるときに使えるスキル能力」について記事をしていこうと思いますので引きつづき応援よろしくお願いします。

ちなみにキャリコンの講演や面談一回あたりの単価も整理してみたのですが興味のある方いらっしゃいますか?文字数が4000文字超えたので、リクエストがあれば解説したいと思います。

今回の記事がキャリアコンサルタントの仕事のリアルを知り、あなたのキャリアプランの参考になれば幸いです。

また、「こんなこと知りたい」ということがあれば気軽にコメントいただけましたら幸いです。みなさんの応援が記事を書くモチベーションになります!
最後までお読みいただきありがとうございました。

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著者プロフィール 松田剛典

一般社団法人キャリアラボ 代表理事 https://kokoswitch.com
株式会社みらぴか 代表取締役 https://mirapika.jp 
ツイッター:https://twitter.com/goten_m

株式会社ベネッセコーポレーションで高校生の進路選択の部署に配属。全国の高校の進路相談会の運営や入試判定業務などに携わる。人材紹介会社の大阪責任者をを経て独立。キャリア支援の仕事を始めて約20年目。複数の大学でキャリアデザイン講座の講師をしながら、北海度から九州まで全国の高校大学を訪問する実践型キャリア支援家。年間3000件前後の面談と、5000件前後のキャリア講座を運営。
2023年保護者向けオンライン相談サービス「みらぴか」をリリース
著書:「はじめての課題解決型プロジェクト」ミネルヴァ書房

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