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11月28日(土)設定

『ルポ西成』に、この街の人間はみんな"体"で生きているのでうんぬん、という一節があった。露骨な嘘やなんか含むかなり極端なのを指していると思われるが、人間誰しもその人なりの設定がある訳で。名刺の肩書きに入れる文言なんかわかりやすい例だろう。

勤め人の名刺であれば、勤務する組織名、所属部署とそこでの担当や役職名までが必須で、あと、自身が持っている関連の資格などを入れたり入れなかったり。

「あれ、○○士外しちゃったんですか?」

「あ、あれね。話のネタにと思って入れてたんだけど、面倒臭い話にはなっても営業的にはイマイチ効果がないみたいなんで」

などなど、みなさんそれなりに試行錯誤されているらしく、なかなか悩ましいところに違いない。

持っているだけの資格を列挙(できる人にしかできない訳ですが)した場合、ただのうれしがりにしか見えなかったり、いま関係ないだろと鬱陶しがられたり、そこ関係ある?と性格的な弱さを勘繰る向きもあり。

フリーランスの場合、複数の職種名が並ぶこともあるが、それがある種の相乗効果を発揮するか、単に胡散臭い奴と思われるかは、渡す相手によっても変わってくる。

勤務先で支給される名刺のほかに、サイドビジネス用、ボランティア活動用、趣味の世界での交流用など、複数の名刺を持つ人は増えていると聞くし、実際にそういう人を何人も知っている。フリーで使えるテンプレートや名刺作成アプリなども、いろんなのがあるようなので、ある程度簡単にできてしまうのも確か。

まあ、自分で行った「設定」によって、活動領域が制限されたり、いろいろ窮屈になってしまうこともあったりする訳ですが、その場合は、その設定自体を自分で解除/再設定できるのであり。なかなかに魔術的ですらある。などと思ったりする次第です。


写真は今朝の朝日新聞1面の広告。このスペースは目立つね。多様性を賛美する流行りの色づかいやし(違


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