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【本紹介】寺院ビジネス

おはようございます。
カナリアコミュニケーションズです。

本日は、高野山大学非常勤講師、千葉商科大学大学院中小企業診断士養成課程客員教授などをされている加賀博さんの著書、『未来社会を変える寺院基本経営学』をご紹介します。


1.感想

本書を読んで、今まで全く馴染みも関心もなかった宗教法人としての寺院経営がどのようなもので、どのように成り立っているのか、通常の法人と比較して何が異なるのかを知ることができました。

そもそも宗教法人というものがあることから初めて知ったのですが、宗教法人にはさまざまなメリットがあるそうです。

信用メリット、永続性メリットなど、いくつかメリットが紹介されていましたが、相続税がかからないこと、宗教活動収入は法人税など非課税扱いであることなど、経営を行う上で興味深い制度があることを知りました。

一方で、宗教法人を設立するための、宗教団体の要件もあります。

1.教義を広める
2.儀式行事を行う
3.信者の強化育成
4.礼拝の施設保有

税法上のメリットは大きいものの、要件もそれなりに厳しく制定されており、単純に面白かったです。

2.おすすめポイント

本書のおすすめポイントは、第5章の僧侶のキャリアデザインの基本です。

僧侶はキャリアの特性上、様々な人と関わりながら、信頼を得ていくことが必要とされます。

このキャリアを形成していくために必要とされるコミュニケーションスキルは、すべてのビジネスマンにとっても必要とされるスキルであり、僧侶のキャリアデザインはすべての人にとって参考になる内容になっていると思います。

具体的には、わかりやすい話し方や、そのときの目線や姿勢など僧侶ホスピタリティについて詳細に解説されています。

私も、本書の内容を参考に仕事での人との関わりに生かしていこうと思いました。

3.概要

目次
第1章 21世紀寺院のかかえる問題と課題
第2章 今日まで日本及び日本人を支えてきた寺院の役割
第3章 21世紀寺院の重要性と再生復活テーマ
第4章 寺院基本経営管理
第5章 僧侶のキャリアデザインの基本

第1章では、高齢化社会や少子化、過疎化などの現状の日本の社会問題を踏まえて、現代寺院の役割と現状が紹介されています。

第2章では、歴史的に寺院がどのように生まれて、どのような役割を持って日本人を支えてきたのかを振り返っています。

第3章以降は、これから寺院が再度復活するための戦略が述べられています。「地域セイフティネット戦略」「寺院基本経営管理」「僧侶キャリアデザイン」と3つのテーマを掲げて、それぞれ詳細に紹介されています。

多くの人にとって馴染みのない、寺院経営や僧侶としてのキャリアなどが語られている本書は新しい発見ばかりでとても興味深い一冊となっております。

ぜひ、ご一読ください。

それでは。


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