見出し画像

ワクチンを巡り分断が進むここドイツ、ベルリンにて


ワクチンの有無は分断を生み、ここドイツでも未接種者は選択を迫られている。

オーストリアでは2月までのワクチン接種が義務化になり、ドイツもそれに続くのではないかと言われている。

ドイツは先日の選挙の結果、社会民主党(SPD)、緑の党、自由民主党(FDP)でSPDのショルツ財務相を首班とする三党の連立新政権発足で合意した。だが、この中でワクチン義務化に反対なのはFDPのみ。

コロナウイルスの感染急増に伴い、ドイツでのルールは日に日に厳しくなる一方である。ワクチン未接種者は公共交通機関を使うのにも24時間以内の陰性証明が義務付けられた。

土曜日からはワクチン未接種者は小売店にすら入れない。ワクチン接種者とコロナ感染からの回復者のみ入店可能である。

ここ最近のEU及び、ドイツ政府のやり方は正直気持ち悪い。ワクチン2回接種者はほぼ7割近くいるにも関わらず、感染が爆発している。

しかし政府はワクチン未接種者を槍玉に挙げ、スケープゴートにしている。疑問と矛盾だらけである。

確かにワクチン接種で重症化は防げるので、そこは効果的と言えるが結果だけ見ると限定的と言わざるを得ない。

大人しくしている未接種者より、接種済みで遊びまわっている人々の方が問題である。一部のワクチン接種者が油断して撒き散らしてる気がしてならない。 抗体値が下がって感染しても気付かずブレイクスルー感染、撒き散らし…

ドイツは衛生観念だったり、地理的に陸続きだったり色んな原因はあるのだろうけど、大きな原因は未接種者ではなくドイツ人のワクチン過信。
ワクチン接種の有無だけが問題じゃないのは明らかである。

本当に感染を防ぎたいのであればなぜ10月に簡易テストの無償化をやめたのか。ワクチン接種者を優遇して簡易テストを怠ったツケが今来ているのではないのだろうか。

2Gルール(ワクチン接種者とコロナ感染からの回復者のみ入場を認める)を設けたイベントを乱立させるよりも全員に簡易テストを義務化させる方がよっぽど感染を防げると思う。それをしないでワクチン接種を推し進めるやり方に違和感を感じざるを得ない。

ワクチンにマイクロチップが入っているとは思わないけど、政府が抗えない力に動かされている気がしてならない。

盲目的にワクチンだけを追いかけてもダメだと思う。ワクチンさえ打てば救われるの理論に疑問しか持たない。キリスト教の神を信じなさいそうすれば救われると同じ感覚。そしてその反対は悪魔扱い。

でもここで生きていくためにはワクチンを打つという選択肢しかほぼ残されていないのである。ワクチン未接種者への締め出しは日に日に厳しさを増し、ついにワクチンを打つか日本に帰るかの選択をしなければいけない時がきた。

ドイツに残る自分と日本に帰る自分を想像し、悩み抜いた末に出した答えがワクチン接種である。

ここまで書いておいてなんだが、自分は何がなんでも打ちたくないとは思っておらず、出来れば打ちたくないというスタンスだった。

そしてこの冬は様子を見てから判断しよう、ワクチンを打つのは自分が納得してから打とうと思っていた。

しかしドイツのコロナウイルスの急増に伴い、政府のワクチン未接種者への締め出しは予想以上に早く厳しかった。

普段からやれ人権がどうの、多様性がどうのといった結果がこれである。

今ドイツではオーストリアに続き、ワクチン接種の義務化に向けて今議論が続けられ、新聞の見出しもその事でいっぱいである。

当初は任意でのものであったのに、今では未接種者に選択権すら与えられそうにないのである。

義務化にするならワクチンの安全性を保証し、接種後の容態悪化に責任をとる必要があるのではないか。

因果関係不明、製薬会社免責、自己責任では筋が通らない。

そこまでしてここにいる意味はあるのかと毎日考えた。

日本に帰りまた一からスタートするのもアリではないかと自問自答した。

だが考え抜いた結果、今日本に帰ったら後悔すると思った。
なぜなら自分はまだここでやりきってないから。志半ばであるから。

先日反ワクチン派のドイツ人の友人と小一時間話をした。彼は絶対にワクチンを打たないと言い、もし義務化になれば彼はスイスやスウェーデンかどこかに逃げると言った。

彼曰く、今起きている事は狂気じみている。行き過ぎた新自由主義は貧富の差を加速させ、コロナショックでその差はますます開いていくだろう。そして中間層は一部の超金持ちの奴隷になる。

大きくなり過ぎた企業は国家を操るようになり、彼らが政治家を操り、ワクチンのプロパガンダで国民を洗脳してまた金を生む。

彼の中で一番大切なものは健康、そして家族と友人である。自分は実験台のモルモットになりたくないと話した。

ドイツはダブルモラルスタンダード国家だと彼は続けた。多くの難民を受け入れている一方で、ドイツは世界で三番目に兵器を売っている国家であると。

戦争で被害にあった難民への慈愛、救済を見せるが、それと同時にアフガニスタンやシリア、イラク、リビアなどをめちゃめちゃにした惨劇に加担していると。

そして彼はこうも言った。ドイツは第二次世界大戦以降政府はアメリカの傀儡国家になっており、政治家はアメリカの息がかかっている。

アメリカのシェールガスよりも安く手に入るロシアの海底ガスパイプライン「ノルドストリーム2」に反対しているのもアメリカの息がかかった政治家による動きだと。

日本も実際アメリカの傀儡国家であり、戦後GHQの都合で作られたシステムによってコントロールされている。

3R、5D、3S政策で骨抜きになった日本人。多くの日本人は自分達が自由であると勘違いしているが、自分が自由であると思い込んでいる奴隷ほど扱いやすい奴隷はいない。

何人もの愛国心を持った歴代首相や政治家が、アメリカに歯向かい失脚や暗殺をされたと言われている。

日本もドイツもみんな独立したつもりでいるが、実際は戦後からずっと植民地なのだ。

ドイツ、ベルリンにいて不便に感じる事は多々ある。

荷物が届かない。家が見つからない。アポイントがすぐ取れない。
駅のエレベーター、エスカレーターが必要なのに壊れていて使えないのに誰もすぐに直しに来ない。公共交通機関が時間通り来ない。接客が最悪。

挙げていけばきりがないがそれでも暮らしやすいと思っていた。

その理由は、みんないい意味で周りを気にしないで、自分の心地いいペースで生きているから。

細かいストレスはあっても、大事なところでの価値観、倫理観、優先順位が尊重されていると感じていたから。

そして弱いものに対しての受け皿がしっかりと守られている。

でもそんなものは幻想だったのかもしれない。

今回のワクチン騒動はそれくらい自分の中で憤りを感じ、失望し、ショックだった。

自分も政府の脅しに屈し、こんな茶番に付き合うのは本当にやりきれない思いはある。

アメリカの音大を卒業後、2013年の春、なんの縁もゆかりもない地に、直接の知り合いは一人もいない裸一貫で来てから、路上でバスキングをしながらコネクションを広げていき、ここまでなんとか地に足を着けて生きてきたつもりである。

素敵な出会いが沢山あり、ヨーロッパ有数のフェスやクラブで演奏する機会もあり、ドイツの国立劇場で定期的に演奏できるようになった。

今日本に帰ったら、コロナで一旦は白紙にはなったものの、今までここで築いていったものをまた回収するのは難しいと思った。

そして何より、ここで新しい家族ができた。妻ができ、娘を授かった。自分だけの人生ではなく3人分の未来を見据えなくてはならない。

娘の教育の事を考えたら、様々な人種や文化、価値観があるベルリンで育ったほうが、娘の可能性や選択肢が広がるのではないかと考えた。

難しい選択ではあったがそのような事をすべて踏まえて、ドイツと日本での今後の暮らしを想像した時に、このような決断に至った。

今までのようには戻らないとは思うけど、
ベルリンでしか出来ない事を、
今できる事を実直に続けて行こうと決意した。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?