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「身体のリアル」を読んで

身体のリアル
押井守/最上和子

最近「身体」の使い方といったものに興味があり、演奏家、武道家、整体師、スピリチュアル系など各方面の言葉を聞き齧っている。
中でも舞踏家最上和子さんのXはいま一番更新を楽しみにしている情報のひとつだ。
この本は最上さんと、最上さんの弟である押井守監督の対談で、「身体」の重要性についてとことん語っている。

身体霊性についてはこの本を読んだだけでは実感できないし、それこそ最上さんの稽古場に通って教わったりしなければ体験できない境地だと思う。
それでも、いま生きて認知しているこの世界と同時に在る、まったく別の世界が自分の身体の内側に向かうことによって表れてくる、それが古代には自然にできていたことでは、ということをそうなんだろうなと受け入れられた。
現代社会が「言葉」によって形作られ、「身体」が忘れられていることは常々感じている。

この本を読むと、歳をとるのも悪くない、と思える。若い頃には足りなかった知識や経験を積み、若い頃には縛られていた自意識やホルモンの支配から解放される。「若さ」に囚われず、自分の身体の声に耳を澄ませて自然体で生きられたら、イケてる老人になれるのではないだろうか。

それにしても押井監督が若い女性のことをおしなべて「姐ちゃん」と呼ぶのが気になってしょうがない。他に言い方ないものか。


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