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【本紹介】ベトナムに関わる人、関わりたい人に捧げる本

おはようございます。
カナリアコミュニケーションズです。

本日は坂場三男さん・守部裕行さん・那須 明さん編著、『ハノイの熱い日々』をご紹介します!

1.感想

本書はベトナムで生活、ビジネスをした方々の生の声が詰まった一冊です。共著者26名の滞在期間の合計は200年を超えており、本書では、その200年分の実体験が語られています。タイトル案には「ハノイ駐在200年の証言」というものもあがっていたそうです。

ベトナムの人口は増加しており、経済発展が急速に進んでいます。日本企業の進出数も増えています。ハノイの人口は800万人、東南アジア有数の世界都市です。このような情報はwebなどで調べればすぐに知ることが出来ますが、「どんな国?」と聞かれてパッとイメージが浮かぶ方は少ないのではないでしょうか?

実は私もその内の1人です。そんなベトナム初心者の私でも楽しく読め、ベトナムへの理解を深めることが出来たのが本書です。
ビジネス本としてのみならず、ベトナム紹介本としても他に類を見ないユニークな一冊でした。

2.おすすめポイント

本書のおすすめポイントは、とにかく様々なテーマに渡ってベトナムのことを知れる点、そして、26名それぞれの視点からビジネス、生活、ベトナム人のリアルが語られる点です。

特に私は、勝恵美さんが寄稿された「日本人が知らない、ベトナム人の視点」という章がお気に入りです。

勝さんは2002年にベトナムへ渡り、ベトナム人女性のビジネスパートナーと共に制作会社を立ち上げました。様々に取り組んだ事業の1つに絵本の定期購読を保育園に提供するというアイディアがありました。しかし、事業はなかなかうまくいきません。
実は、「目の前に物がないのにお金を払い、それが将来きちんと提供される」ということへの信頼感を保育園側から得られなかったことが問題だったそうです。日本では一般的ですが、当時のベトナムではまだ浸透しづらいサービス形態だったのです。

この事業を通して勝さんは、ベトナム人マーケットへのアプローチの難しさと、自分たちの経験を押し付けてはいけないということを学ばれます。
そして、提供する絵本の良さを知る人達のファンクラブを運営するところから事業を再スタートさせます。

ここで、この章の中で印象的だった一節を引用します。
ベトナムだけでなく海外でのビジネスを考えている全ての方の参考になる一節かと思い共有させて頂きます。

ベトナムの文化や経済的背景を無視して、日本で成功している手法をそのまま持ち込むというのは、当然ながら虫が良すぎる。ベトナムの商習慣に合致してこそのビジネスの大成があるのではないだろうか。

3.概要

目次
第一部 ベトナムビジネス最前線
第二部 ハノイライフの魅力
第三部 ベトナム人あれこれ
第四部 ベトナムこぼれ話
第五部 特別寄稿

本書はオムニバス形式で好きな所、気になったタイトルの章から読み進めることが出来ます。

第一部に16稿、第二部に7稿、第三部に6稿、第四部に7稿、第5部に3稿。
ビジネス・日常生活・ベトナム人の気質、特徴を様々な人の体験を通して伺い知ることが出来ます。

本書は、日本企業のベトナム進出参考本、ベトナム理解に向けたハンドブックとしても非常に有益な一冊です。是非ご一読ください!

それでは。


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