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ゴジラ-1.0の感想など

今更ながらゴジラ-1.0を見てきた。
前々から見たかったのだけど、アカデミー賞のVFX部門を受賞した翌日に見ているというのはまったくの偶然であった。ただ、日本映画が相当な異例の低予算で受賞したというニュースは平日午前の一本目枠の上映に、滑り込みで入るだけのモチベーションを多少なりとも作っていたと思う。
そして、今、早速感想をしたためている。事前にSNSなどで評判は見ていたものの、いつか見る映画やゲームのネタバレは絶対避けるという信条を持っているので、特に深い前知識なしの視聴であり、この感想はおそらく緩やかなネタバレを含んでいる。そして、全ては個人的な感想である。

通しで見ての感想は、やっぱ映画館で見るゴジラはこえーし、つえーし、やべーという感じで、わりとシンプルに楽しめたし、結構ハラハラした。
今回映画を見る前にメガホンを撮っている監督に対する下馬評や、公開直後のSNSまとめのタイトルから、ゴジラアクションが全然なくて、お涙頂戴、日本人俳優の演劇なのかなーと思っていたが、そんなこたぁなかった。
しっかりゴジラは怖い。しかも、ジュラシックパークや、ジョーズを思い起こさせる、ゴジラのアクションシーンが、シンプルに怖いと思わせる手法を惜しげもなく使っていて、そこに現代映像のハラハラさせる演出があいまって、劇場で見るゴジラアクションとして満足度が高かった。
また、本作で賛否がわかれている、俳優たちの演技は、なんだろう、そういう映画の中で、すごく安心してというか、演出を楽しむために、お決まりのシナリオと演技を受け入れやすかったのが逆によかったように思った。佐々木蔵之助が艦長だったからら安心感あったし、吉岡秀隆が知的キャラやっているのも、そういう人っていう刷り込みがあるから、さっと受け入れられる。なんというか歌舞伎的な、『いよっ!!!』と声を上げたくなるようなキャスティングや展開は、変にうがった見方をしなければ、やっぱ単純にカタルシスがあるし、そういう期待にしっかり答えてくれる演技は、やっぱ見ていて気持ちがいいもんだった。安藤サクラが最初は嫌味だけど、やっぱぶっきらぼうでいい人みたいなのも、そりゃそうだよね!という感じで、うん、気持ちがいいです。余計な思考が入る余地がないように作られている感じはあったなぁ。

なので、なのだからこそだけど、ストーリにー対しては特に考察や講釈を垂れたくなる作品ではなかったなというところです。だから、出てくるやっぱアクションシーンや、模擬戦でトップクラスだった元特攻隊員が幻の震電でゴジラを翻弄するのとか、もう単純にエンタメとしておもろかったです。一貫してシンプルにストレートに面白い映画で、そのシンプルに受け取れるようにされている作りがすごいなとも思うし、いい映画だったなと思った。

ただ一箇所だけ。文句をつけたい。
最後特攻を決めるところの展開とBGM。あれよ。

あれいらんかったろー!?

というのがもう、本当、最後惜しい。
ご都合展開自体は、テンションでカバーされてなんとかなっていた。あんだけ無理やり船に載せず、次の時代を託した小僧が、しょっぼい漁船で助けに来たときに、なんか無邪気に佐々木蔵之助がテンションあがってるのも、一瞬『ん?』って思ったけど、まぁ、見過ごせる。あと一歩だったもんな。まぁ・・・。あるだろ・・・たぶん。まだ理解できる。

だけど、水面に出てきたゴジラが口からチェレンコフ光出している所に、スローで敷島が突っ込んで来る所のあの一連。あそこだけは『あー・・・やっちゃったか・・・』って気分になったなぁ・・・。
もう、そこまでの仕込みでこの展開は見え見えで、見てる側もそれ受け入れてるんだから、『あ!あー!今来ないと!今来ないとみんな死んでまうよ!!!ゴジラ口光ってる!!!あーっっ!!!』みたいなハラハラの絶頂を、1カット一瞬の爆発で突っ込んで、佐々木蔵之助と吉岡秀隆が呆然とする。みたいな形で決めてほしいわけよ。で、沈むゴジラの脇にパラシュートが!みたいな展開のほうが感情移入できるわけよ。(ドワノコージュマイハー みたいな。そのBGMなら許せる)
それを、よくわからん賛美歌みたいなBGMをバックに、スローで引き伸ばして、『しきしまぁーーーーっ!!』って。場温めておきました!敷島さん!ゴジラさん!おまたせしましたー!よろしくおねがいします!ガシィッ!ボカーン!ああーっ!・・・あっ!?しきしまぁー!ゴジラさん退場!一同敬礼!!!完!・・・すごく下品な例えだけどオ○ニーでイキかけてるところで、AVの再生速度が0.3倍速になって、その間にダラダラと逝ってしまって、賢者タイムになってから通常速度再生に戻ったような、110分の最後15分くらいでそれは・・・ちょっと、ねぇ。
いやぁ・・・百歩譲って構成は良いとしても、やっぱあのBGM。あれだけはいらんかったな・・・あれはもう好みなんでしょうかね。だってさ、あんな死にそうなBGM流してるけど、わかんじゃん。敷島死なないでしょ。でも・・・これはXウィングはデス・スターに一撃加えてもバシッと離脱するし、立花さんがコクピットでゴニョゴニョしてるのも絶対脱出装置でしょとか、そういう技術的にそういうことを可能にする線や展開を認識しているから感じるものなのかな、そうでなければ、あの引き伸ばしは、ここまで全員帰還でやってきたのに、やっぱり敷島は死んでしまうのかーーーーっ!!号泣!ってなるのかな。まぁ、個人の感想です。そんな感じです。

とまぁ、ラストへの言いたいことはある程度あったにせよ、全体を通すと劇場で見てとても満足度の高い作品だったし、各アクションはやっぱアカデミー賞取るだけの作品だなって思うので、とてもよかったし、他の感想を見て山崎作品を見てみたいなとも思ったので、総合的には大大大満足です。こんだけ感想書けたらやっぱ傑作ですよ。

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