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会社に出勤することがオプションになる日

コロナ禍を奇貨として「出勤」の考え方が変わりそうですね。

リモートワークは、オフィスワーク系のシゴトでも、職務内容やセキュリティやらを理由に進まなかったのが、一気に進んだ印象です。「やればできるんじゃん」と思った人も多いのではないでしょうか。

自分もこのリモートワークを体験し、働き方を変える大きなチャンスだな、と感じました。
一方で、だいぶ前に、外資系の方から聞いていた「テレワークを全面的に導入したけど、弊害もあって今のハイブリッド型に落ち着いた」との話がよくわかった気もしました。

リモートワークと「これからの働き方」についての気づきをまとめました。

1.リモートワークの良さ

①時間が有効に使える

往復2時間の通勤時間がゼロになる。これだけでも大きい。何より朝の満員電車に揺られる時間がなくなるのは精神的にも助かりますね。

そして、外部との会議やミーティングもオンライン中心になると、移動時間がなくなるのもうれしいところ。遅刻しないよう早めに訪問したりするのも、積み重なると大きな時間のロスですね。

あとは、昼休み時間を長く使えること。飲食店やコンビニに並ぶ必要がなくなったのも大きいですね。

②シゴトに集中できる

リモートワークになると、基本的な連絡手段はメールやチャットになる。電話やミーティングも必要なものだけに絞られてくる。

そうなると、自分の時間を「カタマリ」で持てるようになるのがいいですね。やはり細切れの時間よりも一定時間、誰にも邪魔されず集中できると、シゴトははかどります。

ちょっといいかな」の悪魔の一言?で、シゴトが中断しない、というのは素晴らしいですね(まあ、自分も声をかけるときもあるんですが)

③伝えるために、きちんと考える

出勤していれば、職場で会って、さらりと伝えていたことや内線電話で話して終わったていたことが、メールやチャットがコミュニケーションの第一手段になる。

そうなると、誤解を与えないよう丁寧に文章を書くようになってくる。一見すると、面倒なんですが、誤解がないよう伝えようとすると「何のために、何を、どう伝えるか」といったことを深く考えるようになっている気がします。

自分にとっては、今まで以上に相手のことを想像したり、考える訓練がつくようになりました。

2.リモートワークの課題

一方で、自分が感じたリモートワークの課題もあります。

①「アイデア出し」がしにくい

定型的な会議や報告会ならオンラインでもよいのですが、アイデアを出すような意見交換は、まだまだやりにくい。オンラインでは、人数が増えてくると参加者の表情や状況が、より見えにくいのも原因だと思います。

うまく間がつかめないと、話し手がかぶったり、と。
ポンポンとリズミカルな意見交換をするには時間がかかりそうです。

②雑談が減り、コミュニケーションがとりにくい面も

オフィスであれば、朝の「おはよう」からさりげない雑談が始まったり、立ち話があったりするのが普通。その雑談から情報共有や、部署を超えたつながりも生まれやすい。

これがテレワークが中心になると、どうしてもシゴトに直結する会話になって、雑談や無駄話の機会が減ってくる。効率化される良さはあっても、気軽なコミュニケーションが減ると、人とのつながりが弱くなる気がします。

特に、お互いを知りあっている関係であればいいのですが「はじめまして」の場面はきついですね。

特に4月から入った新人さんは大変だろうな、と感じます。
普段なら「学生時代、何やってたの?」みたいな話題で、職場内で盛り上がり、打ち解ける機会があったんでしょうが・・。

③他の人のシゴトが見えにくい

シゴトにもよりますが、明確な分業体制になっていないと、他の人がどんな仕事を抱えて、どんな進み具合なのかが見えにくい

そうなると、特定の人に仕事がより偏りやすくなってきます。シゴトの見える化する仕組みやルールがないと、忙しい人にはシゴトが集中し、暇な人はより一層、暇になる、そんな傾向が出てきます。

3.テレワークによる働き方を進化させるために

自分が感じた課題は、すでに解決されている方々もいると思いますが、テレワークを定着化させるポイントを考えてみました。

①時間よりも成果をみる

改善されてきたとはいえ、日本ではいまだに「働いた時間」や「一緒にいた時間」で評価される職場も多い気がします。

「長く職場にいる人」=「がんばっている人」

この評価軸を変えない限り、テレワークでも「見えないけど残業している人」が評価をされかねない。

「日本ではシゴトはみんなで助け合うもので、一人ひとりの成果が見えにくい」という言い訳を真摯に見直すときかもしれないですね。もちろん、行きすぎた成果主義は問題ですが、管理職が「一人ひとり」の成果をきちんと評価できることがますます求められそうです。

②コミュニケーションの良さ

リアルな職場でも「コミュニケーションの良し悪し」は課題ですが、テレワーク中心になると、上記のようにより一層、難しい課題になると思います。

テレワークで直接、会わないからこそ、さりげなく相手を気遣う言葉や感情や気持ちに寄り添う会話ができるといいですね。

③マネジャーのマネジメント力

最低限のITツールをうまく使いこなせないマネジャーは、そもそも管理者としては厳しくなりますね。

そして、管理指向が強すぎるマネジャーも、テレワークで厳しく時間管理をしたり、過度に報告を求めたりすると、部下からの信頼を失う。信頼し任せることができないと、テレワークは長く続けられない気がします。
見えないからこそ、より一層、相互の信頼関係が基本になるんでしょうね。

4.テレワークは働き方を変える選択肢

今回のコロナ禍で、これまで一部の企業の働き方でしかなかったテレワークが、多くの企業にとっても選択肢になりました。

すぐに100%テレワークに移行するといった会社は少ないと思いますが、「会社に出勤するのはオプションの一つ」と、テレワーク中心の働き方に変容する企業が出てくる気もしています。

どれくらいテレワークによる働き方を組み込めるかは、シゴトの職務内容にもよりますが、企業のITリテラシーやコミュニケーション力、チャレンジ精神など「企業の組織力」が試されるのでは、と感じます。

これからの若い世代は、企業を選ぶ時の基準に「テレワーク率」を重要な指標としてみるようになるかもしれないですね。

感じて、考えて、表現します。「そんな考え方もあるね」と思ってもらえたら幸いです。