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ど偏見だけど理系の方に薦めたい【NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]】@東京都・新宿区


錯視とか、無響室とか。
時には光の三原色とか。

現代アート初心者だったりデートにおすすめの美術館はと聞かれた時に結構な頻度で薦めている、なんなら理系の方とわかっていたら間違いなくお勧めしている美術館。
もはや美術館というより科学館よりなのではという印象もある。

なぜかというと、この美術館は鑑賞者の存在を作品に取り入れるような構造のものやメカニックなもの、人間の知覚を利用しているような作品が多いからだ。
これはこういう仕組みなんだ!と閃いたり考えたりする方(=理系※ど偏見)にまさにぴったり。
もちろん感覚的に面白いものも多いため、子どもたちの楽しいにも直結しやすそう。
夏休みの宿題に美術館見学があるという小中学生は、この美術館を選択すればきっとやらされてる感なく自発的に干渉できるのではないかと感じている。

フロントの階段を登るとこの作品がお出迎え



作品ごとにスペースが区切ってあって作品自体が干渉し合わないのがここの良いところ。
もちろん音を発する作品は干渉しているけれど、同じ空間に一緒くたに展示してある展覧会より次の作品が気になって集中できないなんてことはない。
プロジェクターを利用していたり、作品自体が発光するものも多いので、空間がうす暗いのでそこは気をつけて歩いて欲しい。

一番のおすすめは無響室。
無響室というのは特殊な構造で音の響きを無くした空間のことで、一般の人は滅多に入ることができない(結構いい歳の私もここでしか体験したことがない)。
予約制で待たされるかもしれないが、待っても体験する価値があるので、ぜひちょっと待っていて欲しい。
この空間の中で拍手してみたのだが、普通の室内と感覚が違くて驚いた。
拍手の音が響かずに落ちてしまう感じかする(非常時のために監視カメラがあり展示室の外から見えるようになっているのでちょっと恥ずかしいが、中で音を立てて欲しい、怒られたらごめんなさい)。
特殊な音響装置で音楽作品を鑑賞できるのだが、背筋がくすぐったいような、脳天に響くような鑑賞体験ができる。
こんなに響かないのに、どうしてこんなにぞわりと聞こえてくるのかが本当に謎。
音が直接脳に届く感覚はサウナの整うに近い気がしているが、ぜひその感覚を体験して欲しい。

無響室

それ以外にも視覚の不思議を体験できる作品も常設であるので、時間をかけてその不思議を味わってほしい。
美術が苦手な人、ここを入門編として現代アートにハマるといいな、なんて思っています。


※デートにおすすめと言っておきながら、無響室はひとりずつしか入れないから、そこは注意で。

■ NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]

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