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山村留学で体験したこと②ジビエ三昧

さて、山村留学に来て驚いたことのひとつに”ジビエ”があります。決して町では簡単には味わえない山の恵み。山深いここ和合では人口よりも野生動物のほうが多いのではないでしょうか。鹿やイノシシは畑や田んぼを荒らす害獣のため、ここに住む多くの人は狩猟免許を持っていて罠を仕掛けています。年に何回かは罠にかかった獲物のおすそわけにありつけるのです。鹿やイノシシはかなり大きく、解体するのも一苦労。お父さんが血抜きをして皮をはぎ、お母さんたちが何人もあつまって大きい肉の塊を解体して、新鮮なお肉を材料に焼肉パーティーが始まります。ご近所から「イノシシが穫れたで食べにおいで」と誘われて突如始まる焼肉パーティ。無料で豪華な食卓にありつけるなんて、なんという贅沢!パーティでもとても食べきれる量じゃないので、肉の塊をお土産にもらって、家でもジビエが食卓に上がるのです。

イノシシの焼き肉に舌鼓

イノシシや鹿は独特の臭みがあると言えばあるのですが、新鮮なお肉はただ焼くだけで美味しく、いくつでも食べられちゃいます。自宅に持ち帰ったイノシシ肉は、カレー、チンジャオロース、煮いのしし(煮豚と同じ味付け)、いのししテールスープなどなど。鹿肉はカレーに焼肉と美味しくいただきました。濃い味付けのほうが合うようです。うちは冷蔵庫がないので、保存に塩こうじ漬け、味噌漬けにして、野菜と一緒に炒めて食べたりもしました。どれもこれも美味しくて山の恵みに感謝です。野生の肉は生命力を高めてくれるような気がしました。

いのしし肉のチンジャオロース
イノシシ肉の煮豚
鹿カレー

普段スーパーで買うお肉はもう加工されていて、生きていたころの姿を普段は想像することもないのですが、ジビエをいただくときは解体から関わることも多く、余計に「いのちをいただいている」という気持ちになりました。ある時は罠にかかった生きている鹿を絶命する現場に立ち会い、こと切れた鹿のカラダを一緒に引きずって運ぶこともしました。ジビエではないですが、養鶏所で仕事を終えた廃鶏を自らの手でしめて解体しその命をまるごといただくという経験もしました。生きていくために食べる。お金を払って肉を買い料理して食べるときには感じなかった、生々しい命の塊を調理していただく。これらの経験は私の生に対する感覚を確実に変えてくれたように思います。「生と死」がこれほどまでに身近に感じられる暮らし。これが山暮らしなんだと。娘のために来た山村留学ですが、町で育った私にとって学ぶことが多い山村留学でした。

さて、娘ちゃんはと言えば、3年生のときにご近所さんのところで2頭の鹿が同時に罠にかかったことがあって、お父さんは一頭の鹿を解体するのに手いっぱい、もう一頭は子どもたちで解体してごらんと、近所の同級生とふたりで鹿一頭を任され、かなり大きな解剖実習をやりとげました。内臓のしくみや、筋肉の様子に好奇心はいっぱい。一日かけて鹿一頭を解体し、その夜は鹿の一番おいしい場所、背ロースを焼肉にして食べました。お父さんがご褒美に(?)と鹿の皮をなめすのを一緒に教えてくれて、出来上がった鹿の皮をかぶって、その当時夢中になっていた鬼滅の刃の登場人物になりきるという快挙!町では絶対に経験できないことです。

伊之助ならず鹿之助

イノシシ、鹿以外にも、先輩移住者のお家でかかったハクビシンもいただきました。これが脂がのっていて美味しいこと!本当に美味しいものは流通に乗らないのかもしれません。山の獣たちは厳しい自然の中でその命を全うしている。その命をおすそわけしていただいて、私たちも生活している。いのちをいただいた経験は、自分のいのちも大事にしていかなければという気持ちが湧いて、自分自身の「生きる力」も高めてくれたように思います。”いのち”とともにある暮らし。それが山の暮らしなのです。

こんな山奥で一緒に学校に通ってみませんか?イノシシや鹿にありつけるかもしれません。まずはぜひ体験にお越しください。


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