平川友紀(まんぼう)|ライター

ライター/インタビューライター/ときどき編集。リアリティを残し、行間を拾う、ストーリーライター。地方創生、まちづくり、ソーシャルデザインなどを主なテーマに、さまざまな人にインタビューしている。地方取材多め。

平川友紀(まんぼう)|ライター

ライター/インタビューライター/ときどき編集。リアリティを残し、行間を拾う、ストーリーライター。地方創生、まちづくり、ソーシャルデザインなどを主なテーマに、さまざまな人にインタビューしている。地方取材多め。

マガジン

  • しのばら園芸市

    • 3本
  • 水澄む草青む

    • 16本

    空から降り注ぐ雨水が、何十年もかけて森の奥の清らかな泉の一滴となるように。我が身を生きることを通して言葉を綴る5人の書き手によるちいさなWebマガジン。

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平川友紀・プロフィール&仕事の紹介

ライター/インタビューライター/ときどき編集 神奈川県の里山のまち、旧藤野町在住。1979年10月生まれ。20代前半を音楽インディーズ雑誌の編集長として過ごし、生き方や表現について多くのミュージシャンから影響を受けた。体調を崩したことをきっかけにマクロビオティックを学び、持続可能なライフスタイルを模索し始める。2006年10月、東京・西荻窪から旧藤野町(相模原市緑区)に移住。その多様性のあるコミュニティにすっかり魅了され、現在は、地方創生やまちづくり、ソーシャルデザイン、コ

    • しのばら園芸市pre2023冬レポート

      いよいよ今週末に迫った「しのばら園芸市2024」。 今回が第一回となりますが、じつは2023年12月2-3日に、 地域の方々や友人知人などに告知をし、preイベントを開催していました。 規模はかなり小さかったのですが、今回と会場も同じなので、 どんな様子だったのか、ちょこっとご紹介したいと思います。 preイベントの様子をご紹介 しのばら園芸市の会場は、県道からはまったく見えない 奥まった場所にあります。 韓国食材店「愛ちゃんキムチ」の脇の川沿いの道を下っていくと、 突然

      • 「篠原」という集落のこと

        篠原(しのばら)とは しのばら園芸市の会場があるのは、神奈川県相模原市緑区(旧藤野町)の「篠原(しのばら)」という小さな集落です。しのばら園芸市も、篠原で暮らす人々が中心となって始まりました。著名な観光地というわけではありませんが、さまざまなイベントが開催されることもあり、多くの人が遊びに訪れる知る人ぞ知る山里の集落です。 最寄り駅までは車で20分、そこから新宿駅までは1時間ちょっと。 十分に都心への通勤圏内ですが、そうとは思えないほど周囲は山に囲まれています。 どんなと

        • 上関町のこと、祝島のこと

          山口県上関町の上関原発建設予定地。 ここは数十年に渡り、建設予定地の浜の正面にある祝島の人たちが 漁業補償金の受け取りを拒否し、海と故郷を守るために 反対活動を続け、建設を阻止し続けてきたことで知られている。 ドキュメンタリー映画もいくつか撮られ、 そのうちのひとつ「祝の島」のチラシのイラストを 私が住んでいる藤野在住の絵本作家・西村繁男さんが描いたことや 周囲に抗議活動に参加していた仲間がいたことで 私もその経緯をよく知っていた。 映画上映会も開催したし、大きな抗議行動が

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        記事

          集うヨロコビ

          パンデミックが起こり、あっという間に2年が経った。仕事は家でしていたし、もともと腰が重くて、あまり外には出ないほうだ。ひとりでいるのも苦痛じゃないので、むしろ家から出なくていいのは好都合だった。初期は取材が激減して、つらかった。その後、対面取材は回復しないもののオンライン取材が増え、忙しさでいうとパンデミック前と変わらないぐらいになった。 だからまぁ、取材はやっぱり対面でしたかったけど、それ以外は、これはこれで気楽でいいかと思っていたところもある。 地域はリスク管理がしっ

          これはね、壁に呼ばれたの。

          ※以前つくって、そのまま放置しているウェブサイトで唯一書いた文章。消えてほしくないので、こちらにも転載しておきます。依田さんはこの個展のあと、お亡くなりになりました。藤野でもぜひ個展を開催したいと伝えていましたが、その余力もなく、実現しないまま逝かれてしまったことが、今でも心残りです。 --- まるで絵のように生々しく、鮮やかで、立体感のある、 おそらくはレンガ造りの建物の壁。 その、圧倒的臨場感をもつ1枚の写真を前に、思わず聞いた。 「依田さん、この壁の質感、いったい

          これはね、壁に呼ばれたの。

          2011、2013、2016、2019。映画「藍色少年少女」再上映によせて。

          先日、吉祥寺アップリンクで再上映されている映画「藍色少年少女」を見に行ってきた。観るのは、いったい何回目になるだろう。 「藍色少年少女」を紹介する記事を書いたのは、初公開直前の2015年のことだった。演劇表現を通じて、子どもたちの心と身体を解放しようと始まった神奈川県旧藤野町(現相模原市緑区)の表現活動団体「ふじのキッズシアター」が、映画をつくりたいと一念発起。その主旨に感銘した映像制作会社「曲輪合同会社(KURUWA.LLC)」の協力を得て、この映画は生まれた。 ふじの

          2011、2013、2016、2019。映画「藍色少年少女」再上映によせて。

          ライターとしての目標はなんですか?

          #ドーナツトーク は、誰かが出したお題についてのバトンリレー式の連載。書き終えたら次の人を指名し、最後はお題発案者が〆めます。 思えば、私の世界はいつも狭く、浅い。 音楽ライターをやっていたとき、興味があったのは、世の中的にはほとんど知られていないインディーズバンドだった。無事にメジャーデビューが決まると、私の役目は終わったような気持ちになって送り出し、勝手にひと区切りつけて、新たなインディーズバンドを発掘する。ライブハウスよりも広いところへ出たいとも、出ようとも思わなか

          ライターとしての目標はなんですか?

          煙が立ちのぼる、朝。

          うちからゴミ捨て場までは徒歩2分。 家を出て、細い1本道を針葉樹の森に向けて入っていく。 てくてく。 川を渡り、森はすぐに抜ける。 畑といくつかの家が見えてきて、景色がひらける。 視線を少し上に向けると、 ばらけて建つ3つの家から 煙が立ちのぼっている。 薪ストーブの、煙突からの煙だ。 冬の朝の清浄な空気のなか、音も立てずに上がる煙は、 静かで、動かない里山の風景に「動」の気配を漂わせる。 見えないところで人が立ち働き、暮らしているという事実を まるで狼煙のように、知

          たったひとりに、確かに、強く、届くもの

          情報が、溢れかえっている。 大切な情報も、求めていた情報も、 興味のない情報も、不必要な情報も、 全部が等しく、流れてくる。 ありとあらゆる知識、ぶつけられた怒り、 遠くの誰かの、小さな喜び。 何を受け止めたらいいんだろう。 私は何を求めているのだろう。 考えているうちにも、 次々と流れ、まばたきしている間に もう、遠くまで過ぎ去っている。 何十億人の言葉が、迫っては、 あざ笑うこともせずに、去っていく。 混乱する。 たった100人の、集落の人たちの名前さえ まだ覚え

          たったひとりに、確かに、強く、届くもの