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超入門資本論

こんにちは、2週間育休中のdomoです。家族と一日中一緒に居られる幸せと夜中ゆっくりできない不幸せを噛みしめてます。

今日はブックレビューを書きます。

サマリー

書名:超入門資本論(2014)
著者:小暮太一
要約:1867年に刊行されたドイツの思想家であり経済学者のカール・マルクスの「資本論」に書かれている資本主義社会のルールを分かりやすく解説した本。
なぜペットボトルのジュースは150円なのか。なぜ医者の給料は高いのか。なぜ能力と給料は比例しないのか。なぜ生産性が上がっても経済はよくならないのか。
我々の日常に潜む商品やサービスに関する疑問から、我々自身の人材としての価値がどのように決まるかなど、資本主義社会で生きる上で知っておいて損がない、資本主義におけるルールを学ぶことができる本です。

個人的評価:★★★★★

著者紹介

小暮太一さんは慶応大学卒業後、富士フイルム、サイバーエージェント、リクルートを経てビジネス書作家として独立され、本書の他にも分かりやすく経済について解説した書籍を多数発刊されています。


所感(感想)

本書の序盤で、全体のわずか3.8%しか到達できない年収1000万円を達成した「成功者」がなぜ幸せを感じられないか、このように書かれています。

それはぼくらが生きている、この社会のルールに気づいていないのです。
(中略)
初めてやるゲーム、スポーツに呼ばれたら、「どんなルールになってるの?」とまずルールを聞きます。
(中略)
当たり前の話です。
しかし、その「当たり前」であるはずのことを、ぼくらは自分の労働には当てはめて考えません。

私はメーカーでエンジニアをしており、製品の原価計算、収益試算など業務の一環で携わってきましたし、自己研鑽で簿記2級も取得し、経済の知識はある程度習得したつもりでした。しかしこの本を読んで、資本主義のルールも知らずに9年間仕事をしていたのだと気づかされました。

このルールの中で最も基本的な考え方は以下です。

①商品には「価値」と「使用価値」がある
②需要と供給のバランスが取れている場合、商品の値段は「価値」通りに決まる

ここで、「価値」とは一般的な意味合いとは異なり、その商品を作るのに必要な社会一般的な労力の大きさを表し、「使用価値」は使用することによるメリットを指します。

身近な例で言うと、デパートの地下で買うチョコレートは1個400~500したりしますが、チロルチョコの20~30倍美味しいわけではないですよね。

ちなみに私はチロルチョコのミルクが大好きでデパ地下のチョコ1個とチロルチョコミルク20個どちらが欲しいか聞かれたら、食い気味で「チロルチョコに決まってるやろ!」と答えます。

ではどうやって値段が決まっているのかというと「価値」で決まります。
つまり、そのチョコを作るためにチロルチョコの20~30倍労力がかかっているということです。

このルールは商品やサービスに関するものだけでなく、人材にも適応されるもので、人の給料も残念ながらその人の能力「使用価値」ではなく、「価値」で決まります。
そのため、大卒で一斉採用された新入社員は能力やスキルの有無に関わらず、一定の給料で採用され、その後も成果の多寡に依らずほぼ一定で昇給していきます。
これは全員「価値」がほぼ同じだからです。

私自身、能力と給与が比例しないことに疑問を感じることが多々ありましたが、これが資本主義のルールなので文句を言っても仕方ないな、と理解しました。
もし嫌ならこのルールが適応されないクワドラントにいけばいいだけだからです。

この本は学生から私のようなある程度社会人経験がある人まで学びのある本だと感じます。本棚に保管しておいてまたいつか読み返したい本です。

読んでいただきありがとうございました。また書きますので興味ある方は「フォロー」よろしくお願いします。ではまた。

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