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ウォータールー地域のスタートアップ・スケールアップを勝手に紹介 Part 2

みなさん、こんにちは。Tezzanです。

さて、家に籠もっているだけでは疲れてしまいますので、明るい未来を信じて今日も投稿を書いてみます!

少し間が開いてしまいましたが、キッチナー・ウォータールー地域の新興企業(スタートアップ・スケールアップ)紹介の第2弾です!

Avidbots:自律型掃除ロボット

実は日本でもすでに導入されているお掃除ロボ。お掃除ロボといえばルンバなど家庭用ロボットがだいぶ日本でも浸透しているようですが、Avidbots 社のそれはまさに産業用なわけです。

奇しくも世の中は新型コロナウィルスにより大打撃を受けている昨今。病院や空港などの公共機関をはじめとして、不特定多数の人間が出入りするような施設では可能な限り人間の手を介さずに施設内を清潔に保つ必要がありますよね。

実際、同社ロボットはすでに日本では羽田空港と関西国際空港で導入済みです:

日本の大都会な空港に、キッチナー・ウォータールー地域で生まれた先端的な自律掃除ロボットが走っているなんて、日本人で KW 地元民のワタクシにとっては結構嬉しいお話です。

LinkedInなどを見ても定期的に人材採用を進めていますし、成長を続けているものと思います。ぜひ同社のロボットがいろいろな国や地域に導入されてウィルス除染に利用されて欲しいものです!

DigitalEd:オンラインSTEM学習サービス

カナダだけでなく、欧米やアジア各国でも新型コロナウィルスによる学校閉鎖が続いていますね。二人の小学生の子供を持つワタクシも、いつになったら学校再開できるのか気になります。やはり家庭内での学習にはいろいろな制限や技術的な困難さがあるからです。

そんな学校閉鎖の中では、オンライン型の学習サービスが各国で注目を集めています。KW 地域においてもいくつか同分野の技術サービスを提供している会社が生まれています。今回注目するのは『DigitalEd(デジタル・エド社)』です。

『Mobius(モビウスまたはメビウス)』と呼ばれるオンライン型のコースウェア(学習教材)とアセスメント(自動採点)サービスを提供しています。特に、STEM 分野(科学・技術・工学・数学)に強みを持っています。

筆者が注目しているのは Mobius のサービス形態。Mobius Platform という名のプラットフォームは文字通り学習教材管理システムで、いわば『箱』。一方、その上で動く Open Contents と呼ばれるコンテンツバンドルサービスがなかなか面白いです。というのも、教科分野中心のコンテンツと同時に、ウォータールー大学や OpenStax などのコンソーシアムと共同で開発した学習コンテキスト重視のコンテンツを提供している点です。

例えば上記のオープンコンテンツの中には、

Problem Solving & Mathematical Discovery(問題解決と数学的発見法)
https://digitaled.com/content/problem_solving_mathematical_discovery

といったコンテンツがあり、数学的技術をどのようにして問題解決へ用いるのがよいか、学習と評価(採点)がセットになった形で用意されています。

ちなみに問題の回答をした際の採点(評価)について、同社のテクノロジーは元々数式処理システム Maple から派生していることもあって、人工知能にも通じる記号計算エンジンを用いて、数学的に同一(等価)な回答を正しく理解したり、数式に関する高度演算もサポートしているので、オンラインながらまるで数学の先生が採点しているような形のサービスを実現しています。

なお、まったく同じコンテンツではないものと思いますが、Mobius テクノロジーを使ったフリーのコンテンツがウォータールー大学の数学教育センターで無償公開されています:

スクリーンショット 2020-03-25 午後2.08.23

対象は中学1年生〜高校3年生までの数学学習です。ウォータールー大学監修の数学コンテンツを無償で学習できる良いチャンスですね!

Axonify:マイクロラーニングサービス

DigitalEd はもっぱら学校教育でしたが、今度は職場での教育やトレーニングについて。ここの会社のウェブを見てはじめて『マイクロラーニング(Micro-learning)』というキーワードを知りました。世界的にも流行ってきている分野なんですね。

Micro-learningとは文字通り

・5分〜10分程度の時間で
・特定のトピックス(テーマ)について学習
・デバイスは何でもOK(スマホやタブレットでもPCでも)
・受講者目線であり、学習者の心理科学に基づいた学習構成

という形で自己学習を実現するプラットフォーム。

例えばアパレルブランドショップを展開しようとしたとき、新規採用した社員をいち早く現場で使える社員へと成長させたいと思うのは経営者側目線ですが、社員自身にしても迅速に業務内容を覚えて成績を上げたいと思うもの。

マイクロラーニングソリューションは、そんな経営側と従業員側のニーズをしっかりと汲み取った形の学習環境を実現するもの。

Axonify のソリューションは、学習過程でゲーミフィケーションの技術を取り入れたりしているようで、学習曲線を如何にして高めるか、いろいろと技術的&心理的配慮がなされているようです。

同社の経営陣を見ると、創業者やCEO、そして複数のVP職において経営経験の優れた女性たちが多く、その点でも興味があります。(これからは明らかに女性視点が重要)

学習プラットフォームの分野に関して、KW 地域には D2L (Desire2Learn)社が長らく有名でしたが、どちらかというと教育機関向けの印象。Axonify社は早くから産業分野に注力していたようで、D2L との差別化もしっかりしていて、世界から注目が集まっています。

Miovision:スマートシティ・交通サービス

日本語読みすると「ミオビジョン」と読んでしまいますが、英語読みでは「マイオビジョン」と読みます。同社は人工知能技術などを用いた交通管制システム、しいては街中の『スマートシティ化』を実現する技術ソリューションを提供しています。

信号機のスマートメンテナンス、協調・適応型の信号機制御技術、さらには 4K 高解像度ビデオカメラを用いた交通管制や人物認識技術などを用いたスマートシティ化を支援するサービスをどんどん拡充している企業です。

また、同社は2020年1月に 1億2千万ドル(カナダドル)の資金調達を発表しています(実質的にはシリーズC)。今回の出資により、人員拡大や技術サービスの拡充を加速させてくるものと思います。よりインテリジェントな交通管制サービスへのニーズは先進国だけではなく新興国でも高まっているので、引き続き要注目の企業です!

以上、今回は中堅タイプな4社を紹介しました。興味を持った企業があると嬉しいですし、これらの企業を通じてキッチナー・ウォータールー地域にも興味を持ってもらえるともっと嬉しいです。(もちろん『スキ!』してくれるともっともっと嬉しいです!)

なお、今回紹介した4社のほとんどがウォータールー大学の卒業生だったりします。ウォータールー大学がどんなところかはこちらの記事にもまとめてありますのでよろしければご覧ください!



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