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【本紹介】IoTという言葉に惑わされるな

おはようございます。
カナリアコミュニケーションズです。

本日は、名誉教授ドットコム株式会社アドバイザー 長内弘喜さんの著書、『IoTってなんだ?』をご紹介します。

1.感想

本書を読む前に、私はIoT(Internet of things)という言葉の意味は知っていました。ただ、その定義についてはなんとなく「ネットワークにつながっているモノ」という言葉そのままのイメージしか持っていませんでした。

ただ、IoTという言葉を聞いて持つイメージは、エアコンや冷蔵庫などの家電を屋外から操作できるようになる。くらいで、無くても良いかなというようなイメージを持っていました。

本書でも、技術大国と言われる日本で、IoT技術がうまく活用されていないということが1冊を通じて書かれていました。

IoTを展開しようと考える時に、実は、今でももう十分に便利なのに、それをさらに便利にして提供するという視点で構築されているケースもあります。

技術だけが先行してしまい、技術ベースのモノ作りになってしまっている現状は私も感じますし、技術がいくら進化してもそれを利用するのは人間である。まず人間にとってどのような価値を生み出したいかを考え、それの実現手段として技術が存在するという構造を忘れてはいけないなと再認識することができました。

2.おすすめポイント

本書のおすすめポイントは、日本社会とIoTを取り巻く問題点だけを述べているのではなくて、IoTをどのように活用していくべきかの筆者の意見がしっかりと述べられている点です。

大きく2つのIoTの活かし方が紹介されています。

1つは上記でも書いた通り、ユーザーが本当に困っていることを解決するためにIoTの技術を生かすということです。大企業は特に、電子機器のプロフェッショナルとして、スペック重視で商品を作ってしまいますが、その分価格も高くなり、ユーザーが求めているものとは離れていってしまうということです。

2つ目は、IoTから多様なデータを収集し、データの相関から新しい事象を見つけ出すこと。そこからシステムを立案した人が想像しなかった使い道に新たなサービスを展開していくということです。

2つ目は特に、ユーザーも企業も気づいていないニーズや新しい勝ちを見つけ出すことにつながるのではないでしょうか。

こういった、IoTとはいっても、それをどのように活かしていくかを考えることができる内容でした。

3.概要

目次
第1章 IoTとは?
第2章 IoTと日本
第3章 IoTの役立て方
第4章 IoT活用の考え方

本書のテーマは「中小企業がIoTを駆使して企業価値を創造する」です。IoTを中心に、業界の動向や世相などを絡めながら、新しくIoTに取り組む方々の参考になればと著者が書かれた一冊になっています。

これまで目にしなかったデータを解析することで、新しい企業価値を生む出すことを成し遂げてくれているのがIoTの技術です。

本書では、それらを駆使して中小企業、中小事業者がどうすれば企業価値を上げられるかと考える上でとても参考になるIoT本来の活かし方について書かれています。

IoTの解説書というよりは、これからIoTに取り組むならば、どういうスタンスで入れば良いのかを考えるための一つのあり方として、まとめられたものです。

これからIoTとDXはほとんど同じ意味の言葉として扱われています。本書を読むことで、これからDX化に取り組もうとしている中小企業の経営者やDX担当者、中事業者に一助になることは間違いありません。

ぜひご一読ください!

それでは。


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