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干しぶどうと水で過ごす日々から一転、大手広告代理店のプロデューサーへ その③

■やっとまともな生活へ

おびえるような毎日でしたけど、その時社会に出て初めてしっかりと指導してもらえたわけで、本当に感謝しています。
それまで野犬みたいな生活をしていましたけど、やっとまともになれた、と。
今でさえ自分を一人前と思ったことはありませんが、一応先輩のチェックを必要としなくなったのは入社して6年目くらいでしたかね。


■キャリアのリセット、そして再チャレンジ

その後、常駐も終わって元の系列会社に戻ると後輩も部下も出来たのですが、常駐先であった広告代理店の最前線の方が楽しいと感じるようになりました。
子会社にいると親会社からの間違ったオーダーを正しく遂行しなければいけないことも多々ある。
それがサラリーマンだし、出世街道なのかもしれないけど、僕はあんまりそういうのは得意じゃない。
マネージャーになって指導する立場になるよりも、また最前線に戻りたいと思うようになって。
再び親会社である広告代理店への出向を決め、最前線で働くことを決めました。
現在は管理職としてのキャリアを捨てて、再び現場でチャレンジを行っています。
出向元で我慢して出世するよりも現場に戻れたことに充実感を感じています。
こぢんまりとした世界で言うことをきく能力だけ伸ばしてもしょうがないな、と。
ストレスから解放され、正直最高の気分です。

■人生を振り返ってみて

英会話教材のセールスはやって良かったと思っています。
強烈だったけれど(笑)
仕事はそりゃあ酷いものでしたけど、判断力やプレゼンテーション力が養われたのも事実です。
怪しい資料だけで信頼を築かなければいけない。
そこでおどおどしていると逆に怪しまれるし。
サバイバル力が身についたと思っています。
また、人生観が根本から変わるような、本当の意味で生まれ変わった経験も2回ありました。
1回目は上京時で、今までの自分を殺しました。
それまでは地元のぬくぬくぼっちゃんだったんですよ。
このままだとろくな人間にならないな、とリセットボタンを押しました。
2回目は30歳手前で心臓病の手術を行ったことです。
実は生まれつき心臓の奇形だったらしいんですが全然気がつかなくて。
健康診断で要検査と出ていたにも関わらず放っておいたんですが、ようやく検査に行ってみたところ「このままだと30代半ばで心筋梗塞で死ぬぞ」と言われて。
心臓の弁が壊れているため、血が逆流していて心臓が肥大していたんです。
簡単に言うと、寝ている時でさえも全力疾走している状態だったそうで…。
そこで、次男が生まれた直後であったにも関わらず、心臓手術をすることに決めました。
成功率は7割だったけど、逆に考えると、3割の確率で死ぬのかと。
死を意識した時、生きることに対する考えが大きく変わりました。
健康は一生続くものじゃない、幸せは有限だなと。
そんな流れでお遍路さんに興味をもったりも(笑)
手術の数年後、実際に白装束で杖をついてお遍路さんをやってみました。
88カ所あるうち15カ所を回っていて、全箇所歩いて回るのがささやかな目標になっています。

■最後に読者にひと言

起きていることには全て意味がある。
振り返るとあのとき本当に苦しい思いをしたけれど、その経験があって良かったなあと思える時が来るんです。
腐ってもいいけれど、諦めなければ絶対将来に繋がってくるよ、と思える時がくるはずです。。

■挫折人の名言

①心を整えることが大事
Onの時は役者が舞台で演じるように外面を保つわけです。
Offの時はしゅーんと体温が落ちるみたいな。OnOffの切り替えが大事なんじゃないかと。
30歳を過ぎてから思うのが仕事のスキルよりもアクシデントがあったときにいかに心を保てるかが大事で。
そこで腐ったり辞めちゃうとゼロに戻っちゃうし。
サッカーの長谷部選手が言っていたと思いますが、心を整えることが出来るようになれば自信をもって事にのぞめますし、それができれば楽に生きられるんじゃないかと思います。

②仕事に向く向かないはない
やらなければならないときに出来ないと言うことはその仕事に本当に向き合っていないのではないかと思ってしまうんです。
せざるを得ない状況になったときに出来ないということは、その仕事に真剣に向き合っていない…。
逆に言えば、向き合うという行為ができるなら、誰であろうとどんな仕事をすることも出来るということです。
極論を言うと、仕事に関していわゆる「合う合わない」はないと思っています。
かといってそれを押しつけるつもりはないですけどね。
「お前何でも出来るんだから何でもやれよ」みたいなことを言いたいわけではありません。
やらざるを得なくなった時に真剣に向き合えばいいんじゃないかな、と。

③好きな言葉は餅は餅屋
今は業務が細分化している時代です。なので、誰が何が得意か見極める必要がある。
僕の仕事ではそこを繋げてクライアントに提出し、1+1=2以上になるように心掛けています。 もし2以上になることが出来たら、それはプロデューサーとしてこれ以上ない喜びです。
良い仕事したなあと自分で自分を褒めてあげます(笑)

キャリフィットでは挫折日記の取材を受けてくれる方を募集しています。 挫折したけれど今は幸せ、定年を過ぎて第2の人生を歩んで楽しんでいるという方がいらっしゃいましたら是非ご連絡をお願い致します。

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