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人工知能は人間を超えるか

こんにちは、楽天に踊らされてお買い物マラソンに勤しんでいますdomoです。

突然ですが今日はブックレビューを書きます。
私、月に4,5冊本を読むことにしてまして、アウトプットすることでより内容を咀嚼して自分の物にできたり、これを見たどなたかが興味を持って頂けて、参考になればよいなと思って綴らせていただきます。

サマリー

タイトル:人工知能は人間を超えるか(2015)
著者:松尾豊
概要:人工知能がどのようなメカニズムで動くのか、現状何が出来て何が出来ないのかが書かれています。人工知能が今後私たちの生活をどのように便利にしてくれるのか期待したくなる一冊です。
個人的評価:★★★★☆

著者紹介

松尾豊さんは東京大学の教授で人工知能について研究をされています。
多くの論文を出されたり、監修や共同で出されていますが、このような形の単独著書はこれ以外にはないようです。著者について詳しく知りたいかたは以下に著者のページを貼り付けておきますので覗いてみてください。

内容

本書は以下のように構成されています。序章では昨今の人工知能に関する動向、第1章で人工知能の定義や人工知能のレベルについて書かれています。その後第2~5章では、歴史と共に、それぞれの時代の人工知能がどのように動くのかが初心者にも比較的分かりやすく説明されています。
その後第6章と終章で人工知能が今後どのように発展し、人間の生活をどのように変えていくのかが述べられています。

序章:広がる人工知能 人工知能は人類を滅ぼすか
第1章:人工知能とは何か 専門家と世間の認識のズレ
第2章:「推論」と「探索」の時代 第1次AIブーム
第3章:「知識」を入れると賢くなる 第2次AIブーム
第4章:「機械学習」の静かな広がり 第3次AIブーム①
第5章:静寂を破る「ディープラーニング」 第3次AIブーム②
第6章:人工知能は人間を超えるか ディープラーニングの先にあるもの
終章:変わりゆく世界 産業・社会への影響と戦略

所感(感想)

人間は五感からの情報を感覚神経を経由して脳で処理し、運動神経を経由して筋肉に指令を出しており、この流れ自体はロボットがセンサーからの信号を読み取って、モーターなどのアクチュエーターを動かすことで既にかなり前から再現出来ています。大きな違いは人間は「考える」ことが出来、ロボットは予めプログラムされた動きしか基本的には出来ません。

人工知能の開発は人間の「考える」という機能を分解し、得た情報を元に、いかに正しい答えを導き出すかのシステムを構築することです。
人工知能の構築における重要な要素に「学習」があります。これは得た情報と、正解である「教師信号」を結びつける作業です。この得た情報と「教師信号」の組み合わせが多ければ多いほど人工知能はより高い確率で同じ問題の正解を出す確率が上がります。
人間の場合、幼少期に親からこれはやっていい、これはやったらだめ、を何度も教わり、時に間違え、親に修正されながら知能を構築していくのと同じことだと言えます。

人工知能は研究者たちの多大な貢献により、将棋、運転、問題を解く、など単純な事象についてはすでに人間を超える例も出て来ています。
しかし、例えばいくつかの偶発的事象が重なるなど、問題が複雑化すればするほど知能には応用力が求められ、この部分ではまだまだ人工知能は人間に劣るのが現状のようです。

この本を読んでとても面白いなと思ったのは、多くの人工知能学者がたどり着いていない「学習」の真理を我々人間は幼児の頃に身に着けていているということです。
つまり、人工知能の開発とは人間の知能を真に理解するということでもある、ということです。


海外では子供が間違ったことをしたとき、"You made a wrong dicision"というそうです。これは子供自身が悪いわけではなく、子供が行った判断が誤っていると「学習」させています。
一方、「こんなことするなんて悪い子だ」と言っても、行動と存在価値自体が紐づけれられているため、知能は「学習」することが出来ません。

ここから分かることは、人工知能が人間の知能から学ぶだけでなく、人間の知能についても人工知能学習から学ぶこともあるようです。

私は人工知能の発展によって人間の生活がより豊かになり、人間らしい創造的活動に集中できると思っています。人工知能の発展によって自分の仕事や価値がなくなるのではないかと危惧する人が一定数いると思うのですが、どのような仕事が人工知能に代替されていくのか、逆にどういった仕事が必要とされてくるのか、現状を正しく理解することが大事だと思っています。

人工知能が人間を完全に超える日は永遠に来ないと信じていますが、共存できる日はすぐ近くまで来ているのではないでしょうか。


初めてのブックレビューで拙い文章を読んでいただきありがとうございました。また書きますので興味ある方は「スキ」と「フォロー」よろしくお願いします。ではまた。

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