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6/25「カピバラトーク」と新しい武器。

6/25に開催された「カピバラ大好きミーティングin大阪」多くのお客様に来場頂きクッキーハウスさんによる音楽やカピバラグッズが可愛いマルシェも大盛況でした。今回、私の担当は「お話」。チラシや告知では「ブラジルで見たカピバラの生態と環境」という題名だったのですが、何時ものごとく脱線と時間延長でお客様に御迷惑をお掛けしたことも多々だったと思います。

これまで色々な場所で「お話」をさせて頂いているのですが、場所とお客様によってテーマを絞るのが難しく、これが事前準備の最大の山だったりします。例えばお客様が全員「カピバラが好きで詳しい方」だったら野生のカピバラのお話を掘り下げてみたり、カピバラの気持ちを考えてみたりとマニアックなお話を中心に勉強会の様に真面目に進めれば良いのです。逆に「カピバラは知ってるけど・・・何?」というお客様にはネズミの仲間です!からスタートし、実は俊敏なのです!まで基本的だけど大事な事実、まるでテレビの動物番組みたいな感じで良いのです。

ところが、大抵の会場はこの詳しい方と知らない方が混在していることが多く、動物園歴10年ですの方に「毛は硬く」はツマラナイし、逆に見たことも数回の方に「野生では排泄を陸でも」なんて話をさせて頂いたらも両者ともに瞼が重くなるか、口がポカーンです。なんなら壇上で話している男は誰なんだ?動物園の飼育係さんでもないのに知ったぶってよー?みたいな事もよくあります。

そこで大発明!?数回前の講演からA4サイズの紙を1枚を事前に配る事にしました。そこにはカピバラの基本的な生態と自己紹介などを記載してあります。事前にこの公園の為の予習を少しだけしてくださいね・・・というものです。よくありませんか?映画や観劇を見に行った際に本編が始まる前の数分間、やることが全く無い時間帯。この時間にお願いするのです。

内容は私のホームページや写真集の巻末解説とほぼ一緒ですが、かなり簡単に書いてあります。カピバラのことをあまり知らない方は、読んでみて頂けると嬉しいです。

今回のお話では上記の解説が「本当なのか」実は「嘘」なのかを動画や写真を見て頂きながら探ること、気が付くとカピバラに少しだけ詳しくなっているという内容のつもりでした。毎回思うのですが皆様にカピバラのことをもっと上手に伝えられたらと思うもので、テレビを見る度に芸人さんはスゴイと感激する日々です。




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---解説ページ---

カピバラについての基礎知識

科名:カピバラ科
学名:Hydrochaerus hydrochaeris
和名:鬼天竺鼠(オニテンジクネズミ)
生息状況:ふつう種

カピバラは、とても大きくてブタの様に太っていますが実はネズミの仲間です。ネズミの仲間を齧歯目(げっしもく)と分類しますが、その中でも地球上に現在存在する一番大きなねずみです。

大きさは、四肢で立った時には鼻の先からお尻まで1.1~1.3m、地面から肩までの高さ(肩高)は50~62cm、体重は平均45kgです。体は硬い毛に覆われています。大人のカピバラは、タワシの様に硬く長く褐色の毛で地肌が見える程度にまばらに生えています。子供のカピバラは、逆に短く軟らかい毛がびっしりと生えています。特徴的な体にはネズミのシンボルとも言える尾がなく、四本の足は短く、前足は後ろ足より短かいです。前足は指が4本、後足は指が3本と本数が異なり、指の間には小さな水かきが付いて上手に泳ぐ事が出来ます。

カピバラは完全な草食動物です。野生では牧草や木の実、樹皮を食べています。カピバラの前歯はとても硬く長いので、短い草や硬い木の実なども食べる事が出来ます。一日に約3kg程度食べます。動物園では青草の他に人参、サツマイモ、キャベツ、林檎などの野菜果物と草食用ペレットを与えます。

カピバラの性別の見分け方は鼻の上にある黒色をしている毛の生えていない卵型のモリージョと呼ばれる突起物があるのがオスのカピバラです。モリージョから白くねばっこい分泌物を出して木などに擦り付け自分のテリトリーに印を付ける役割と交尾期になるとメスを引き付ける役割があるようです。

カピバラは状況に応じて鳴声が違います。赤ん坊や子供のカピバラは常にのどを鳴らす様なキュルキュルという声を出して群れのメンバーや母親との接触を保っています。又この声は大人になっても親和的な時に発せられます。又捕食者や危険を察知した時はゴッゴッと言うような咳払いの様な声を出します。この咳払いの様な声は繰り返し発して近くにいる仲間は周りを警戒して一斉に立ち上がり更に危険が近づくと水の中へ逃げ込みます。しかし、避難場所の水中でもワニなどにも狙われています。野生での捕食者とは、地上からはジャガーやキツネ、上空ではコンドルなども狙っています。特に子供のカピバラは狙われます。

猛スピードで走ることもあります。死に物狂いで走ると時速50km/hとも言われています。泳ぎも得意で約5分間潜り続けます。水は大事な場所であり、避難場所であると共に排泄や交尾も水中で行います。動物園のカピバラの飼育舎に池やプールがあるのはこの習性の為なのです。

カピバラは平均10~20頭で群れを作り集団行動をします。その中心となる強いオスが1頭にメスが数頭とその子供たちで家族を形成していますが、独り者のオスやつがいだけや子供連れのつがいなどもみられます。独り者のオスはそれとなく群れに入り込もうとしますが、集団のオス達に撃退されます。単独のオスは群れを渡り歩いたりします。

乾季にはは、いくつもの集団が水の残っている湖や沼に集中して生活する為に、一時的に集団は100頭を越すこともありますが、ふたたび雨季になると大きな集団は解散して、もともとの小さな集団での生活に戻ります。この小さな集団は閉鎖的なまとまりをもち、中心となるメンバーが変わったり中心のオスが変わる事はめったにありません。

カピバラは、家族の団結が強い動物です。子供が他の動物達に襲われそうになった時は大人のカピバラが子供のカピバラの周りを取り囲むように盾になり移動を行います。

寿命は野生で約5~10年、飼育下だと15年以上生きる個体もいます。

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