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【本紹介】日本の未来を考えるために必読の1冊

おはようございます。
カナリアコミュニケーションズです。

本日は後藤 裕幸氏著、『外国人と共生するニッポンへ』をご紹介します!

1.感想

45%
この数字は、東京新宿区で成人する人に占める外国人の比率です。
どうでしょう。思ったより多くないですか?
なんとなく身の回りに外国人の方が増えているなとは思っていましたが、ここまでとは思いませんでした。

本書を読んで感じたことは、この本のタイトルにもある「外国人と共生する」ことは未来の姿ではないということでした。
私たちはすでにこの日本で、外国人と共生しているのです。
しかし、私たち自身がそのことになかなか気づけないでいます。

そんな認識のズレもあってか、日本に住む外国人の方たちが多くの不便を抱えているということが本書からわかります。
日本の大学を卒業した留学生の7割が日本での就職を希望するのにも関わらず、その就職率は4割に至りません。
これはほんの一例ですが、なによりも私たち日本人側に受け入れに対する意識の問題があるようです。

自分が逆の立場になったと考えると、学んだり、働いたりするために日本に飛び込んでくる外国人の方たちの勇気はすさまじいと思います。
そんな外国人の方たちには、やはり、日本に来たことを後悔してほしくはありません。そのために私たち一人一人に大切なのは、英語などのコミュニケーションスキルだけでなく、それ以上に異国で暮らすことに対する思いやりのある想像力なのではないかと感じました。

2.おすすめポイント

私の本書のおすすめポイントは、第1章の著者が外国人方向けの事業を行うに至った経緯です。
大学でのサークル活動をきっかけに、外国人留学生と交流を持つようになった著者は、日本人学生に比べて意識の高い外国人留学生に刺激を受け、彼らと起業します。
そんな経緯もあり、著者の周りには外国人が増えました。そして賃貸の保証人を依頼されることが増えたそうです。
いつの間にか「保証人を受け入れてくれる人」という立場で頼りにされるようになった著者は、20人近い外国人の保証人や不動産売買の緊急連絡先も引き受けたそうです。
そしてこの経験から、日本に親も親戚もおらず、日本の知人にも頼むことができず保証人になってもらえる人がいない。、という外国人の不便さに気づき、外国人専門の家賃保証サービスの事業を始めます。

なんと言っても、20人の外国人の方の保証人を引き受けた著者の懐の深さには脱帽させられます。
本書では、このような著者の外国人の方への愛が節々で感じとれることができます。

3.概要

目次
第1章 私がなぜ、外国人との共生を語るのか?
第2章 第三の開国の時代が到来した!
第3章 外国人なしに、高齢化社会を支えられない
第4章 ガラパゴス化した住みにくい日本
第5章 これからの日本に必要なこと
第6章 アジアからアセアン、さらにその先へ 広がる出身地~国別の来日事情
第7章 GTNの今後の取組

第1章では、著書の来歴から現在の外国人にまつわる事業を行うに至った経緯が語られます。
第2章・第3章・第4章では、日本を取り巻く現状、高齢化や外国人受け入れの障壁となる日本の習慣について触れられています。
第5章では、外国人を受け入れる上で私たちが抱いている疑問や不安な点に一つずつ答えを出していきます。
第6章では、海外から見た日本について述べられます。
第7章では、著者の経営するGTN(グローバルトラストネットワーク)の取り組みや今後のビジョンについて語られます。

昨今の状況を考えれば、日本人だけで完結して経済を回していくのは難しいことは明らかです。そのなかで、外国人と共生していくことが必要不可欠な訳ですが、ずっと日本で暮らし、日本人ばかりに囲まれてきた私たちには、日本で暮らす外国人が何に困っているのか気づくことはなかなか難しいものです。
これからは海外で働く人だけでなく、日本で働く人にも異国の人とのコミュニケーションが求められます。
そんな時代に向けて、本書は認識を整える上でピッタリな一冊です。是非ご一読ください!

それでは。








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