お笑い芸人のコンビ名について考えてみた
お笑い芸人のコンビ名というのは本当に面白い。コンビ名をつける作業は、いわば「芸人が最初にする大喜利」みたいなものである。
名前一つで目を引いたり、売れたり、愛されたりするのだから大事な大事な「大喜利」である。ここで滑ってはイケないのである。
さらには嘘が真か「ン」が付くと売れるなんて迷信もあり、売れることを前提とした命名をするコンビもチラホラ見られる。
このコンビ名の命名についてだが、ざっくり何パターンかに分けられると思う。
①メンバーの名前から取るパターン
【代表例】
タカアンドトシ、ますだおかだ、なすなかにし、きしたかの、アキナ、アルコ&ピース、品川庄司、ダイノジ、ひつじねいり、千原兄弟、中川家、おぎやはぎ、ウッチャンナンチャン、かが屋 など多数。
【特徴】
このパターンが一番スタンダードである。コンビ名を覚えてもらえれば、メンバーの名前まで覚えてもらえるのでお得である。
派生系で言えばアルコ&ピースもこのパターン。酒井の酒と平子の平(和)から命名されている。
また、ひつじねいりはメンバーの名前にどちらも「祥」という漢字が使われており、「羊、ネいり」からひつじねいりとしているという特殊パターンである。
余談だが、メンバーの名前からコンビ名を取っているわけではないのに、そうであるかのようにボケるというベタなギャグも存在する。(たとえば、チョコプラはどっちがチョコでどっちがプラなの?みたいな。振られた方は対応に困る‥‥)
②一般名詞から取るパターン
【代表例】
きつね、レインボー、巨匠、囲碁将棋、麒麟、サバンナ、次長課長、たんぽぽ、磁石、流れ星☆、錦鯉、カミナリ、くりぃむしちゅー
【特徴】
ごく一般的に使われている名詞から名付けたパターン。世に溢れている言葉なので、相当売れないと検索に引っかからないという難点あり。(特に「きつね」とかは検索に引っかかりにくいので「きつね 芸人」で検索するはめになる。)
③人名・商品など既存の固有名詞や、作品の一部から取るパターン(もじり含む)
【代表例】
海砂利水魚、バカルディ、アインシュタイン、ママタルト、シソンヌ、ジェラードン、オジンオズボーン、ジャングルポケット、スーパーマラドーナ、ニューヨーク、ハライチ、三四郎、オードリー、ランジャタイ
【特徴】
すでに有名な固有名詞からなづけるパターン。メンバーの好きなものや歌詞の一節などを流用するパターンが多い。
オジンオズボーン(オジー・オズボーンから)やジェラードン(イングランド代表ジェラードから)のように固有名詞をもじったパターンも存在する。
④英語から拝借する、日本語を英訳するパターン
【代表例】
EXIT、Everybody、ダウンタウン、テンダラー、ナインティナイン、アイデンティティ、エイトブリッジ、ライセンス
【特徴】
かっこいい英語からそのまま流用するパターン。英単語を2語つなげると⑤で紹介する造語パターンにもなる(例 アンガールズ、トレンディエンジェルなど)。
⑤唯一無二の造語パターン
【代表例】
空気階段、コロコロチキチキペッパーズ、極楽とんぼ、ジャルジャル、チョコレートプラネット、トレンディエンジェル、アンガールズ、バナナマン、どぶろっく、爆笑問題
【特徴】
オリジナリティあふれるコンビ名が特徴。存在しない言葉から命名するパターン(ジャルジャルなど)や、親和性が低く繋がりのない一般名詞を繋げて一つの単語にするパターン(トレンディエンジェル、チョコレートプラネットなど)がある。
ネット検索して確実にヒットする名前だが、凝りすぎると覚えてもらいにくい可能性がある。
自分で芸名をつけるならば
ここまで、コンビ名の名付けパターンについて紹介してきた。もちろんこれ以外のパターンや、複数のパターンにまたがるケースも存在する。面白いものである。
実は、もし僕がお笑い芸人になるならどんなコンビ名にしようかと考えたことがある。響きがよくて、略してもらえるという点でアロマホップにしようという結論になった。相方もいないのに。
アロマのみょーが。
なかなかいいじゃん?
芸人デビューするっきゃないな!(しない)
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