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創業5期目突入 振り返れば苦悩の1年だったぜ

6月。
いよいよ本格的に梅雨が始まるこの季節は弊社にとっては期が新しくなる時期でございまして、おかげさまで無事に4期目が終わり、5期目に突入。世の中的には特になんでもないこの時期に皆さんはいかがお過ごしでしょうか?

早いものだなぁといつも期が締まる度に思うわけだが、5期目に入るにあたって、なんやかんや色々これまでと違ったなぁと思う4期をしっかりと振り返っておきたい。

1年間を振り返ってみて、もう端的にその感想を表現するとしたら、

「まじ疲れた!!でも報われた!!」

と、雑に集約できる1年だった。個人的にはたくさん学んだなぁと感じることの多かったこの4期について、物流領域をカッコよく変革することを掲げている我々CAPESがどう過ごしてきたのか、それを踏まえて5期にどう立ち向かおうとしているのかを記しておきたいと思う。

4期は何にチャレンジしていたのか

4期(21年6月〜22年5月)は超短的に言うと、メンバーを増やしてできることを増やすぞ!取り組みを加速化させるぞ!ということに取り組んできておりました。これまで組織のルールや裁量によってやりたいことに対してスピードを落とすこと=制約を嫌って、自分が全ての企画立案から実行に至る意思決定をする、というスタイルでやってきていたのだけど、その裏返しで自分と同じ熱量で成果や結果、勿論プロセスも分かち合える人いないから寂しかったんですよねぇ。その寂しさも気にならないところに追いやることもできずに3年に渡って向き合い続けていたという、健気で幼気な可愛らしい僕もいるわけです。

そんなこんなで仲間増やすかーと、WantedlyとBizreachと契約し、初めての求人を出した。求人を出した、と簡単に書いたけどここがまた一つ大変なポイントでもあったんです。求人って普通の会社員しているとなかなか自ら作ることないし、作る機会あったとしても一般的には職務内容とか、求めるスキルのところだけを人事からヒアリング受けて書く、とかじゃないですか。でも、求人票の要素って、Wantedlyを例に取ると

  • 事業概要

  • 事業の目的(Vision、Mission、Values)

  • チームの文化や働く環境

  • 募集の背景

  • 募集職種

  • 求めるスキル

は最低限書かないとそもそも掲載ができないんですよね。Wantedlyは共感採用だから細かい条件は載せないけど、Bizreachの方には年収や休み、みなし残業の有無や出張の有無などなど、じぇーんじぇん想定してなかったことについてきちんと考えないと求人すら出せないという当たり前のことに面食らった。そこから求人を出すために会社の事を考えてひたすら言語化し、また考えるというサイクルに突入。そしてようやく求人を公開することができたわけだけど、ここでいわゆる普通の会社が当たり前に求人出してることがまぁ大変なんだね、ということに気づいた。

初めて出した求人

求人を公開したものの、その後の採用に至るまでは決して一筋縄ではいかなかった。当然ながら無名の物流系ベンチャーに積極果敢にエントリーしてくる変態はそうそうおらず、そうするとつまり次にやらないといけないことはスカウトメッセージを送る、ということだった。スカウトメッセージ。つまりビジネスにおけるラブレター。どう書けば良いんだ?そもそも。
そんな疑問を解消すべく一生懸命ググりながらドラフト文を作っては消し、消しては作ってを求人票同様に繰り返し、なんとか人様にお送りしてお読み頂けるレベルには仕上げた。そしてそこからスカウト対象者を検索してブックマークし、ある程度溜まってさていよいよ送付の段階でまた1つ疑問が浮かんできた。

これ、全員に一気に送って全員から返信きて面談して全員よかったらどうするんだ?小分けにして送ったほうがいいの?

まだ自らの身の丈を分かってない若かりし1年前の自分はそんな疑問を抱いていた。そして1回の送付を5人ずつぐらいの塊にして、反応見ながらまた次の5人に送る、みたいな形で恐る恐る始めてみた。

既読にはなってるけど全く返ってこんやん!!

返信きすぎるとやべーというのは完全なる杞憂に終わった。
あとでWantedlyの担当の方に聞いたらスカウトメッセージの返信率は10〜20%程度が平均的ですね、とのことで、まさにうちも20%前後だったので平均的な結果だったし、なかなか奮闘したほうなんじゃないか?と採用活動が一段落したいま振り返って思うのであります。

Wantedlyのスカウト管理画面。頑張ってスカウト送ったなぁ〜


途中から参画してくれたメンバーにも面談・面接に入ってもらうことで客観的な評価もしてもらいながら仲間集めをすることができたのでした。
この採用活動の中で物流業界って勿論全員が全員というわけではないけど、保守的というか、超アグレッシブにリスク取ってキャリア形成するマインド持った人ってめっちゃ少ないんだなというのを改めて感じたのです。

人が増えて最初に起きたこと

さて、仲間が増えたぞーと喜んでいたのもつかの間、ここから膨大な組織設計・コミュニケーションマネジメント系の仕事が降り注いできたのだ。
まず最初に着手したのが就業規則や給与規定、出張規定といった労働基準法に基づいて整備しないといけないほんとに最低限必要なものの環境整備だ。
全くと言っていいほどこの領域については分からないので端から自分でやることは諦めて社労士さんに基本設計をお願いした。結論、お願いして良かった(してなかったら未だにウンウン唸ってた可能性すらある)し、改めて「会社ってよくできてんなー」というのを事あるごとに実感した。こうして良くも悪くも会社っぽくなるんだなぁーというのも感じることができたイベントだった。そしてこれはあくまでも初版ができただけであって、超頻繁ではないにしてもこの後も状況に応じて柔軟に作り変えていかなといけない。こうなったら作り変えよう、と前もって決めるものでもないのでそのあたりの意識の置き方もこれまた難しいなと感じたのであります。

The 就業規則。既に何回か改定した


そして次に取り掛かったのが一緒の働くメンバー間の心理的安全性の確保やコミュニケーションや仕事がしやすい環境の構築だ。メンバーが増えるごとにコミュニケーションコストが指数関数的に増加し、特にマネージャーを置いているわけではない文鎮型の組織でスタートしたためメンバーの業務上の困り事がまずは僕に飛んでくるわけだ。そうするとチャットの量がとんでもないことになってしまって、こりゃ見きれない、やべーと去年の夏ぐらい頭を抱えてた。そして全員フルリモートだったので、雑談レベルからちょっと口頭で確認すればいいもの、超こってりしたドキュメントのレビューも全部チャットで到来するようになり、その色分けもせねば!とそのあたりの業務上のコミュニケーションルールやそれに伴う手段も慌てて整備を進めた。このへんはまだまだ模索中でこれからも変えていく気満々ではあるけど、一旦は以下のようなルールを設けて沈静化した。

  • 週2日オフィスで話すオフィスデーを導入
    →レビューや1 on 1、雑談、相談、飯系のイベントはこの日に合わせてやる。対面でのコミュニケーションの場を増やして関係値を成熟させる

  • リモートの日はoViceに出社
    →「いまちょっといいですか?」はoViceで吸い上げて対応

  • チャットでは議論しない/長文書かない
    →文字情報は長くなればなるほど齟齬を生むのでアナウンスに近いものやYes, Noに近い返事で済む程度のものに

  • チャットには積極的にレスポンス
    →平たく言うとスタンプをつけようということ。グルーブ感はチャットでも皆がちょっと意識すれば生み出せる

  • 社内のコミュニケーションにメールは使わない
    →これはルール化したというよりも自然とそうなってる

  • 定期的な食事会を開催する
    →飲み会を嫌う若者、的な文脈でそういうのをすること=時代遅れ的なニュアンスがあるけど、少なくともうちのメンバーはそういう機会求めてるしすごく楽しめるマインドを持っていること発覚。

そんなこんなでほんと1年間色んな試行錯誤を繰り返しながら5期を迎えている。5期はもっとオフラインイベントを増やしてワイワイしていけるように計画している。

心の葛藤、ゆらぎ

上記のようなことを一生懸命考えてきて、勿論制度や人に関することだけでなくコンサル案件の対応や事業開発、アカデミー運営と忙しなく働いていたわけで、そんなさなかふと冷静になると、

「あれ?人増やして、ちょっとは自分も業務分担できるはずだから楽にもなるし、新しいことにもチャレンジできる!と思ってたけど全くそうなってなくね??」

ともうひとりの冷静な自分が耳元というか、割とでかい声で言ってくるわけです。

4期の途中までだけど、人集めと大変度合いのグラフ

確かに事実としてそうだった。思った通りになってない部分あるなぁと、何度も何度も思った。本当に自分の判断は間違えてなかったのか?もう少しこぢんまりした組織で、何なら自分の完全にコントロールできる範囲でやってたほうが良かったんじゃないのか?と全てを見きれない範囲になって、みんなに任せないと業務や案件を回せない状態になって、そんな問いが何度も浮かんでは消えを繰り返した。基本は浮かんでそのまま浮かびっぱなしだった。一時的に仕事の品質やスピード感は落ちるし、当然業務コストは上がってくるわけで、その中で自分ではなく会社として出すバリューのあり方を自分に問い続けた。時に自分自身の判断や決意を疑い、時に自らを鼓舞しながら。葛藤があったし揺れた。今は少し抜け出した感はあるけどとにかくまぁーよく揺れた。そんな時に京都精華大のサコ学長が卒業式で学生に贈った言葉に何度も救われた。

「アフリカには、『If you want to go fast, go alone. If you want to go far, go together. 早く行きたければ一人で進め、遠くまで行きたければ皆で進め』ということわざがあります。『遠くに行くためには皆で進め』からは、組織の多様性についての示唆をえることができます」
「似たような価値観を共有する仲間うちで意思決定するなら、摩擦も少なく、効率的に物事を進められるかもしれません。しかし、その場合、私達は誰でもが思いつく手近なゴールしか目指せません。それよりも遠くへ行くためには、オープンで多様性にとんだ組織になることが必要なのです」

特に新しく迎えたメンバーは全員はじめまして同士から関係がスタートしているから余計に大変だったんだと思う。みんなよく頑張ってくれた。ほんとにありがとう

久しぶりに受けたコーチングでメンタルヘルシー♪

4期も後半に差し掛かった3月頃、ふと思い立ってコーチングを受けることにした。2年ぐらい前にコーチングを受けていた時があったのでそれ以来のコーチング。今回受けるにあたってのテーマどうしよかなぁと考えてみて、割とパッと浮かんだのが悶々としてたコミュニケーションとかチームビルディングとか、成果の出し方考え方とかだったので、その辺の考えを整理していこうとテーマ設定し、対応してもらえるコーチを探した。
2週間に1回、約1時間のセッションをはじめてみて、コーチング、めっちゃ良い。やっぱり利害関係なくフラットかつ客観的に相談できる相手は必要、という結論に今は至っている。あとはコーチとの関係によるけど、今ついてもらっているコーチには色んな角度からの質問とリフレクションを多用してもらうようにお願いしていて、自分の気づかない感情を捉え直すようにしている。加えてセッションの度に次回までのToDoもセットしてもらってそれを次のセッション時にチェックインとして報告するようにもしているので、ちょっとお尻叩きされながら自己変革していくような設計をしてもらった。それが今のところ今の自分にとってはとてもうまくハマっていて、メンタルヘルシーさはコーチング受けるその前の比にならないと言っても過言ではない。ありがとう、コーチ!

コーチとのやり取りのいち部分。セッション後にこうしたチャットでフォローをもらっている


5期チャレンジすること 成長もだけど成熟を

さてさて、そんなこんなで4期をなんとか終えて5期何していくか。
勿論物流をカッコよくするために各事業を伸ばしていくことや新しい事業開発を進めていくのは当然のこととして手を抜かずに進めていく。それ以外のところで大きく2つのチャレンジをしようと思う。1つはヒエラルキー組織とホラクラシー組織の合体版組織とそれに合わせた人事制度の導入。もう1つが定量化・可視化できない価値を積極的に認め、非合理的な意思決定をも承認できる組織づくりをすることだ。

まずひとつ目がヒエラルキー組織とホラクラシー組織の合体版組織と人事制度の導入だ。それぞれの制度について簡単に説明すると、我々に馴染み深いのはいわゆる三角形のヒエラルキー型の組織で、上にいくほどマネージメント能力に長けていき、それに合わせて給料が上がっていくというもの。もはや説明不要な身近すぎる組織と制度だ。この組織形態は当然ながらうまく機能する前提があると思っていて、それは決まったことをしっかりとミスなく行い続けるオペレーショナルな事業・運営に適していると考えている。つまり、とある仕事上の正解があって、それを達成するために正確に、効率的かつ低コストに着実に業務を遂行する場合に非常に相性が良い。
一方で今の我々は決まった答えがあるわけでもなく、ビジョン達成のために、色んなチャレンジを数打っていきながら勝ち筋を探していく、芽が出たらそれを育てていく、育った芽・実った果実をどう調理するか考える、また次のチャレンジをする、みたいなことを繰り返していく必要があるわけだ。要するに玉虫色、猫の目のように必要な知識・スキル・人脈がその時々で変わることを意味していて、いわゆる一般的な組織の新規事業開発部とか、XX事業部XXグループみたいな箱を用意して管理職とメンバーのような構成にすると硬直的すぎてやらないといけない動きに全く対応できなくなってしまう。なのでThe 組織図を作ることをやめて有機的に仕事に対応する組織=ホラクラシー型を導入することに決めたのだ。ホラクラシー型の組織においては上司部下は概念的に存在しない。あるプロジェクトではリーダでも、あるプロジェクトではメンバーにだってなる。やらないといけないことに対して一番ケイパビリティがある人がシンプルにリードすればいいのだ。マネージャーや部長・課長はDOに対しては万能ではないじゃん?とか思いながら思考を熟成させていった。
結果として、人を育てていくという点においてはヒエラルキー型に良さがあるのでその良さは残しつつ、ビジョンの実現に向けて定義した貢献領域の中でそれぞれがどういう役割でパフォーマンスしていくかを考えていくホラクラシー型のミックスな組織・人事制度にすることとした。果たしてうまくいくか!これも私たちのチャレンジである。

弊社の組織図

そしてもう1つが定量化・可視化できない価値を認めて非合理的な判断を承認するということだ。これはつまりどういうことかと言うと、非合理的で非効率的だけど、ビジョン実現に繋がって働いている仲間が幸せになるならそれを積極的に承認する、という仕組みにしていくということ。いわゆる利益を追求する株式会社の大前提では合理的で効率的でその活動が再現できるかどうかが基本的な行動原則なわけですが、それが全てでいいの?それで果たしてみんな幸せ?地球も?いやそうじゃないよね!と思っていて、じゃあそういう価値を内部で、会社として認めてチャレンジしていけるようにしようよ!というのに取り組んでいきます。
そして更にはドラクエを通ってきた人ならおなじみの使うのが怖い呪文の代表格パルプンテを積極的に唱えていこうと思っている。予定調和なんてつまらない!あえて予定不調和だけど、良い方向に転べばめちゃ化ける!あるいはメンバーが超Happyになる、みたいなことが可能性としてあるならパルプンテ唱えようぜ!というのも仕組みにしようとしていて、通称パルプンテ手当を支給していくことにしている。これもどうなることか分からないけれどこういうことをしていかないと非連続な成長機会は絶対創出できない。だからチャレンジしてみるのだ。

最後に

4期の総括と5期の経営方針をメンバー集まって総会を行ったのだが、そこでメンバーからサプライズで会社のお誕生日ケーキと普段お世話になってばっかりなのでたまには私たちから、ということで寄せ書きをもらった。予期せぬサプライズに普通に感動した。その寄せ書きには、みんなの私はこの会社をこうしたい!という想いが書かれていた。それを読んで胸が熱くならないわけはない。ぼく、頑張る!
皆様、5期もよろしくお願いいたします。



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