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361 五所川原・甦った勇壮な立佞武多(たちねぷた)を訪ねる。

2023年12月10日、津軽地方の取材のため五所川原市を訪ねました。
五能線の列車が発車するまで90分ほど時間があったことから五所川原の駅前を散歩。

駅から徒歩5分ほどの場所にある「立佞武多の館」を訪ねました。お世辞にも大きいとは言えない五所川原市にあってこの建物はかなり大きくて立派だと思います。

その訳は立佞武多の館の中に入るとわかります。建物の真ん中にどんと大きな「立佞武多」が聳え立ちます。その高さはおよそ23m。7階建てのビルに相当する高さです。

上半分だけでもこれだけ大きい。この立佞武多を取り巻くように螺旋階段があって、ゆっくり下りながら勇壮な立佞武多を見物します。
「立佞武多」とは巨大な人形灯籠のこと。青森市の青森ねぶた祭り、弘前市の弘前ねぷた祭りと同様、巨大な山車灯籠が街中を練り歩きます。ねぶた(ねぷた)祭りはほかにも黒石市や木造町など津軽地方のいたるところで行われるこの地方の伝統行事です。

う、上から睨まれると。。。大迫力。

五所川原の立佞武多は大正時代に盛んになりましたが、その後町に電線が張り巡らされるようになるとこのような巨大な立佞武多は通行できなくなり小型化していきました。平成8年にボランティア団体が昔の写真などをもとにして河川敷で立佞武多を復活させたのを機に街中でも練り歩けるよう機運が高まり平成12年以降完全復活を遂げています。立佞武多が町を安全に通れるよう、五所川原の市街地は電柱が地中に埋められるなどの対策が取られています。

廊下を歩いていくと毎年一体造られている歴代の立佞武多の写真や、立体的な立佞武多のサンプルを目の前で見られます。現代の立佞武多は鉄骨造のようですが、伝統的な竹で骨組みを組んだタイプの立佞武多も見ることができます。

五所川原に限らずねぶた(ねぷた)祭りには必ず登場する金魚ねぶた。かつて高級魚だった金魚にあこがれを抱いた庶民が作り飾ったものといわれています。この金魚は藩政時代に品種改良して誕生した「津軽錦」という新品種でいったん絶滅したあと研究者が再度品種改良をして復活させています。

1日に何度か、大きな立佞武多の横のビジョンで五所川原の立佞武多祭りの映像が流れます。青森市のねぶた祭りの御存じ「ラッセラーラッセラー」の掛け声とは異なり、五所川原市では掛け声は「ヤッテマレヤッテマレ」。やっちまえという勇壮な掛け声が市内あちこちで響き渡ります。市北部の金木地区出身の吉幾三さんが歌う「立佞武多」でもヤッテマレの掛け声が歌詞に歌われています。

LED広告塔がなかなか派手です。

と、立佞武多の館のすぐそばにY.C.M(吉幾三コレクションミュージアム)もありました。「俺はぜったい!プレスリー」「俺ら東京さ行ぐだ」「雪國」などをヒットさせた五所川原が生んだスターです。衣装やギター、直筆の歌詞などファンにはたまらないグッズがたくさん展示されているそうです(時間がなくいかなかったので、伝聞です(汗))。

五所川原はストーブ列車の走る津軽鉄道の起点でもあります。これからのシーズンストーブ列車は人気で多くの観光客がここを訪れます。津軽鉄道の列車待ちの間でも回れるコンパクトな五所川原の街。立佞武多の館にもぜひ立ち寄ってみてください。


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