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オンラインコミュニケーションの限界って?

「やっぱり直接会えるのはいいね」


緊急事態宣言が解除され、そんな声があちらこちらから聞こえてきていますね。
昨年2020年の3月から行動制限が始まり、夏までにはオンライン飲み会が普及し、年末までにはオンラインでの大人数が集まるイベント開催も珍しくなくなりました。
それでもつい最近でも言われ続ける「オンラインでは限界がある」という言葉。本当にそうですか?一年半以上経っても変わりませんか?

ちょっと思うところを書いておこうと思います。(ん?「思う」が重なったぞ?)

わたくし、以前は飲食人として1日1000人のご来店があるレストランの支配人として毎日30名以上のスタッフとお客様に幸せになれる時間と空間、料理と飲み物を提供した経験もあります。あの頃はお客様にもスタッフの皆さんにも大変お世話になりましたm(_ _)m
また、現在は毎月10回程度、毎回15名前後が参加する「作る人と飲む人がつながるオンラインお茶会」を開催しています。これまでにのべ700人以上の生産者さんと飲み手さんが参加してくれました。ありがとうございます!!
(その他、クライアントとのやりとりももはやオンラインが主流です。)
そんなオンライン・直接会うの両方で複数(多数)の人々とコミュニケーションをとってきた者として、ちょっと一言。


最近、直接会っても「はじめまして!」って言わなくなりました。

皆さんはどうですか?
静岡のお茶農家さんのところに行っても、九州のお茶農家さんのところでお世話になっても、一緒に飲み手さんと農家さんを訪問するときの集合場所でも、お互い初めての気がしないんです。なんかずっと前から知り合いだった感じ。
じゃあなんでわざわざ会いに行くのかって?
それは実際に手を動かして、汗を流して一緒に仕事をするのは、やっぱり直接会わないとできないから。ただお話しするだけなら交通費もったいないからたぶんもう行かないですよ。でも一緒に汗を流せば深まる絆は得難いことです。
これこそが「やっぱり直接会えるのはいいね!」と感じる瞬間だし、それはいつまでも大事にしたい。

コミュニケーションで特に大事にしていることは、相手のことを慮る(おもんばかる)こと。

楽しく過ごせているかな?興味深く聞いているかな?つまらないかな?不安があるかな?不満があるかな?何に期待しているのかな?迷っているのかな?緊張しているのかな?

それは表情やちょっとした仕草になって現れるから、それを見逃さないこと。お店の責任者をしていても、イベントやセミナーの司会をしていても、すべのスタッフと全てのお客様のそれを把握すること。
例えばzoomなんかではこれが画面で一瞬にしてできるからかえってやりやすい。

え?あなたのzoomイベントではみんな無表情だって?


それは、オンラインに慣れない人も多いだろうし、初めての人の前に姿を晒すのだからみんなそうですよ。だからこそオンラインだってアイスブレイクは必要だし、会中の振りや話の抑揚も大切。そう、直接会うことのできる時となんら変わらないのです。
可もなく不可もない状態では参加者さんがどんな表情で参加するのかを予めイメージし、そのイメージと実際目の当たりにしてる光景との違いをチェックする。その違いが見つかれば、その理由を判定することで現況が把握できる。
みんなの笑顔が多いのか?それなら上手くいっているぞ!口が真一文字になっているのか、それは落第点だからどうやって立て直そうか?
これは一対一でも同じですよね。

そう、直接会ってのコミュニケーションとオンラインコミュニケーションはその瞬間では全く変わらない。だとすれば地理的、経済的(交通費とか)問題点を克服し、より多様な属性の人とコミュニケーションが取れるオンラインのメリットにもっと注目し、活用しなきゃね。

ここまできて「そんなことか」とがっかりされた方にはごめんなさい。
結局人と人との関係なので、その手段が変わっても基本は一緒ですよね。


でもオンラインコミュニケーションを活用するにあたり、これまでより注意を払っていることもあります。


それは「根回し」です。
予めオンラインコミュニケーションで何をしたいのか。きちんと共有し、オンライン上で相手の想定を超えた、もしくは不安、不満をもったと判断した時には特にアフターフォローをしっかりと。
特に根回しとアフターフォローの時には「言葉」を綺麗に使わないといけないと感じます。人は必ずバイアス(偏見、決めうち)をかけているので、誤解のないように一般的な言葉、誤解を生みそうな部分(新しい概念や皆さんが勝手に期待しそうなこと)を得に念を押すなどしないといけません。オンラインだとそもそも不安があるのであっという間にクレームに発展します。(不安〜不満〜クレームの関係性はまたの機会に・・・いろんな人が解説しているからなくていいか・・・)

コミュニケーションのオンライン化で悲鳴をあげた職業の代表例

学校の先生たちがそうなんじゃないかな?

私の仕事仲間に、長年全日制でも定時制でも高校で教鞭を振われた元先生がいました。彼女は70歳を過ぎてオンラインのイベントを企画することなりました。そこで私がオンライン会議システム(その時はRemo)の機能と使い方を説明していると集中した表情からこう言いました。
「これがあればもっと授業が充実するし、教室もいらなくなっちゃうじゃない!」
引退してからも卒業生たちから慕われていて交流をしていた方です。
彼女は直接生徒さんたちとのコミュニケーションが普通にできていたんですよね。顔を見て、読み取って、生徒たちの期待に応える。
今回苦戦した先生たちはできるようになったかな?

最後に(当たり前の話)


かつてFacebookが登場した時にも、最初はよく分からなかった人たちもなんとなく使っていくことで、例えば「昔の友人とまた簡単に交流できるようになった!」という喜びの声を多く聞かれる時期もありました。つまり時間的制限(過去と現在)が取り払われたんですよね。それは今では当たり前になった。今回のオンライン(リアルタイム)コミュニケーションも地理的制限を取り払う自由を手に入れるチャンス!

直接会うことにも、オンラインで会うことにもそれぞれ利点がありますね。
それをどう活かすかは結局我々“人”次第。オンラインでのコミュニケーションが誰にでも選択肢の一つになる。そんな世の中はすぐそこですよ。
そんな単純なことに長文失礼しましたm(_ _)m


「作る人と飲む人がつながるオンラインお茶会」はこちら
https://tokyoteasummit.stores.jp/

この文章を私にオンラインの道を指し示してくれた、故戸田雅子さんへ捧げます。


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