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214 京阪京津線のはなし。

先週京都に行った旅行記は先のnoteでご紹介しました。

今回京都へのアクセスで利用したのは、京阪京津(けいしん)線。京阪は京都、大阪方面を走るイメージが強いですが、滋賀県にも線路網を伸ばしています。

京阪電車HPより。

京阪本線と滋賀方面の線路は繋がっていません。京津線はびわ湖浜大津(上の路線図では「浜大津」)から御陵(みささぎ)までの間の区間で、御陵からは京都市営地下鉄東西線に直通して三条、二条を経由して太秦天神川まで向かいます。三条で京阪本線に乗り換えが可能ですが間に京都市営地下鉄の区間を挟むため運賃通算はされません。

かつては御陵から西も三条まで路面電車として京津線が伸びていましたが、1997年、地下鉄東西線開業とともに廃止されています。

京津線の起点、びわ湖浜大津駅。

さて、そんな京阪京津線、なかなかユニークな側面を有しています。

左手が起点のびわ湖浜大津駅で、そこに列車が入ってくるところです。一つ手前の上栄町駅とびわ湖浜大津駅の間は路面電車(併用軌道)区間。大津市の中心部を路面電車が往来しています。写真の列車は京津線。駅から右方向に延びている線路は石山坂本線で比叡山の入り口である坂本比叡山口駅に向かいます。

石山坂本線の列車もやってきました。

京津線はすべて4両編成。併用軌道区間を走る列車は全長で30m以内にしないといけない規則がありますが、京津線は60mを超えるものの特例として走行が認められています。

隣の上栄(かみさかえ)町駅付近の交差点は、他では見られない長い路面電車の姿を間近で見る絶好のフォトスポットになっています。

上栄町を過ぎると列車は急勾配を登っていきます。上栄町から大谷駅までの間は61‰の急こう配区間。大津と京都の間には逢坂山がありかつては東海道線もこれを超えられず大谷から稲荷方面を迂回して京都駅に入っていました。


これより地下に入ります。

そんな急勾配を越えたあと、地下鉄区間に入り京津線の終点御陵駅に入るのですが、このように併用軌道区間、こう配区間、地下鉄区間を走るのは全国でもこの京阪京津線だけ。非常にバラエティ豊かな区間を走ります。

南禅寺の紅葉。

御陵駅から京都市営地下鉄に乗り入れた先の蹴上(けあげ)駅は紅葉で有名な南禅寺や、桜が有名な蹴上インクラインもすぐそば。

蹴上インクラインの桜。

三条京阪では京阪本線三条駅に接続するのでここから祇園や出町柳、伏見稲荷方面の観光に向かうにも便利です。JRから京阪本線に乗るためにはJR奈良線東福寺駅に向かうことが必要。乗り換えが1回多くなるので京津線の方が便利です。また、びわ湖浜大津駅の周辺は駐車場が多いので車で京都観光に来た方はここで駐車して京津線で向かうのが便利。京都市内は車はとても混雑して駐車場の確保が大変。渋滞で時間も読めませんからここで停めるといいと思います。

余談ですが、京都市営地下鉄で山科に向かう方はご注意。


赤が京都市営地下鉄、青は京阪京津線。

京都市営地下鉄と京阪京津線は御陵駅から分岐しているのですが、次の山科駅はどちらにも駅があります(京津線は「京阪山科」駅)。どっちに乗っても山科に連れて行ってくれるのですが地下鉄の山科駅で降りるのと、京阪山科駅で降りるのでは運賃が全く異なります。御陵ー京阪山科間は京阪電車の区間なので別途料金が必要になるのです。

このように車内でもアナウンスや中づりで注意喚起されていますが、誤乗はかなり多いよう。私が乗ったこの列車でも間違って乗った人がいました。「京阪山科」駅が以前の「毘沙門道」駅に戻ったら少しは改善するかも?
いずれにしても山科で降りる方はご注意ください!

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