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本を出版してみて分かったこと

「7/22にわたしは先生となった」

なんて書くとなんとも大層だし、ドヤると当然のように嫌われるだろうし、むしろ本を書くということは自分から出ていく、吐き出していくという行為に近い感覚があるので出す前より出がらしになったんじゃね?感すらある。

けど、とはいえ今回本を書くというとても貴重な機会をいただいたのでその経緯や感情を書き記しておきたいと思う。

本を書いた経緯

まず今回出版させていただいた書籍の概要から少し記載しておくと、タイトルは「物流現場の最適化DX」で、物流現場でのDX化・自動化を実現するための実践的な取組み方や考え方についてまとめたものだ。共著者は株式会社KURANDOの岡澤代表。庫内のワーカーさんの作業を可視化したり、作業計画を立てるための機能を搭載したロジメーターというシステムプロダクトを作られている。そんな岡澤さんから「一緒に本書きませんか?」とお声がけをいただいたところから今回の出版プロジェクトはスタートしたのだ。

自分が担当したのは物流センター内の作業の機械化・自動化に関する部分で、実はそこの内容がKURANDOが手掛けている庫内作業の可視化・デジタル化とは切っても切れないほど親和性が高いのだ。どういうことかというと、昨今の労働人口不足の状況下で通販の隆盛によって増え続ける荷物を、お客さんに安く早く届けようと思うと一人あたりの生産性を高めないといけないわけだ。そうした時の施策として代表的なものに機械化・自動化が挙げられるのだが、人の作業を機械におきかえるぞーとなった時に、「そもそも今一人あたり、時間あたりどれだけの出来高なんだ」、ということがすべての検討の起点になってくる。それが意外と情報収集・管理が難しくて、紙で日報に書いてもらう、みたいなことをしないと可視化できないのが物流現場なのだ。それを超簡単にできるような仕組みを提供しているのがKURANDOさんのロジメーターというプロダクトというわけで、共著とした建付けや章分担なんかもそれに基づく形で行われた。

かの文豪たちもこんな気持だったのか

岡澤さんと書籍製作の大きな進め方や分担イメージをすり合わせた後、出版社さんと細かい打ち合わせに入っていったのだが、まず出版に至るまでの大きな流れを先に示すとこうなる。

書籍企画・概要決定

テーマ・ゴール・読み手設定

著者の強み整理

構成案決定

版型・部数・流通・納期決定

ひたすら執筆・提出

編集赤入れ

戻り内容確認

初校ゲラ確認

再校ゲラ確認

装丁決定

著書プロフィール決定

販売価格決定

書き下してみるとまぁまぁなタスク量だ。着手してから出版に至るまでの間、ちょっと繁忙で執筆に手が回らないとかで若干の延期を挟んだが、期間としては結果的に1年程度は要した形となった。

いざ執筆するとなっても、自分の担当が大きく決まっただけでは勿論何も書き出せない。まず始めたのが自分のパートをどういう構成にするのか、どれぐらいの文字ボリュームにしないといけないのか、ということだった。初めての作業だったから余計に作業がはかどらず、何度もパソコンの前から席を立ちコーヒーを飲んではトイレに行き、植物に水をやって漫画を読む、という逃避行動をとった。これじゃだめだ!と奮い立たせて強制的にパソコンの前から離れられない環境を作るために、風呂に入りながらしばらくは執筆していた。そうすると逃げ出したくても逃げ出せないので自分にとってはええええい!と気合を無理に入れて作業をすすめる最適な”作業場”だった。

文豪もよく温泉宿にこもって執筆したなんてイメージがあるけど、きっとこういう感覚だったのかな?と風呂に入りながら思ったものだ。

アマゾンのカテゴリー1位の基準

そして本の出版日。手元には既に刷り上がった本が何冊か献本用にはあって、手にとったときはさすがに「おーーーー」となった。だって、なかなか本書くなんてことないし、やっぱり形になるってテンションあがりますよね。今回販路はアマゾンでの紙出版だけに限定した。発売日を迎える前にアマゾン上では商品登録が行われるので、1週間近くは予約注文という状態になっていた。いち消費者としては予約注文という状態を目にしていたので、ああこれってこういう仕組みだったんだ、ということが分かった。
7/22に発売ということで、そのタイミングでSNS始め各媒体で告知もした効果もある程度あったのだろう、初速は良かったと思われる。流通・物流のカテゴリーでベストセラー1位を獲得していた。店舗・販売管理でも1位、サービス・小売では2位になっていた。

流通・物流カテゴリ1位

このカテゴリ1位という訴求、実はルールがあったのは後で知った。ランキング1位を獲得してから24時間その地位に居続けることができたら「Amazonジャンル別ランキング1位獲得」というワードをプロモーションに活用してもいいらしい。そんなことも知らなかったのでへーーという感じだったのだが、残念ながら24時間後には2位になってしまっていたので訴求はできない結果になってしまった笑 まぁ謙虚になれるし、次の機会があれば頑張ろう、となったのでいいのですが(。ŏ﹏ŏ

改めて本を書くということの意味

今回本を書いてみて思ったのは、本というメディアの持つ価値についてだ。このnoteなんかも代表的だが、誰しもがコンテンツを作れて発信できるメディアを複数持てる時代に本というメディアは昔から変わらず存在するクラシックな存在だ。発信のハードルが下がったからこそ、相対的に本のメディアの価値が上がってきているのではないかなと体感した。

「本を書きまして」と関係者にお伝えすると、内容もその経緯もお話をしていないのに「おめでとうございます!」とか「素晴らしいですね!」と一言目にお声がけいただいた。ツイートしまして、とか、note書きまして、と言ってもそんなリアクションにならないですよね当然ながら。おめでとうございます、と言われるのは冷静に考えると不思議だなーと思いつつ、自分も同じようなリアクションとるよなと思い、本を書くっておめでたいことなんだなということを改めて実感した。

つらつらと書いてきたけど、なんだかんだ、感慨深い経験となったのでした。また本書けるように良質な経験を積んでいくぞーと心に誓ったのでした。

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