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124 まねき猫の街に新たな息吹を感じる・常滑「やきものの散歩道」

愛知県尾張地方には全国的に有名なやきものの町が複数あります。
北部を代表するのが瀬戸焼で有名な瀬戸市。その北には美濃焼の多治見市もある陶器の一大産地です。

一方、南部を代表するのが知多半島の中部にある常滑市。中部国際空港のあるこの町は常滑焼というやきもので有名。今は合併してLIXILという名になっている住宅設備メーカーのINAXはここが本社です。

オリジナル「まねき猫」たちが旅人を歓迎

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名鉄で常滑駅に到着。ここからかつて窯業で栄えた集落を観光スポットとしてリニューアルさせた「やきものの散歩道」へ向かう通りは「まねき猫通り」として芸術家のいろんな願いを込めたまねき猫が展示されている通りです。

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全体像はこんな感じ。ここは歩かないともったいないですね。

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健康長寿を願ったり

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安産を願ったり

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旅の安全を願ったり。オリジナリティあふれて楽しいですね。

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禁煙、だそうです。タバコケースに猫の足跡がついています。煙のように上に登っていますね。

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そしてこの通りの上を見上げるとひときわ大きな顔だけのまねき猫「とこにゃん」がいます。有名なのでどこかでご覧になった人もいるのでは? 下から見上げるのではなく、歩道橋からの方が間近に見ることができます。

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……なかなかの迫力です。

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裏は見ない方がいいかもしれません。

常滑を支えた窯業集落「やきものの散歩道」を歩く

この「とこにゃん」がある地域一帯は「やきものの散歩道」。昭和初期に最盛期を迎えた窯業集落。今は使われなくなった煙突や工場などが狭い道に並び歴史を偲ぶことができます。

散策mapもつくられていてとても便利です。

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かつて多くのやきものを焼き上げるのに使っていた登り窯。1974年まで使用されたそうで、近代化産業遺産にも選ばれています。煙を登らせるために傾斜のある場所に造られました。この町に坂が多いのは、傾斜のある場所を好んで窯が造られていたからなのですね。

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町に残る煙突もかつての繁栄を語るこの町の生き証人です。

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この木、どっからはえてる…?

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土管や焼酎分で作られた土管坂。「ふるさとの坂道30選」に選ばれる独特の風景です。

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廻船業で財を成した瀧田家へ通じる坂。船が来たことを「伝える」ことから「伝々坂」→「でんでん坂」と呼ぶようになりました。しかしこの坂の町。歩いて楽しいですが真夏は結構キツイです。

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散歩道の途中にはギャラリーも多くあります。近年は若手の作家などがこの地で作品を作り販売することも多いよう。昭和にいったん寂れていったこの町は新たなアートの息吹に再び活気づいています。

散歩道の中にある「剥製カフェ」で一休み

あまりにも暑く汗だくだくで「やきものの散歩道」を散策していたところ、1件のカフェを発見。「BARBARA COFFEE ROASTERS」。最近はこの町でカフェを開業する人も多いそう。ミスとに反射してできる虹がキレイ。ここで休憩することにします。

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と、扉を開けると…

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どーん!とシロクマの剝製がお出迎え。

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他にもシカなどの剝製が!家具も骨董っぽくってかなり独特の空間です。お店の方のセンスを感じられます。古い倉庫を改装して4月にオープンしたばかりだそうです。

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水だしアイスコーヒー(605円)をオーダー。おひとりでやっているらしいので混雑時は時間がかかります。ゆっくり剝製を眺めながら時間を過ごすといいでしょう。

常滑の「KEDI BASHKAN」で挽いているというコーヒーは深みがあってなかなかおいしい。氷が独特でこちらも味が染みているので氷まで食べてしまいたいと思ってしまいます。KEDI BASHKANさんもオリジナリティあふれる店構えだそう。次はここにも行ってみたいです。

やきもので栄えた常滑を偲ぶ「やきものの散歩道」。かつての繁栄を知るとともに、それだけでは終わらない新たな息吹を窺い知ることができました。まねき猫はお金だけではなく人も呼び込みます。古いものを若い人が生かして常滑の街を変えていく活力が今後も続いて生まれていけばいいなと思いました。




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