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【詩】変換

強かったはずの自分の鎧がボロボロに崩れ去った。
砂まみれの中にうずくまっているのは丸腰で柔肌の弱い自分。
誰かが自分を必ず傷付けに来ると確信している自分。

鎧が失われるのは、それがもはや必要ないからだ。
赤子が一人歩きするのを両親がそっと見守るように、
自分が丸腰のまま進んでいくのも周りの存在が見守ってくれている。

丸腰で柔肌の弱い自分でいいのだ。

強さはしなやかさに変換された。
弱さは優しさに変換された。
鎧の崩れ落ちた砂には早くも植物の芽が顔を出していた。


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