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【本紹介】ダイバーシティ推進のための実践書

おはようございます。
カナリアコミュニケーションズです。

本日は山岡仁美さんの著書、『ダイバーシティで新時代を勝ち抜く-多様性を生かして組織力アップ-』をご紹介します。

1.感想

本書を読んで私がダイバーシティを進める上で重要だと感じたのは
「アサーティブ」という考え方・姿勢です。
皆さんはアサーティブという言葉をご存じでしょうか?

本書の中でアサーティブについて下記のように表現されています。

協調的ではあるが、その場の感情や思い付きではなく、相手はもちろん誰もが納得できる根拠や事実に基づいた関わり方

言われてみればあるべき当然の姿勢ですが、日々の仕事に追われる中でどうしてもおざなりになってしまってはいないでしょうか?
私はおざなりになってしまっていた内の1人です笑

また、本書では下記のオレンジのストーリーが紹介されています。

あるところにAさんとBさんが共有するオレンジ畑がありました。今年は上質なオレンジの収穫が見込まれています。AさんとBさんは収穫権でもめ、話し合いは難航し、殴り合いのケンカに発展してしまいます。結果、Aさんが勝利し収穫権はAさんのものとなるのですが、「今まで信頼関係を続けてきたBさんとあんな大ケンカをしてしまい、来年以降どうやってこの畑を維持していこう・・」と途方に暮れてしまいます。
それからしばらくして、AさんとBさんが話をする機会がありました。
Aさんは「今年はオレンジの実を使ってオレンジジュースを作って市場に売り出したかった。」という考えを
Bさんは「今年はオレンジの皮をつかって単価の高いオレンジマーマレードを作って卸そうと思っていた。」という考えを持っていたことを話し始めました。・・・

このストーリーは実際の仕事でも当てはまることが多いのではと感じました。自分と考えが違うと思っても脊髄反射で拒否をせず、深呼吸して歩み寄ってみること。その大切さが本書を読んで改めて身に沁みました。

本書はダイバーシティ推進を担当する管理層、経営層の方だけでなく、研修の機会などを利用して、新入社員の方にも読んでいただきたい1冊だと感じました。

2.おすすめポイント

本書のおすすめポイントは、多くのダイバーシティ関連書籍が革新的な組織づくりや、先進的な制度、施策の事例を取り上げていたり、学術的なものが多い中で、ごく身近で誰もが実践できる「ダイバーシティ推進」を取り上げている点です。

例えば本書に示される「聴く」スキルについて一部を紹介します。

・姿勢→身を乗り出す。
・表情→話の内容に応じ自然な変化を
・アイコンタクト→話をしているときの7割弱、目線を向ける
・手元→相手に手を見せる。ジェスチャーも有効
・あいづち→バリエーションを持つ
etc...

他にも「話す」時の最低条件とポイント、「質問」のバリエーションなど、良い例、悪い例まで含めて、様々な形で具体的なアクションが紹介されており、本書を読んだその日から実践できる!という内容になっています。

3.概要

目次
第1章 ダイバーシティ基礎知識
第2章 今なぜダイバーシティか?
第3章 仕掛ける・巻き込む・進化する
第4章 マストアイテム・視野を広げる”リフレーミング”
第5章 キーアクション・発展的に関わる”アサーティブ”
第6章 ダイバーシティ「こんな時どうする?」
第7章 多様性を生かすための状況を打破するコミュニケーション・3つの奥義

本書では、第1章、第2章、第3章でダイバーシティに関する全体感や関連する重要なキーワード、さらにはダイバーシティの推進に成功した具体的な事例が示されています。

第4章、第5章では、実際にダイバーシティを進める上で重要なスキルとなる「リフレ―ミング発想」とコミュニケーションスキルとしての「アサーティブ」が紹介されています。

第6章と第7章では、実際の現場でのダイバーシティ浸透を想定したケーススタディと、行き詰まったときに状況を打破するための方法が具体的に示されています。

非常に読みやすく、平易な表現で書かれているため、管理職等に関わらず全てのビジネスパーソンにおすすめしたい1冊です。

ぜひ、ご一読ください!

それでは。


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