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USJを劇的に変えた、たった1つの考え方

こんにちは、お久しぶりのどもです。最近片目だけピントが合わなくなってきたので眼科に行ったら、今のコンタクトが見えすぎてるからPC仕事には良くないと言われて混乱状態です。

さて、前回の投稿から1か月ほど空いてしまったのですが、妻と子供が義理の両親の実家から帰ってきて自分の時間が皆無になりまして。今日はたまたままた実家に帰省しているので今のうちの溜まっているブックレビューを書きます。

サマリー

書名:USJを劇的に変えた、たった1つの考え方(2016)
著者:森岡毅
要約:稀代のマーケターである著者の森岡毅さんは如何にしてUSJをV字回復に導いたのか。著者によるとそれはUSJがマーケティングを重視する消費者視点の企業になったからだと言います。

USJはかつてハリウッド映画をテーマにした遊園地になることでディズニーランド(TDL)との差別化を図ろうとしていました。ですがTDLとUSJは物理的に500km離れており、差別化のために映画というエンタメ全体の1割程度しかないテーマに固執することに著者は疑義を抱きました。
その後USJは皆さんご存じの通り「映画専門店」から「世界最高のエンターテイメントを集めたセレクトショップ」へと変革を遂げ、ユニバーサルワンダーランド、ウィザーディング・ワールド・オブ・ハリー・ポッターなど集客のための巨額の投資により、関西エリア以外からも新規顧客を獲得し、見事V字回復を果たします。

本書ではマーケティングとは何なのかがUSJでの事例以外にも、USJの前に勤められていたP&Gでの事例も多く取り上げながらとても分かりやすく解説されています。

個人的評価:★★★★★

著者紹介

著者の森岡毅さんは1996年神戸大学卒業後、P&Gに入社、マーケティング部門に配属され、その後ヘアケアブランド等のブランドマネージャーを歴任されていました。2010年、その活躍に目を付けたUSJの当時のCEOにヘッドハントされ、当時右肩下がりだった入場者数を回復すべく数々の改革を断行されます。

2017年には使命を果たしたとしてUSJを退社し、株式会社「刀」を設立、代表取締役CEOに就任。その後同社はマーケティングノウハウを活かして様々な会社と協業されています。

所感(感想)

著者が高校生の娘さんに「マーケティングって何?」と聞かれた際、何かいい本はないかと思い、本屋を探されたそうです。しかしアカデミックな本やマニアックな本はあれど、マーケティングの素人に分かりやすく解説されてる本が無く、このことが本書執筆のきっかけだったそうです。

本書は一言で言うとマーケティング入門書です。

マーケティングに関する様々な考え方が著者の事例(消費者として皆さんご存じの商品ばかり)を交えて解説されています。

マーケティングの基本である消費者価値を最大化しようとすると、多くの場合、部門や個人間で軋轢が発生し、結果中途半端な製品やサービスが世の中にあふれてしまうことを著者は以下のように書かれています。

ある人はカレーライスが良いと言う。別の人はすき焼きが良いという。そんな時に多くの会社では、「カレーすき焼き」を作って消費者に提供してしまうことになります。
私は成功のカギというものはわからないが、失敗のカギは知っている。それは全ての人を喜ばせようとすることだ。

私も仕事をする上で角が立たないように配慮するあまり、顧客視点では中途半端な決断をしてしまっていることも多くあるかも知れないと反省しました。

またマーケティングには戦略的思考能力が不可欠であることから、本書内でも戦略に関して多くのページが割かれています。
戦略について著者は以下のように定義されています。

戦略とは、目標を達成するために資源(リソース)を配分する「選択」のこと。

またこのようにも書かれています。

美しい戦略は相手との差を利用します。

著者が思う美しい戦略としてライオンとサンスターの紹介されています。

当時ライオンは歯ブラシと歯磨き粉でトップシェアを誇っていました。そこにサンスターは奥まで届く小ヘッド歯ブラシを発売して急速にシェアを奪いました。ライオンもすぐに追従すればよかったのですが、小ヘッド歯ブラシの普及は歯磨き粉の使用量が減り、売り上げが減るため舵を切れなかったのではないかと言われています。

数手先を読む戦略は確かに気持ちがいいですね。


著者によるとマーケティングを知ることが会社も人も「成功する近道」となるそうです。本書内でも書かれていますが日本はまだまだマーケティングが弱いため、スキルを身に着けることで周囲と差別化することも出来るかもしれません。

とても面白かったので著者の他の本も読んでみたいと思います。

読んでいただきありがとうございました。また書きますので興味ある方は「フォロー」よろしくお願いします。ではまた。

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