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2部が1部を補完する『チェンソーマン』#123話 コベニちゃんの悪魔とスパイ


こんにちは。
『チェンソーマン』のネタバレをしているので原作を読んだことがない人は読んでからお越しください。
あとコベニちゃんが大好きな人、コベニちゃんのイメージを壊されたくない人は読まないでね。でも最後までちゃんと読んでくれるならコベニちゃんファンにも読んで欲しい。


前回はこちら↓

「次は現場でのコベニちゃんについて書く予定」と書いて早二年が経とうとしている。月日が経つのは本当に早い。
その間もコベニちゃんの記事は地味にpv数を伸ばしていて、コベニちゃんファンはなかなか多いと感じる。

コベニちゃんについては情報が少なすぎて
結局妄想でしか考察が書けなかったため、このnoteはそのままお蔵入りにしようかと思っていたのですが
チェンソーマン第二部を読んだらぼくの妄想もあながち外れていなかったとちょっと自信がついたので更新します。
「5、アサとコベニちゃんについて」から2部123話までと絡めた考察になっています。

1、コベニちゃんが強かった回と弱かった回について

コベニちゃんが真面目に(?)戦ったのが沢渡とサムライソードと対峙した4巻28話「秘密と嘘」である。

沢渡の使役悪魔“ヘビ”は、姫野先輩が全部を掛けても倒せないくらい強い悪魔だった。そしてサムライソードはデンジを倒している。コベニちゃんはこの強敵ふたりと闘うことになる。

2人の強敵 VS コベニ

コベニちゃんはヘビの悪魔の攻撃をかわし、
あっという間にサムライソードの腕を切断した。(コベニちゃん無敵モード突入のここはめちゃくちゃ格好良い)
ここではキレッキレの動きを見せ、沢渡とサムライソードを退脚させたコベニちゃん。

しかしコベニちゃんは森野ホテルでデンジを殺そうとしたとき、アキと姫野の攻撃をかわせていない。
森野ホテルではコベニちゃんはめちゃくちゃ弱い。

ヘビの攻撃はかわせたのにアキと姫野の攻撃はかわせなかったのはなぜか?

ということで森野ホテルでのコベニちゃんを振り返ってみる。


2、仮説①コベニちゃんは契約悪魔によって身体能力が飛躍的に上がる?

コベニちゃんは森野ホテルに入ってすぐに「どうしよう」と不安がっていた。この時はホテルに入ったばかりだったのでまだ悪魔には遭遇していない。なのにコベニちゃんだけ様子がおかしい。
ぼくははじめ、デンジと荒井がケンカしているのを見てコベニちゃんが心配をしているのかと思っていた。しかし第一部を最後まで読んだあなたならわかると思うが、コベニちゃんは他人の心配ができるほど余裕のある女の子ではない。では何が「どうしよう」だったのか?

考えられるのはコベニちゃんはこのとき既に“外との断絶に気づいていた”という可能性である。
この森野ホテルではアキの契約悪魔の「狐」を呼び出せないことが確認されている。森野ホテルは外の世界と断絶していて、悪魔を呼び寄せられない状態なのだ。

もしもコベニちゃんの悪魔がアキの狐と同じように、京都などの遠くの場所から召喚するタイプの悪魔だったらコベニちゃんの悪魔も召喚できなかった可能性がある。
「契約悪魔を呼び寄せられなかったからアキと姫野の攻撃をかわせなかった」という仮説がまずひとつ。
コベニちゃんの悪魔は”自分に憑依させるタイプ”なのだろうか?
(もちろんコベニちゃんは悪魔は使っておらず自身の身体能力だけで戦った可能性もゼロではない)

しかしなぜコベニちゃんだけがいち早く「外との断絶」に気づいたのだろうか?
そしてなぜ“外との断絶”に気づいた時点でみんなに知らせなかったのか?

3、仮説②コベニちゃんはスパイ?

コベニちゃんは諜報員であり、「スパイ」なのではないかとぼくは考えている。そしてスパイだったから外と常に連絡を取り合っていて、ホテルの中に入ったら連絡が繋がらない状況であることに気づいて「どうしよう」と困っていたのだと推測している。

3ー1、悪魔のスパイ

コベニちゃんはホテルから出られなくなって混乱していたとき、突然「悪魔のスパイ」と言い出したのが個人的にはものすごくひっかかった。
“スパイ”なんて誰ひとりとして発言していないし、全く脈絡もないのにコベニちゃんが「悪魔のスパイ」と言い出したのは、他ならぬコベニちゃん自身がスパイだったからではないだろうか。


3ー2、“上”とコベニちゃんについて

そもそもコベニちゃんたちが森野ホテルへ派遣された理由はというと、森野ホテルに現れた悪魔が民間の手に負えなくなったからだ。この悪魔は「銃の悪魔の肉片」を食べているので普通の悪魔より強くなっている。姫野とアキがいるものの、ほか4人は新人であり、新人に銃の悪魔の肉片を食べた悪魔と戦わせるのは無謀な人選で、かなり不自然に感じる。
この派遣を誰が指示したのかは作中では明言されていない。ただ28話「秘密と嘘」で円(まどか)というキャラクターがこう言っている。

「上から通達です 人員不足の為 1課2課3課は特異4課と合併 以降公安対魔特異4課をマキマさんの指揮下に置きます」

このことから、28話までの人員配置はマキマさんではなく“上”がやっていたということだ。
コベニちゃんがスパイだとすると、森野ホテルのときは“上”からの指示でスパイをしていたと予想される。
森野ホテルでは
聞かされていた”当初の予定”から大幅にズレた現在の状況を、自分と対立する別の勢力(悪魔のスパイ)が妨害したせいだと考えたのかもしれない。(”悪魔のスパイ”はコベニちゃんの妄想だったため存在しない)(次の項目で書くが“上”は特異課またはデンジを潰すことしか考えていないため、スパイであるコベニちゃんの生死については考慮しなかったんだろう)

3ー2ー1、上の目的はマキマの弱体化?

コベニちゃんが上のスパイだとして、一体何のために潜入させたのか?という疑問が浮上する。
恐らく“上”とマキマは対立していた。
「“上”を支配したいマキマ」と「支配されるのを阻止したい“上”」の戦いだ。マキマが特異課という特殊な部隊を作って力をつけようとするのを恐れて(あるいはチェンソーマンがマキマのものになるのを恐れて)まず4課を潰そうと考えたのかもしれない。つまり永遠の悪魔に”銃の悪魔の肉片”を食べさせたのは“上”だということになる。
その根拠についてだが、
森野ホテルでパワーは「ウヌらがおるのはワシを制御するためじゃろ?」と言う。姫野、アキ、コベニ、荒井がこの任務に派遣されたのは「ワシを制御するため」であるとパワーちゃんが言っている。魔人は殺人衝動が強いので、姫野たちは「パワーが裏切ったとき(逃げたとき)は殺す」ためにデンジとパワーの任務に同行しているということ。
もうひとつ不自然なのは、永遠の悪魔はなぜかデンジのことを知っていたということ。
これらを加味すると、人員派遣を決めた“上”が、
①デンジとパワーが裏切ったときは姫野達が殺すよう監視
②裏切らなかったとしても永遠の悪魔に殺されて殉職
するように仕組んだとしか思えない。
そして永遠の悪魔と同じくデンジを殺そうとしたのがコベニちゃんである。
上記①と②が失敗したら
③コベニちゃんがデンジを殺す
という3重の仕掛けである。“上”はマキマさんと戦うのを避けて(マキマさんが強すぎるので)まずマキマさんの犬を殺して弱体化を謀ろうとしたのではないだろうか。

3ー2ー2、銃撃事件とマキマさんとコベニちゃん

森野ホテルでデンジと4課が生還したため“上”の策略は失敗したということになる。
そして次に仕掛けたのが銃撃事件だ。
銃撃事件のあと、マキマは銃を提供したと思われる反社組織に
「必要な悪は常に国家が鎖をつけて支配しているものです」
とガチギレしていることから、銃を提供したのは国(上)だということだ。この銃撃事件でマキマと、マキマが作った特異課の全員を殺そうと計画したのだ。だからコベニちゃんは銃撃事件で襲撃に遭うことをあらかじめ知っていたはずである。

“上”の誤算は、マキマさんが銃撃事件より一足早く内閣総理大臣と契約していたこと(銃で撃たれても死ななかったためこのとき既に日本国民の死に変換されていたのだろう)、そしてこの戦いに“負けた”ことによってマキマさんに支配されてしまったということだ(マキマさんはチェンソーマンにも「勝ったら支配できる(意訳)」というようなことを宣言している)
マキマさんが銃撃事件に勝った瞬間、「以降公安対魔特異4課をマキマさんの指揮下に置きます」と通達があったのが“上”を支配出来たことの知らせだったのだ。
なので“上”のスパイだったコベニちゃんも、
“上”がマキマさんに支配されたことによって自動的に”マキマさんのスパイ”に移行し、デンジくんを守る勢力(マキマ派)としてデンジを助けたと思われる。コベニちゃんがデンジに「この間は殺そうとしてごめんね」と言ったのはそういうことだ。
これまでのコベニちゃん考察記事にも書いたが、コベニちゃんは支配されているフリをするのが(つまり演技)がめちゃくちゃ上手いんだと思う。支配されているフリをするには「マキマが勝った」とかあらゆる情報が必須なわけだが、情報収集と状況の変化にものすごいスピードで対応するコベニちゃんは適応能力が天才的なのかもしれない。

え?コベニちゃんがスパイだなんてまだ信じられないって?

他にもコベニちゃんがあらかじめ内通していたのではないかと思えるシーンは多い。例えば
レゼ編でコベニちゃんはレゼと戦闘になりそうな場面で腰を抜かし、秒殺されてもおかしくない状況だったのに、レゼはコベニちゃんを見逃している。レゼは余計な犠牲者を増やしたくないと考えたのかもしれないが、コベニちゃんは仲間だったから攻撃されなかったとも考えられる。その他についてはまた別で更新します。
…そうなるとこれまでのコベニちゃんのヘタレ具合は全て演技だということになるが…。

まとめると、
コベニちゃんが森野ホテルで外との断然に気づいても言わなかったのは、言ってしまうと外と連絡を取っているスパイだとバレてしまうため、言えなかった、という仮説です。

4、コベニちゃんの悪魔の発動条件について

アキが契約していた悪魔、カースの能力を発動させるには、「対象に釘を打ち込む」という発動条件があった。
では、コベニちゃんの悪魔の発動条件とはなんなのだろう?

正直全くわからない。

……これに関しては情報がゼロに等しいし、妄想の余地すらない。
が、
もしコベニちゃんの悪魔が秘密の悪魔だと仮定すると、可能性としてあり得そうなのは「自分の秘密(嘘)がバレないこと」あるいは「相手の秘密をあばく」くらいだろうか。コベニちゃんは沢渡とサムライソードに「あなたたち銃撃犯ですよね」と言った後に強くなっているし。

そもそも悪魔を使っていないとしたら、普段のコベニちゃんは全部嘘(演技)で、強いコベニちゃんが素のコベニちゃんなのかもしれない。
あるいは未来の悪魔と契約している可能性もあるかもしれない。


5、アサとコベニちゃんについて

123話でぼくは悟った。コベニちゃんは、実は第二部のアサと同じ状態だったんじゃないかと。

5ー1、恐怖とコケることについて

前回122話はヨルが悪魔に背を向けて全力ダッシュで逃げるシーンで終わった。ぼくはここで、ヨルもアサみたいにコケるかもしれないと思って、それを(も)楽しみに123話の更新を待っていた。
しかし123話でヨルはコケなかった。落下の悪魔がしゃべっている間、ヨルはずっと走っているのだが少しもコケる気配がない。まぁ、当たり前だ。ヨルはアサではないのだから。
ここでコベニちゃんを思い出してほしい。戦闘のときだけめちゃくちゃ動けるコベニちゃんを。そう、アサとヨルのように、コベニちゃんも戦闘の時だけ中身が悪魔と入れ替わっていたのでは?と考えられないだろうか?

さらに言うと、アサが恐怖しているときはヨルと交代することができない。
コベニちゃんはものすごく怖がりである。
永遠の悪魔に閉じ込められたときも、レゼを目の前にしたときもコベニちゃんは恐怖の感情に支配されていた。
そして、ハンバーガー屋でバイトをしていたときも恐怖のせいでチェンソーマンの前で2回もコケた。命の危険が迫っている大事なシチュエーションでコケるという性質がアサと全く同じなのだ。

恐怖に支配されてるとき➡️コベニちゃん(弱い)
沢渡とサムライソードとの戦い➡️悪魔?(めっちゃ強い)

5ー2、コベニちゃんと天使の9階級

前回のコベニちゃん記事でコベニちゃんは天使の9階級のなかのひとりなのではないかと書いた。マキマさんが支配できなかった天使は「アークエンジェル」である。
藤本タツキ氏が担当編集の林氏に「天使の悪魔とコベニちゃんどちらが生きてほしいか」と質問し、「天使の悪魔と答えたから殺した」、「コベニちゃんの位置に天使の悪魔がいるはずだった」、とジャンフェスのインタビューで話していたことからもコベニちゃんはアークエンジェル=天使の悪魔だということだろう。
しかし雑誌のインタビューで林氏がコベニちゃんの悪魔を藤本タツキ氏から聞いて「ショックだった」と語っていることから、コベニちゃん=天使の悪魔と聞いてショックだった、と答えるだろうか?という疑問は残る。

6、まとめ(?)

結局コベニちゃんの悪魔は不明だが、コベニちゃんは優れた諜報員(スパイ)であり、立ち回り(演技)が上手いということはぼくのなかで確定しています。
コベニちゃん契約悪魔については下記の可能性を考えているが、

1、秘密の悪魔
2、嘘の悪魔
3、天使の悪魔
4、未来の悪魔
5、スパイの悪魔
6、契約悪魔はいない

そもそも契約悪魔はおらず、コベニちゃんのポテンシャルがめちゃくちゃ高いだけ、のような気がしてきた。
コベニちゃんはダンスゲームを「パーフェクト」に踊りきった唯一の女の子だからだ。

しかしやっぱり林氏の「ショックだった」発言もあるので契約悪魔はいたんだろうと思う。

ともあれ、とりあえず今回は以上です。


次回はコベニカーについて書く予定。







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