「無理ゲー社会」を読んで考えた「日本の次の打ち手」
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「無理ゲー社会」を読んで考えた「日本の次の打ち手」

かしのたかひと

橘玲さんの「無理ゲー社会」を読んで、かなり暗い気持ちになった。

以下、本文より引用すると、
『自分よりすぐれたひとと比べるのが「上方比較」、劣ったひとと比べるのが「下方比較」。
上方比較の積極的な効果は希望や刺激、消極的な効果は嫉妬。
下方比較の積極的な効果は感謝、消極的な効果は軽蔑。

日本の若者たちは、人類史上未曾有の超高齢化社会のなか、増え続ける高齢者を支えるという“罰ゲーム”を課せられ、さらには、1世紀(100年)を超えるかもしれない自らの人生をまっとうしなければならない。この状況で「絶望するな」というのは難しいだろう。」

格差が拡がる中で、SNSでの誹謗中傷は嫉妬心の増大かもしれない。
弱者へのいじめや虐待は「軽蔑」という気持ちが根底にあるのではないか。
いずれも、積極的効果より消極的効果が大きく出る社会になっているように感じる。

「やっぱり教育が大事」というのは大賛成。
しかし、その効果が出るのは数十年先。教育は最重要だが即効性は薄い。
今、困っている人たちをどう救うかの「喫緊の打ち手」が無ければ、未来は見えてこない。

一方、格差社会について、こんなことも考える。

非正規雇用で年収200万円の人が増えている中、年収数億円をもらう経営者がいる。
その経営者の年収を下げれば問題は解決するだろうか?

例えば、年収3億円の人が30億円もらうようになり、非正規雇用の年収が800万円に上昇した時、格差は拡がるが社会的問題は減少するのではないだろうか?

つまり、格差が問題なのではなくボトムラインの低さが問題の本質だと思うのだ。
その低さが、積極的な効果を消極的効果に変えてしまう原因になっているのではないかと。

給与アップのために企業業績を上げなければいけないという意見がある。
しかし、企業業績が上がっても経営者は給与を上げるとは限らない。

経営者の選択肢は、給与アップ以外に、次の事業投資に使う、配当を増やす、自社株買いする、内部留保する、買収資金に使うなど多々あり、経営者自身の損得や対外評価を気にして社員給与アップを後回しにしがちだ。

人材こそ一番重要な経営資源、人材投資が肝と思っている経営者なら、とっくの昔に高い社員給与を実現しているはず。低い給与のまま据え置いている企業は、人材をコストとしか見ていない。
もしくは高い給与を支払う利益を出せない(付加価値を産めない)経営力不足だろう。

だから、企業経営者に任せていても、この問題は解決しない。
これを解決するには、法律で最低賃金を上げるしかないと思う。

しかし、仮にそうした場合、中長期では失業者が増えるだろう。
国内で事業をすると人件費が高くつくから、企業は海外に拠点を移すからだ。

その増えた失業者をどうするか?
国が雇用するしかない。国の事業に従事してもらい、給与を払うのだ。
人口が減少すると言っても、2050年予測はまだ人口1億人いる。高齢者は4000万人近くにもなるので、医療や介護など福祉サービスに従事する人は全然足りないはず。

もっと身近な仕事としても、なり手がいない民生委員や自治会運営、ベビシッターなど、国の仕事として再教育し、キャリアチェンジしてもらえば、かなりの失業者を吸収できる。

では、日本の御家芸と言われたものづくり産業が空洞化するではないか、という指摘もある。

しかし、先進国になった今、ものづくり日本の価値を維持するのが難しくなっている。
同じ「ものづくり」でもアップルのように「高付加価値なものづくり」にシフトしないと、衰退して行った家電メーカー群のようになるのは目に見えている。

日本を代表する「ものづくりメーカー」だったソニーは今どうなっているか?
エレキのシェアが減り、ゲーム、音楽、映画、金融のシェアが年々大きくなっている、
事業の構造転換が進んでいるのである。

何で稼ぐか? 
ダイナミックな構造転換をしなければ日本の企業の稼ぐ力は上がっていかないだろう。
それができる経営者が求められている。

教育は効果が出るのに時間がかかるが、良い経営者をキャスティングするのは株主になれば毎年可能な策である。

これも、身内の古びた人材をたらい回ししてお茶を濁しているうちは
何も変わらないのは確かなのだが。

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かしのたかひと

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かしのたかひと
リクルート、福岡ドーム、メディアファクトリーを経て、映画プロデューサー、ベンチャー経営者、政治家、作家に。