【躁うつ日記#09】投薬と経過

 初めての受診から彼女は投薬を開始し、3週間を目前としている。今回は、服薬を始めてから現在までの経過を書いていこうと思う。

 まず、様子を見るために、確定診断が出る前に双極性障害の人が鬱状態の時に飲む薬が処方された。

 最初の4日間は彼女曰く「なんでも明るく輝いて見えた」らしい。4日目に海でバーベキューをしたのだが、あんなに楽しそうにバーベキューをしている彼女を見たことがなかった。

 ところが5日目から、気分は大きく落ち込み始めた。その後も日に日に気分は落ち込み、“暴れる”日が目立ってきた。ただ、服用前から医師に、躁状態になることがあると副作用の説明を受けていたので、心構えもでき、然程動揺はしなかった。

 しかし、これまで書いてきた様に、壁を蹴られてしまうと私も感情を出してしまう。薬のせいだとしても、近所には関係のないことだから。何度か格闘技を繰り返してしまった。

 ただ今回は、服薬前のいわゆる“躁状態”とは異なる部分が目立った。

服薬前とは違う点

①暴れる時間
 どう表現するのがいいのかわからないので、相違点を挙げながら説明すると、以前は何よりも、暴れる時間の長さが大きな山場だったが、今度はとても短いのだ。朝まで続いていたのが、数十分から1時間程度に収まった。

 全く心に響いてなかった様に見える以前とは違い、私の訴えも少しすると彼女の心に届き始める。

②涙
 以前も泣くことはあったが、それはなんというか、怒りが収まらないことに対する苛立ちや、私への苛立ちが溢れて涙を流していた。しかし服薬後に訪れた躁状態では、大半が自己嫌悪や私への申し訳なさ、そして不安が大きい様に見えた。

 元来、常に自分を律していたい、と考える彼女は、感情を出すことを嫌う。そのため、そうやって暴れる自分が醜く許せないと感じるのだろう。さらに、自分の振る舞いによって、私が呆れ離れていく事へ不安を感じている様だった。

③謝罪
 これまで彼女は、謝ることがとても苦手だった。おそらく自分でもなぜ怒っているのかわからず、本人もある意味“被害者”だったのではないだろうか。
 ところが先日暴れた彼女は、私に「ごめんね」と言った。大したことに思えないかもしれないが、はっきり言うと大したことである。思わず泣いてしまった。



 こういう変化を見せた彼女は、私が離れていくと考える頻度が増え、別れていいんだよと溢すようになった。しかし私は、呆れるどころか、好転している点を多々確認し、紛れもなく御の字だと思っている。
 薬の効果だとしても、やっと彼女の元来の良さが出てきて、何倍も楽しく感じている。本来彼女は心優しく思いやりのある人間だから。


現在

 昨日3度目の受診をした彼女は、薬を1錠増やし、今朝から服用している。

 そして、現在客観的に見て、彼女は躁状態にいる。混合型の躁状態では、ハイテンション×闇という感じだったが、今はやる気に満ち溢れるタイプの躁状態を過ごしている。

 勉強をしたり、活発に外出をしたりしているが、一方で睡眠薬を飲んでいても途中で覚醒してしまうことが増えた様だ。やはり、身体を休めることは何よりも大事であるため、意識して身体を休めることが重要だと感じる。(小泉構文)

 また、躁状態だからやる気がある、とは私は考えていない。確かに躁状態だからやる気満々なのだが、元々やりたかったことに向き合えているように見える。ただ“程よいやる気”ではないだけ。この期間に得たものは紛れもなく本人の糧となるので、上手くコントロールをして有意義に過ごしてほしい。

 ここで重要なのが、次の鬱状態がやってきた時にどう過ごすかを、今のうちに考えておくことだろう。

 そこで考えたことを、そして服用している薬に関して改めて別の機会で書くことにする。

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