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Jリーグ誤審問題について考える【2023開幕節 広島vs札幌】

三笘の1mm、メッシの初優勝で沸いたワールドカップから2ヶ月が経ち、Jリーグの2023年シーズンがようやく開幕した。

僕はサンフレッチェ広島サポーターなので、開幕戦のサンフレッチェ広島vsコンサドーレ札幌の一戦をワクワクしながらテレビ観戦した。広島は昨季、J1リーグ3位、ルヴァンカップ優勝、天皇杯準優勝の好成績を残し、今季はさらなる飛躍が期待されるチームである。展開としては広島が一方的に押すがなかなか一点が遠い、そんな試合だった。

試合ハイライト 広島vs札幌

問題が起こったのは後半29分。
広島は野津田からのCKを主将佐々木がコースを変え、新8番川村拓夢が強烈なシュートを放った。札幌ゴールキーパー菅野も反応し、ギリギリのところで弾き返した…‥かのように見えたが微妙なところだった。

試合は一旦止まり、VAR判定となった。ワールドカップを見ていた人はあの『三笘の1mm』のVAR判定、ボールがわずかにライン上に残っていた事でゴールを認められたシーンを覚えている人も多いと思う。このVARでもラインを割ったかどうかが争点であり、似たようなシーンではあった。

違うのはワールドカップや欧州のいくつかのリーグではゴールラインテクノロジー(GLT)と言い、ボール内に埋め込まれたチップの情報にて半自動的に判定を下せるシステムが導入されているが、Jリーグでは導入されておらず映像のみにて判定されることなった。

VAR判定中、テレビでは何度もそのシーンがスロー再生された。下の画像はそのシーンである。

※広島 川村のシュートシーン

画像を見る限り、確実にボールがラインを割っている。つまりゴール判定になるべきであったが、この試合を担当したVAR柿沼氏はノーゴールと決断した。試合はその後も猛攻を続けるがスコアレスドローで勝ち点1を分け合う形となった。

試合後もこの判定は荒れた。SNSでもこの判定について論争が起こり、週明けに放送されたジャッジリプレイ(審判のジャッジについて議論するサッカー専門番組)でも取り上げられ、元主審の家本氏のあれは誤審だったのではないかという発言が更に話題となった。

そして今日、JFAは緊急記者会見を行い該当シーンが誤審であったことを認める異例の展開となった。会見では担当していたVAR、AVARについて、再教育として当面の間Jリーグからの割当を外す可能性について言及するまでに到った。

しかしながら誤審であることが明確となったが、規定上試合結果が覆るわけではない。失った勝ち点2については諦めがついたが、やはりもやもや感は残る。何よりも、視聴者ですらゴールと確認できるVAR判定に対して、十分な時間をかけずノーゴールと決めつけた点が良くなかった。審判にリスペクトは必要だし、間違いが起こることも仕方のないことであるが、ジャッジのクオリティやそこまでの流れには改善の余地がある。

そもそもJリーグの審判の中で、審判業で飯を食っているのはほんの僅かである。2023年のJリーグ担当審判は主審60人副審100人であるが、プロフェッショナルレフェリー(いわゆる審判業で飯を食ってるプロ)はたった主審14人副審4人である。それ以外の審判は一試合あたりいくらという形であり、他の仕事をしながら審判もしている状況である。審判にかかる重責の割にはかなり待遇が悪い。誤審一つで日本中から叩かれるわけだから正直可哀想である。

待遇の悪いところにはいい人材は集まりにくいし、人材の成長を促すのは難しい。やりがいだけではなんともならない。これは自分の勤めている会社にもかなり当てはまる。耳の痛い話だ。

良かった点といえばJFAが誤審を認め、審判委員長が広島のサンフレッチェ本社に訪れ直接謝罪がされた点である。ゴメンナサイって言うのはなかなか難しいし、ここまでするのはかなり稀である。

とりあえずサンフレッチェには気を取り直して頑張ってもらいたい。次節新潟戦もホームなのでゴールラッシュを見せてほしい。

たのむよサンフレッチェ。

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