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【本紹介】後悔しない住まいづくりのために

おはようございます。
カナリアコミュニケーションズです。

本日は、一般社団法人 住まいの屋根換気壁通期研究会編「住まいの耐久性 大百科事典I」・「住まいの耐久性 大百科事典Ⅱ」のシリーズ2冊をご紹介します。

想定読者は下記の方々です。
・現在、住まいづくりを検討中のお施主様
・将来、戸建て住宅の取得を考えている方
・ハウスメーカーで営業を担当されている方
・木造住宅の設計、工事管理に携わっている方
・大学で建築、住居を学んでいる学生の方

1.感想

まず、本書はAmazonの「住宅建築・家づくり」、「住宅建築」の両カテゴリーでランキング1位を獲得した書籍で、名実ともに住まいづくりを考えるすべての方におススメの1冊です!

本書を読んで、学ぶことができた重要なポイントの一つに雨水対策があります。

本書で紹介されている建物が雨漏りを起こす条件は下記の3つで、このうちどれか一つでもなくせば雨漏りは起きません。

①雨水が通り抜ける孔(隙間)が存在すること。
②孔の周りに雨水が存在すること。
③孔を通して雨水が移動するための力が働くこと。

①への対策は防水、②への対策は雨仕舞と呼ばれます。
共に雨を防ぐための技術ですが、メンテナンスの頻度、建物外観への影響等色々な視点から比較して組み合わせていく必要があるとのことです。

例えば、法規の制約から床面積を確保するために昨今増えている軒がゼロの住宅が増えています。
こういった住宅では、壁面や天井面へ雨水が浸透しやすくなり、雨漏りや劣化のリスクが高くなるとのこと。
こういった知識は普段の生活ではなかなか知ることはないですし、住宅メーカーの方も教えてはくれないでしょう。

2.おすすめポイント

本書のおすすめポイントは、カラーの図版や写真を用いたわかりやすい解説です。
専門的な内容を扱う書籍では、「文字ばかりで結局内容を理解できなかった」ということがあるかと思いますが、本書ではそんな心配がありません。

住まいはやはりリアルなものですから、視覚的に理解を深められるのは非常に重要ですよね。

3.概要

第Ⅰ巻 目次
第1章 そもそもを知る
第2章 長持ち住宅のデザインを考える
第3章 法規との関連
第4章 木造住宅の基礎知識(骨組み編)
第5章 木造住宅の基礎知識(外装仕上げ編)
第6章 健康と快適
第7章 省エネと断熱
第8章 結露の対策
第9章 耐久性の重要ポイント
第10章 木造住宅の耐久性向上の取り組み
資料Ⅰ 小屋裏換気
資料Ⅱ 住宅外装に用いられる金属部材の腐食事例と実験事例
第Ⅱ巻 目次
第1章 住宅外皮の基礎知識
第2章 屋根構造の基礎知識
第3章 外壁・バルコニー構造の基礎知識
第4章 屋根の部材と耐久性のポイント
第5章 外壁の部材と耐久性のポイント
第6章 バルコニーの部材と耐久性のポイント
第7章 納まり部の部材と耐久性のポイント
第8章 換気・通気用の部材と耐久性のポイント
第9章 住宅外皮の不具合と早期劣化はどう防ぐ?
第10章 木造住宅の耐久性向上への取り組み(その2)
資料Ⅰ 「外部の水分」に関わるニュージーランドの建築基準
資料Ⅱ 住宅外皮の不具合事例
資料Ⅲ 換気・通気部材

住まいづくりは、人生で最もお金も時間もかかるイベントです。そんな家づくりを専門家に頼んでいるからと言って、完全に人任せにしてしまうのはやはり恐いですよね。

本書は、住まいづくりに向けた知識の習得本としても、またタイトルの通り、住まいづくりに関して気になることがあった時に調べる「拠り所」としても利用できます。
本書をフル活用して、素敵な住宅を生み出して頂ければ幸いです。

それでは。


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