『許す』前に必要な、大切なこと。

癒やしの段階として
『許しが必要』とよく聞く。

ここでの『許し』とは
相手の背景や事情などを理解して
「そういう事情があったなら仕方ないよね」と
感情的に理解するということ。

母との癒着を切るため、手放すため
許そう、許そうと思っていた。

『母も1人で大変だったんだから。
頼れる人もいなくて辛くて苦しかっただろう。
だから仕方ないんだ。』

だけど何度それをしても
幼い頃を思い出す度に怒りが噴出する。

こんなにも許そうとしてるのに
なんでまだだめなの？
なんでまだ手放せないの？

許せない私は人としておかしいのだろうか。

こんなふうに思っていたりもした。

けれどある日ふと思った。

『母も1人で大変だったんだから。
頼れる人もいなくて辛くて苦しかっただろう』

これって小さい頃からやってたよ？
ずっとずっとずっーとやってたよ？
なんで今もやらなきゃいけないの？？？
まだやらなきゃいけないの？？？

ここで気付いた。

小さい頃からずっとずっと
自分の感情は後回しにして
相手の感情を先に理解しようとしてきた。

自分が何かを感じる前に
相手が何を感じているかを考えていた。

それが身についてしまって。
それが極々自然な私の在り方で。

そして『私』はずっと
置いてけぼりだった。

今の私に必要なのは
相手を理解しようとすることじゃない。

あの日、あの時
『私は怒っていた』ということを
ちゃんと感じてあげること。

あの時に傷ついた私を見つけてあげて
『私』の思いを理解してあげること。

相手の事情は知ったことではない。
相手の事情がどうであれ、私は悲しかった。
傷ついた。苦しかった。寂しかった。

だから私はあの人を許さない。

そう決めた。

そんなふうに思って、実践して
今、半年くらい経つのかな？

気付いたら
あんなにも燃えたぎっていた怒りの炎を
ほとんど感じなくなっている。

怒りが減ったというより
「飽きてきた」が近いかも？

なんかもう「はいはい」って感じで。

「どうでもいいや」に近いかな。

あぁ。
これが感情を感じ切るということなのかな？

怒っていた、傷ついていた私を
認めて、受け入れ続けた。

きっとそれに満足してきたんだろう。

無理に許そうとしなくっていい。

たくさんたくさん
怒って、怒って、怒って
その先に許しが待っているんだろう。

私はまだそこにたどり着いてはいないけれど。

今は別にたどり着かなくてもいいと思ってる。

その出来事の恩恵を考えようとも言われるけど。

だけどね、そんなことはずっとやってるんだ。
そして恩恵があることは充分に知っている。

あの日々があったからこそ私はここにいる。

だけど、あの日傷を負った私には
それは関係のないこと。

だから、あの日の私のために
ちゃんと怒ってあげる。

それが、今の私が
私自身のためにしてあげられること。

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