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WCW2023【CancerX Pharma】〜製薬企業と社会やコミュニティーとの接点とを考える。患者のために何ができて、何ができないのか?〜

登壇者の皆さん

■セッション概要

がん治療の進歩で、5年生存率などが改善し、病気を抱えながら生活をする人が増えた。また、医療に対する国民のニーズは、資源が限られる中で高まっている。以上から、がんにおける社会課題は、以前にも増して存在しているともいえる。そんな中、製薬企業は従来の創薬や流通以外の活動が期待されている。一方で企業を取り巻くルールは厳しくなっており、社会課題に着手しにくいことも事実だろう。よって、WCW2023では、製薬企業・業界を取り巻く社会課題を可視化し、チーム医療のひとつである製薬企業がどのようにして、社会やコミュニティとかかわっていくのがよいかを、皆で検討したい。

当日は配信会場に登壇者が集まりセッションが行われた

■セッションサマリー


(登壇者)
医師で患者経験のあるなおと:フラットな関係が大事。COI提示が大事
製薬企業で勤務する元精神科医のたろう:がんと付き合う時代。指数関数上に増えている
抗生剤の開発経験のあるたか:ドリフトからシフトへ

(情報のデリバリーについて)
薬は、車と違い見た目には差がないため、情報が重要になっている。しかし、効果が不確実であることなどが情報提供を難しくしている。また、MRが提供できる情報はルールで厳しく制限されている。具体的には、薬剤名が出せなかったり、他社との比較ができないなどからある。以上から医師からしてみてもつまらないものとなっている。背景には1991年以前の企業中心の過度な営業の歴史がある。ただし、医師側も自分で学ばず鵜呑みにしている人が多かった。患者のため、過度な競争でなく健全な競争が大事でその具体的な例をあげていく必要あり。現在の製薬企業からの情報発信をはじめとしたルールは製薬企業にとって安心なものとなっている。以前と比べ科学的根拠に基づいた情報提供されるようになったが、患者が人生を決める時には科学だけでないと理解することが重要。そのためには製薬企業の職員も実際に患者と接することができたらいい。

(患者中心医療を提供するためには)
患者の困りごとを可視化するため、コミュニケーションする機会を作るために現場にもっと入るべき。創薬段階からの患者参画が必要。ただし、患者が本当に参画を望んでいるのかには繊細になるべきだろう。
そもそも患者中心とはどんなものなのだろうか?寿命だけでなく生活の改善を含めたメリットを可視化すること。そのためにはPROが大事だろう。ただし、そのベースには、患者力・質問力を育てていくことも大事だろう。医師だけでもなく、患者だけでなく、製薬だけでない多様なメンバーで行動することが大事。このようなことを大事にする企業が投資されるESG投資が活性化することも大事。

(薬のデリバリーについて)
日本は諸外国に比べて難しい部分もあるが、薬が作れる国は非常に少ない中で。日本は創薬できている。 世界に先行した高齢化社会は他の国の役に立てる可能性がある。そのために、健全な競争が必要で、それは共創なのかもしれない。今後も継続的にディスカッションする場を設けていきたい。

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