【本紹介】NPOはボランティアではない
おはようございます。
カナリアコミュニケーションズです。
本日は、市民フォーラム21・NPOセンター代表理事 後房雄さん、市民フォーラム21・NPOセンター事務局長 藤岡喜美子さんの著書『稼ぐNPO』をご紹介いたします。
1.感想
私は本書を読むまで、「NPO」について勘違いしておりました。
「Non Profit Organization」の略だと言うことは知っていたのですが、それを「収益を上げずにボランティアで社会貢献する団体」と理解しておりました。
本書でも以下のように書かれていましたが、まさによくある勘違いだったようです。
ただ、社会問題の解決を第一の目的にする、必要不可欠な組織であると言う理解は持っており、そのNPO団体が今の日本でどのような苦労をしていて、本来はどのようなビジネスモデルを持った組織であるべきなのかと言うことが理解できました。
NPOについてよく知らない人から見たら、収益を上げられるビジネスモデルを持ったNPO団体であると知ると、ついマイナスなイメージを持ってしまうと思います。
世の中の一人でも多くの方が、NPOについて知り、NPOが持続し続けられるために、収益の手助けをしてあげたり、感謝の気持ちを示してあげられるようになったらよいなと思っています。
2.おすすめポイント
本書のおすすめポイントは、「ロジック・モデル・シート」と「ビジネス・モデル・シート」という、2種類のツールが紹介されている点です。
本書は稼ぐNPOを作り上げるための手法について解説されているのですが、その中で、上記の2つのツールを使うことが推奨されています。
収益を上げられるビジネスモデルを検討すること自体は、NPOに限らずビジネスを実施するためには必ず必要なことになります。
ロジック・モデル・シートを用いて、会社としてどのようなビジョンを持って、それを達成するためにどのような成果を上げていくかを可視化すること。
ビジネス・モデル・シートを用いて、会社としてどのように収益を上げていくのかの戦略を可視化すること。
これらは必ず通る道であり、そのためにこのツールを使うことはとても便利であり、NPOに限らず事業をおこなっていくことを検討している方は是非使っていただければと思います。
3.概要
本書では、事業型NPOを目指す人たちにとって身近なモデルとなりうるような11の事例が紹介されています。
さらに、事業型NPOの成長の障害になってきた多くの誤解を解消するとともに、日本のNPOセクター全体の現状を最新の調査データを元に紹介されています。
そのうえで、明確なビジョンを設定し、その実現のために有効な事業群を編成すること、それぞれの強みを活かしたNPO型ビジネス・モデルを構築することの2点を中心にして事業型NPOへと成長する秘訣が提示されています。
最大の特徴は、ロジック・モデル・シートと、ビジネス・モデル・シートという、著者らが開発した具体的なツールを、作り方、使い方も含めて紹介していることにあります。
本書を読んでNPOのついて理解するだけでなく、上記ツールを実際に活用することで、読者の方々が「稼ぐNPO」を目指す具体的な一歩を踏み出されればと思います。
ぜひご一読ください。
それでは。
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