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僕は耳と目を塞ぎ口を噤んだ人間になろうと考えたんだ

こちらはサークルクラッシュ研究所のアドベントカレンダー、15日目のものとなりますが一週間経過したところで書き終わりました。よければ他の方のも読んでくださいね。
はじめましての方に自己紹介をしておくと、当方サークラ老害となってしまった25歳大学生です。18歳からサークラにいますが最近はもっぱら引きこもって最近はSNSもめっきり触っていないので知らない人も多いかと思われます。よろしくお願いします。

僕は耳と目を閉じ、口を噤んだ人間になろうと考えたんだ

J・D・サリンジャー『ライ麦畑でつかまえて』より

最近、むかしのことをよく思い出す。最近遊んだフォロワーが自殺したからだろうか、むかし仲良くしていた人が転生して復活しているからだろうか。自殺した彼女はかなり昔からの知り合いで、その際に共通のフォロワーや周りでよく見たフォロワーについて語っていた。その際、死んだ人や逮捕された人についての話になった。

数えてみると、15人近く自殺していたし、逮捕者、死者、統合失調症が悪化して人格が荒廃してしまった人を含めると30人近くになっていた。クラス1つ分くらいの人数だ。

自分を含む高校1年生のクラスを想像して欲しい。そこで、20歳になって同窓会を開催しようとしたら自分以外の全員が死んでしまっていたら。きっとわたしの感情はそう喩えるのが一番わかりやすい気がする。

最後に会った時、彼女は電通の話をしていた。イベントコンパニオンとして働いていたので、電通等の事情にも少し触れていたと。日本の流行は電通が作っていると言っていた。
過去の人のことを語る時に覚えている人がいなくなったら本当に死んでしまう。だからわたし達は忘れないでいようねと言っていた。

最近のインターネットの雰囲気は少し苦手だ。みなろくに理解もしていない政治やら戦争やらについて語っている。狭い視野で極論を言い、なにか燃やせるものがないか、叩ける人はいないかと必死に探しまわっている。
人間という存在を属性で細分化して、皆が必死にポジショントークを繰り広げている。
そのイデオロギーが流行ることによって誰が得をするのか、誰が考えた結果のかなんてきっと考えたことがないのだろう。ただただ皆ネットで焚き火をして暖をとっている。
ほとんどの人は視野が狭すぎるし、想像力が足りず、地獄の底の深さを知らない。もしくは両方かだ。
むかし、サークラのアドベントカレンダーで女性を過度に神聖化するオタクに絶望して欲しいという文章

を書いたが、それに似たものがあるとも思っている。
コロナで人と会うことが減ったからか、人間を人間と見ることができる人が減っている気がする。
人間は数字でもツイッターアカウントでもバーチャルアバターでもなく(今のところは)、あくまで人間でしかない。それらはあくまで一面にしかすぎない。
その一面を見てその人自身に対する全てを規定してはいけない気がする。

わたしはそうはなりたくないし、自殺することも出来ないから耳と目を塞ぎ口をつぐんだ人間になりたいなとよく思う。
そして、願わくばめちゃくちゃ稼げる人間になりたい。そしてライ麦で遊ぶ好きな人たちのことを崖のそばで見守り、崖から落ちそうになっている好きな人を捕まえたい。そして夜は死者の思い出で暖を取り、皆が本当に死んでしまわぬように墓守をしていたい。

が、それでいいのですかね。

攻殻機動隊S.A.Cより

あとがき

サリンジャーおすすめです。攻殻機動隊もおススメです。
クリスマスらしい話を書こうとしていたらクリスマスらしい話(激鬱)になりました。『ライ麦畑で捕まえて』はクリスマス前の話です。なので許される...…よね?

極貧なので石油王なら課金してください。石油王じゃないなら無理しなくていいです