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認知症のBPSD①と介護カフェ開催のお知らせ

今回の投稿では、認知症のBPSDについて解説していきます。
認知症の方の心理状態についても少し触れている内容になっています。

また、記事の最後には明日24日開催の介護カフェの告知・申し込みフォームも書いています。
ご興味ある方、ぜひご参加いただければ幸いです^^


BPSDとは何か

Behavioral and Psychological Symptoms of Dementiaの略称がBPSDです。直訳すると「行動と心理の認知症による症状」といったところでしょうか。
日本語では「認知症の行動・心理症状」と言ったり、中核症状に対応させて「周辺症状」と言ったりします。

BPSDは、アルツハイマー病など、脳の病気、損傷や脳以外の身体疾患を持った方が、ここでは特に記憶や認知機能に障害を持った方が、現実の生活に対応しようとしたときに引き起こされる症状のことです。
どんなBPSDがあるかと言うと、1つは心理的な症状である妄想や幻覚、不安、抑うつなど。もう1つは、行動に現れる、攻撃、徘徊、多動、過食、不潔行動などがあります。

次で主なBPSDの例をいくつか説明していきます。

BPSDの例

①徘徊

かつては、認知症で徘徊をしている人は目的もなく意味なく歩き回っていると考えられていましたが、現在では多くの場合、何か目的をもって歩き回っていると考えられています。

例えば、長年住んでいた家に帰ろうとする、家族のご飯を作らないといけないから帰るといった徘徊の行動は、記憶と認知機能の障害により現在の状況が分からない人(長期記憶に保持されている自分の家の場所なら分かる人)であれば、自分が安心感、落ち着きを得るためには当然の行動と考えられます。
つまり、この例でいうと、「今自分のいる場所が落ち着かない、自分の居場所ではないと感じているが故に、室内を歩き回ったり無理に外出しようとする」と捉えるのです。


②攻撃的行動

言葉による攻撃や暴力による身体的な攻撃性は、苛立ちや焦りなどの現れであると考えられています。
かつてはできていたことが、できなくなってしまっている自分自身への焦りや苛立ち、そんな自分を理解していない(と感じる)他者への苛立ちからくることも攻撃的な言動、行動に繋がっていく可能性もあります。
また、次で説明する妄想や幻覚が攻撃的な行動の背景になってしまっていることもあります。

その方の普段のご様子から、何が原因でその行動を取っているのかのヒントを得るためにアセスメントというかたちで介護職は記録を取っていきます。


③妄想

アルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症の方に多い心理症状といえます。
そもそも、妄想とは「根拠のない主観的な想像や信念であり、事実の経験や論理によって容易に訂正されることがないもの」です。
認知症の方が仰ることとしては、自分のものが誰かに盗まれて無くなっているという、もの取られ妄想(本当は盗まれたり無くなっていないが、どこに置いたかが分からない、そもそも置いたこと自体が分からなくなっている)

家族に見捨てられる、見捨てられたという見捨てられ妄想(本当は家族だけでご本人のケアにあたるのが難しい、例えば配偶者による老々介護、または息子さん、娘さんの仕事や子育てが忙しい、ので施設入居やショートステイを使ったために起きる)

といったことがあります。

ご家族との人間関係の悪化や、妄想自体を否定してしまうことによって妄想の確信を深めてしまう場合もあります。
そうならないためにも、その場限りの対応ではなく、ご本人様が求めているものは何か?何がその方の安心感に繋がるのかといったことから、対応策、解決策を考えていくことが大切になります。


介護職に求められること

このBPSD(行動・心理症状)は、認知症の当事者の方がなんとか問題に対処しようとする課程で起こっている症状と捉えます。
一時、BPSDの攻撃や不潔行動などのことを介護職員の立場だけで捉えた「問題行動」と呼んだ時代もあるようですが、現在では使わないことになっています。

認知症の方の認識や心理症状を想像、理解して、その方と関わり合っていく。
これが介護職に求められていることです。


対話カフェ×介護カフェの告知

明日、24日の21時から学生団体ラジリアさん主催の対話カフェに介護をテーマに取り上げて頂けることになりました。

テーマは認知症のことではないのですが、「経団連が提言した介護施設の人員配置基準の緩和について考えてみる」です。

こちらが開催のきっかけとなった記事です。

現在、自分が介護施設で介護職員として働いているということも今回のテーマ設定になった理由の1つです。

事前知識がなくてもご参加いただける内容、進行にする予定ですので、介護に関心のある方、これから介護の世界に飛び込もうとしている方、ぜひぜひご参加いただければ幸いです。

お申し込みフォームはこちらから
※Googleフォームに飛びます。

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