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社長になると宣言して実際になる人は(ほとんど)いない、と書かれています。

これはなかなか面白い話だと思います。

よく「強く願うことは叶う」といったことを聞きます。周りに宣言したり、あるいは手帳に書いて毎日読んだりすれば、自分が願うことは実現する、といったことです。

しかし考えてみれば、ひとつの会社で社長になれるのは一人しかいません。もし社内で10人が社長になりたいと強く願っても、9人はその願いが叶わないことになります。どれだけ必死に宣言し、紙に書いて毎日それを声に出していたとしても、です。

ほかの会社に移っても同じことですし、それでは独立して社長になるというのはどうでしょう。たしかにそれなら社長にはなれます。その後はどうなるのかわかりませんが…。

社長になると強く願い、努力をするとしましょう。ここでは勤める会社で出世して、ゴールが社長になることだとします。

常に社長になることを意識しているのですから、そのためにどんな能力を身につけなければいけないのかもわかるようになります。目的が明確なので、ほかの人よりも社長になる最短距離を突き進むことになるかもしれません。

そしてそれなりの成果を出し、評価されるとしましょう。それでもやはり、社長になるのは難しいかもしれません。

その理由は「なぜ社長になりたいのか」にあると思います。おそらく最初から社長になりたいと願うのであれば、その目的は「会社のトップになること」だと思います。つまりはそこがゴールです。

しかし会社が必要とするのは、単にトップに立つ人ではありません。会社を存続させることができる人です。では会社を存続させる人とはどのような人なのでしょうか。

それは上記の記事にも書かれていますが、「後継者を育ててきちんとバトンを渡せる人」です。けっしてトップにしがみつくような人ではありません。よって社長になることに「こだわる」人は社長にはなかなかなれないと思うのです。

目的は会社を存続させることであり、売上を増やすことや会社の規模を大きくすることであれば、別に社長にならなくても貢献できます。むしろナンバーツーになって実行する側でいたほうが、より直接的にその実現に貢献できるのではないでしょうか。

そしてそのような熱意と能力を持つ人が、社長になることを「求められる」のだと思います。

よって社長になることを目的に努力をしても、なかなか実現しないのではないかと考えられます。もちろん例外はあるでしょう。たとえば現在の社長に任せていては会社が傾くと危惧している人は、自らがトップに立って会社を立て直したいと考えるかもしれません。そのような人もやはり、周囲から求められて社長になることでしょう。


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