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告知をどこまでするか?

今からご本人さんに、病状伝えますね?

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タイミングなどもあるでしょうが、家族が先に病状について
”がん”について告知を受ける場合があります
そして本人にどこまでそれを伝えるのか?
今の治療は、ほぼ全告知します。
そうしないと、治療できないからですね
嘘を言って、手術や抗癌剤治療はできません
看護師である私もそこは理解しています。
しかし、担当医師から、「今から本人さんに話しますね」
と言われた時、一瞬体が固くなりました。緊張が走りました。
それは、全て言っていいのか?でした
肺がん・広範囲の骨への転移、微小な脳転移・・・

一瞬でも「えっ?」と思えば、立ち止まる

考える

「えっ?」「ん?」ちょっとでも思えば立ち止まってみましょう
それは自分からのサインです
考えてみましょう
・告知していけるかな?
・どこまで告知すればいいかな?
・告知した先、どうなるだろう

今の医療の流れ

医療

がん告知に関して
1990年 日本医師会生命倫理懇談会で”がん告知”について言及しています
がんの告知
①告知の目的がはっきりしていること 
②患者・家族に受容能力のあること
③医師及びその他の医療従事者と患者・家族の関係がよいこと
④告知後の患者の精神的ケア、支援ができること
など、これらが整っている場合に限り「がん告知」を行うべきである。

今の医療は”全て告知”が当たり前の時代です
もちろん”がん”と告知しないと、手術も抗癌剤もできません
そして、本人には全てを知る権利があります。
だって自分のことですから
誰も本当のことを教えてくれない、という苦しみは辛いものです
しかし、私は、転移の範囲をある程度限局して伝えてもらいました
・骨への転移については、痛みがある部位に転移している
・脳転移は伏せてもらいました

まず、広範囲の骨転移はかなりショックが大きいと判断しました。
脳転移に関しては、母の友人が乳がんの脳転移で、転移がみつかってからは
数週間で亡くなった経緯があり、その話を何度も私にしていました。
つまり脳転移=死が早い、そう考えている節がりました。

人が見ている景色はそれぞれ異なる

めがね

人が見ている景色・物の捉え方はまったく異なります
たとえ親子でも、兄弟でも、夫婦でもです
人は物の捉え方をフィルターを通して見ています。
このフィルターは、わかりやすく言うとメガネです。
そのメガネの正体とはなんでしょう???答えは=”思い込み”です。
「〜しなければならない」という思い込みなのです
※”思い込み=メガネ”については別に記事を書きますね。
このメガネをかけて、世界を見ているので、見ている世界が違うのです
夫婦でも、兄弟でも、親子でも
なので医療者側の目線と、患者側の目線は当然、まったく違います
日本医師会生命倫理懇談会で”がん告知”は、当然一般的なものです
親子でも夫婦でも違うのですが、ただ一緒の時間を共有すると
メガネがやや似ています。まだわかります。想像できます。

告知について迷いがあるなら
・一度立ち止まってみる
・全て告知するという医療の当たり前は一般論
・告知を受ける人がその先どうなるか?考えてみてください
音声


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