かぽーん

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マガジン

  • 犬よ

    うちの犬の誕生日は2006年2月3日、2022年で16歳になりました。子犬の頃も老いた今も柴犬らしい気性のかわいい犬です。遠くない将来いつかいなくなる犬の色んなことを私が忘れちゃう前に書いておくマガジンです。

最近の記事

犬よ14

2月3日。うちの犬のお誕生日だ。そう、今年もうちの犬がお誕生日を迎えることが出来たのだ。18歳のお誕生日。大きなけいれんもなく年を越して、満を持して18歳になった。 ごはんをよく食べる。必ず夜中の2時と4時に起きてミルクを飲んでよく歩く。その量がまた増えてミルク一回60mL、日中は1時間おきに起きたりするし吐きも下しもせず、よく飲みよく食べる。ちゅーるを1日5本は食べ、犬用流動食の一個200円くらいのを1日か1日半でぺろり。犬用ミルクは本当に高くて1Lで900円とかするから、

    • 犬よ13

      今けいれんが起きたと母からLINEが入る。座薬を1錠使ってなんとなく治まったらしい。そして今回も座薬入れたら1回はうんちで出されたらしい。器用。ぱちりぱちりゆっくり瞬きはしているがそろそろ寝そうと寝床にも移された。そういえば今までは毎度発作の報を受ければ帰ることができたのだが、明日は出勤なのでパジャマを脱ぎ捨て電車に飛び乗ることは今日はできない。今回が初めて、やきもきしながら自宅の廊下を無駄にウロウロしている。そろそろ下の階の人に迷惑だし無理くり布団に横たわった。元来間のいい

      • 犬よ12

        犬が冬毛になっている。柴犬の換毛期というのはもう笑っちゃうくらいの物量と気づかぬうちに紛れ込んでいる隠密性というか日常に溶け込んでしまっているというか、うどんのつゆに犬の毛が浮かぶなんてそもそも換毛期でなくとも日常なんだから本当にアレルギー持ちの人はダブルコートの動物と暮らすのはちょっと難しいと思う。人が健康でなければともに暮らしてくれる生き物のちいちゃい命なんて守ってあげられないから。人間ができることなんてこれくらいしかないのに。 換毛って結構なエネルギーを使うのだそうだ。

        • 犬よ11

          缶詰のお肉が食べれなくなってきたそうだ。噛むというよりペロペロ舐めるので固形物は出されてしまう。ついでにお薬も器用に出す。チュールや犬用牛乳でミンチの缶詰を伸ばしてペースト状にしたのをスプーンであげる。チュールでも緑黄色野菜入りは好きでないから他の味でごまかされるごはん時に専ら使っている。さつまいもとかの味は好き。 昨夜は軽いけいれん発作があったのでけいれん止めの座薬を入れた。刺激になったかそもそも挿入されたのが嫌だったのか、まぁうんちと一緒に上手に出される。振り返って人間を

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        • 犬よ
          15本

        記事

          大好きな海のまちのこと

          小さい頃スイミングを習っていた。習っていただけ、50メートルも泳げたことがない、どうにも鈍くさくて自分の体の上手な動かし方をこの年になってもよくわからないまま。どこに出しても恥ずかしくない運動音痴、人と比べると不格好な動きしかできないし団体競技は皆の足を引っ張ってしまう己の不甲斐なさ、不出来さはいやいややっぱり恥ずかしい。 大体水の中にいるってそれだけで疲れるじゃないの。それからちょっとだいぶアレだったうちのクソ親父は子供らが泣きわめくのがうるさくて大嫌いなくせにビビらせて泣

          大好きな海のまちのこと

          犬よ10

          あれっきり夜鳴きはしない。だからあれはやっぱり発作だったねということになった。お薬を増やして今のところ新たな発作は起きていない。 起きれないーー立てないーーと鳴いていた犬は、中腰で全介助で支えてやらないと歩けなかった犬は日々そんなことを繰り返しているうちに、いつの間にかまたどだどたのたうち回るようにして勢いつけて立ち上がる方法を再習得していたし、調子が良ければしばらく独歩でくるくる回れるようになった。自主的にリハビリをしていたことになっていたらしい。すごすぎる。目を離すとすぐ

          犬よ9

          昨日noteに投稿してから数時間後、母からLINEが入った。けいれん発作が起きたと。イッヌキトクスグカヘレの一報であった。パジャマを脱ぎ捨てメディキュットを脱ぎ捨て終電に飛び乗った。このときばかりは首都圏で終電が遅くまであること、土曜の夜で酔っ払った陽気な人が多いこと、時間が時間だから乗り合わせが非常に悪いこと、情緒はめちゃくちゃである。 本当は友達と遊びに行く約束をしていた。この子は以前も犬の急変でドタキャンをしているのでちらっと頭をかすめた。約束は夜だし母が仕事に帰って来

          老いても病んでも赤ちゃんになっても犬はかわいい

          近頃休みの度に実家に帰っている。もともとの無精も加速して冷蔵庫の中はずっと空っぽだ。味噌だけがひとり悠々と冷やされている。犬に会いたいと、初めて家を出た学生の時よりも就職仕立てで毎日めそめそしていた時よりも、強く強く思う。 犬が老いて、近頃は人間の抱っこも許されるようになった。かわいい。あんなにビチビチに暴れていたのに別犬みたいだ。犬を抱っこするのってこんなに幸せなんだって17年目にしてしみじみ実感している。柴犬って大概こうだ。うちの犬はどこに出しても恥ずかしくない柴犬である

          老いても病んでも赤ちゃんになっても犬はかわいい

          犬よ8

          「このまま意識が戻らないままお看取りか、戻る可能性もゼロではないよ」 「立ったり歩いたりできるのは二度とないよ」 動物病院の先生に言われた。まあ幸い意識は戻って足をぱたぱたさせるし鳴くのはこれはけいれんかと聞くと、立てないのにキレているようだとのこと。は????立てないのだが???????みたいな。まあそうよね、そうだよね。しかしこの期に及んでまだ立つ気でいるんだ、私としてはこの終末期ができるだけゆっくりであるといいなという気持ちなんだけど。当の本犬はそうではないらしい。 こ

          犬よ7

          イッヌキトクの報を受けて実家に戻って1週間くらい。犬はといえば赤ちゃんになった。写真は一昨日動物病院に連れて行くのに車用のベッドに乗せたらかわいかったので。 あのけいれん大発作を思えばとてもよく頑張っている。動物病院の先生や看護師さん総出で褒めちぎられた。認知機能は確実に落ちて、というか自力で立ち上がれなくて寝たきりになったのだが、それが犬自身は理解できずに「はぁ?????????立てないのだが???????????」みたいにキレ鳴きをしながら足をばたばたさせる。日に日にその

          取り急ぎ犬よ6

          夜勤明けにだらだら寝続けてふっと覚醒して、布団でそのままスマホをいじっていた。そんな折のイッヌキトク、スグカエレの一報。だわあああと無駄に声を出しながらパンツとか実家から出勤できるように仕事のものとかをクソデカエコバッグに放り込んで、何日家を空けるか分からないからちゃんとゴミ出しもしてからせっせと足を進めた。18時過ぎ、世の皆さんはご帰宅の時間、そしてこれまた乗り合わせがめちゃくちゃ悪い。ホームに広がってちんたら歩く人々をなぎ倒して進みたかった。いやまぁこのクソデカエコバッグ

          取り急ぎ犬よ6

          犬よ5

          この度2月3日節分の日、めでたく実家の犬が17才のお誕生日を迎えた。めでたい。めちゃくちゃめでたい。えらい。 犬はお腹を壊して絶食中で犬用ケーキを一生懸命嗅いでいる動画が母から送られて来た。犬の17才って人間のいくつなんだろう。相当なおばあちゃんであることには違いない。なんとなく、いつからか『人間でいうといくつ』換算をするのが嫌になった。だって人間の1年と犬の1年全然、全然違う。私なんか2022年何をしただろう。 17才になったばかりのぴかぴかとはちょっと言えない犬はお腹の調

          犬よ4

          犬のいるところは大体温かい。床暖房がリビング全体に張られている訳ではなかったから、犬は実に賢くちょうどその上で横たわっていた。ストーブのスイッチを入れた瞬間から真ん前を陣取る。起動するまで数秒あるが、その隙にさっと人間の足をかいくぐりどっかり座り込む。暖房の風が出てくる真ん前にいられると後ろの人間は何も恩恵に預かれない。学生時代は朝の6時に家を出ていたから真冬の夜明け前に制服に着替えるのがまぁ辛く、ストーブでブラウスを温めてから袖を通したいのにせっかく温めていたその上に犬が座

          すずめの戸締まりを見たよ

          ※映画『すずめの戸締まり』のネタバレを多大に含む感想文です!!しかもめちゃくちゃ良かったことしか覚えてないので色んなことが間違っている可能性が高いです。ぜひ劇場で本編を見てから読んでもらえれば。 結構しんどい部類の映画だった。公式からも緊急地震速報や震災を想起させる演出があるとの注意書きがなされていて、私はそれを知っていた。公開初日に映画を見た人のネタバレにならない感想ツイートも見た。みんなとても文章が上手い、私は140字でネタバレに配慮してこの映画のお話をすることがどうも

          すずめの戸締まりを見たよ

          星の王子さまが読めなかった

          実家にあったのは多分母の本。ケースに入ってちょっとした大きさの版でちょっと埃っぽい匂いがした。黄色の淡い鮮やかさは覚えているが、ストーリーは知らなかった。読み切れなかったのだ。最近グッズ化されることの多い、あのうわばみの挿絵すら覚えてなかったのだから一体私はどこまで読めたのだろう、肝心の物語のはじまりすらたどり着けなかったのではないか。 私はどこに出しても恥ずかしくない立派な本の虫だったのだけど、こういう読めなかった本、挫折した本は結構ある。吾輩は猫であるとかも未だ読めていな

          星の王子さまが読めなかった

          犬よ3

          軽くなったねと抱っこする。本来なら冬毛で心なしか膨れている時期なのに小脇に抱えていられた。たわむれに捕まえてオラァと仰向けに寝た腹の上に乗せてみた。眠かったらしくそのまま人間の腹の上でグウグウし始めたので二重に驚く。そんなのしたことなかったじゃん。お前が敷いてるの人間だよ、乗せたのは下敷きになっているこの私だけども。 寒いのかブルブル震えることも増えたので室内でも服を着せられて毛布にくるまれている。小さい頃弟が使っていたトーマスの青がちょっと褪せているケパケパの毛布にケパケパ