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藤本タツキ短編集『17ー21』感想①庭には二羽ニワトリがいた

そういえば短編集の帯についている「日刊藤本タツキ」の抽選に応募した。
これはまじで欲しい。欲しすぎる。
宝くじ当選と日刊藤本タツキどちらが欲しいか?と聞かれたら死ぬほど迷うけど日刊藤本タツキを選ぶ(だからなんだ)
まじで頼む。当たってくれ。
というかなんで抽選なんだ。買うから売ってくれよ!と机をバンバン叩きたい気分。
(応募ハガキに感想を書いてなぜかnoteを更新した気分になっていたけど、note更新してなかったのでいまさら更新します)

短編集を刊行してくれたことはものすごくありがたかった。誰に感謝したらいいのかわからないけど、本当にありがとうございます。

連続して短編集が発売されたことは、先に発売された『ルックバック』の作品理解の一助となっている、と感じたし、
個人的にもこのタイミングで短編集を出してくれたことはものすごく意義のあることだと思った。
というか藤本タツキ氏の短編は全部『ファイアパンチ』と『チェンソーマン』のテーマと一貫していて、
17歳の頃からそのテーマが揺らぐことなく現在まで描かれていたことを知って震えた。

藤本タツキ短編集『17ー21』の感想妄想などの箇条書き。
設定などの説明は省きますがネタバレありなので注意。
あと不快にさせたらすみません。


○カバーが最高

まずやっぱりカバーが良い。
宇宙の色がオレンジ色なのもすごく良いし、地球バックに月に降り立つ佐々木少年がめちゃくちゃ良い。なんでこんなに良いのか言葉で説明できないけどめちゃくちゃ良い。
希望みたい。すごく良い。もうそれしか言えん。


○庭には二羽ニワトリがいた

絵の感じから初期の頃に描かれたものなんだろうな、と思った。
宇宙人が気持ち悪い。
顔、気持ち悪い。
でも気持ち悪く描くって技術がいるんじゃないか?

萌美ちゃん、ふつうの事しか言ってないのに吹き出しの勢いだけで面白くなるのずるいなと思う。
最初コメディっぽかったのがだんだんシリアスに移っていくのが自然すぎて少しも違和感が無くてすごい。なんなん。
人間がニワトリの演技をするっていうのもコメディちっくだし、完全にだまされる宇宙人もコメディだ。(“コメディ”ってどういう意味だっけ?)

滑稽。
コッケイ。
ケッコウ
コケッコー???

は??????????????まさかタイトルってそういう意味?(違うと思う)

宇宙人は人間を食べる。
人間が牛や豚や鶏を食べるように、宇宙人は人間を食べ物として認識している。
そして宇宙人が生き物を区別するときは“顔”で判断する。

つまり、“見た目”だ。

宇宙人だって顔意外、人間と同じ体つきなのになぁ。

鶏だって牛だって豚だって、人間と宇宙人と同じ命なのに
見た目の違いで殺されて食べられる。


演劇部のアミはニワトリの演技をした。

宇宙人のユウトは人間の演技をして、
宇宙人に対してはニワトリの演技をした。
そしてアミを助けるために“人間を食べる宇宙人”の演技をした。

アミは人間の演技をしていたユウトのことは大切に思っていたのに、
宇宙人のユウトの顔を知ったとたん恐ろしくなって逃げ出した。

アミはユウトの”見た目”にひっぱられて「アミを食べようと思っていた」という言葉を信じてしまった。
アミがユウトの本当の気持ちに気づくことができなかったのは、ユウトの顔が宇宙人だったからではないだろうか。

ぼくらの感情は、“見た目”で大きく左右されてしまう。
“見た目”ばかりで判断して、相手の本当の気持ちを理解しようとしているだろうか。

そして“見た目”が“本当”だと思っていないだろうか?
ユウトは宇宙人だったけど、
人間の心を、アミの心を理解しようとしていた。
そして「アミ(人間)を守らなければならない」と思っていた。宇宙人のユウトは、“見た目”ではなく、“内側”を見たからこそ、人間を守らなければならないと思ったのだ。

“演技”は生き残っていくために重要なスキルだ。
ぼくらは日々、自分の意思に反して物事を決めたりするし、外に出れば演技せざるを得ない。

“演技”は“見た目”だ。
見た目だけに惑わされてはいけない。

ニワトリだってそうだ。
ぼくらがニワトリを食べても罪悪感を感じないのは、ニワトリが、既に肉塊になっているからではないだろうか。
“見た目”だ。
ぼくらは肉塊を食べているのであって、ニワトリを食べていると感じない。なぜなら皿の上に“ニワトリという見た目”がないから。

と、思った。
正直、肉食はやめたいと思っている。

思ってはいるけど…肉は…やっぱり…おいしいよね…。

とはいえ、『庭には二羽ニワトリがいた』は、肉食をやめろ、と推奨したいわけではないと思う。

ニワトリを比喩にして
“見た目”ではなく“心”を見た方が良いんじゃない?ということなんじゃないかなぁと
自分に都合よく解釈することにした。


(長くなってしまったので一旦区切ります。次は佐々木くんの感想書きます…)













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