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あり方×スキル×関係性(子育て編)③


前々回の、あり方×スキル×関係性(子育て編)①では、主に「関係性」について書きました。

そして、前回は、「あり方」について書きました。


今回は、「スキル」について。

子育てにおけるコミュニケーションのスキルとして、たくさんある中で、「傾聴」と「承認(アクノレッジメント)」は、ほんとに大事だなぁと思っています。
子育てにおいてはこのスキルをレベルアップできるチャンスがたくさん訪れるし、子どもは、そのいわば修行の道の師匠だと今は思います。


相手がなかなか話さないときは、自分の聞き方を省みる


娘たちがお世話になっていた幼稚園の園長先生が、
子育てで一番大事なのは、『聴くこと』と『待つこと』
とお話しくださったのが、当時の私にとっては非常にインパクトがあり、その頃から、「聴く」という行為を意識するようになりました。

にもかかわらず、娘が小学生の時、なかなか自分の気持ちを言葉にできない娘に対して、こんな風に言ってしまいました。


「ちゃんと話しなさい。言わなきゃわからないでしょ。」

言ってしまった瞬間に、「しまった…」と思いながら、後に引けずに、同じような言葉を重ねてしまいました。

すると、どうなるでしょうか。

案の定、娘はフリーズし、黙ってしまいました。
こんな風に言われたら、私もそうなります。。。

「あの時はほんとにごめんね」と娘とは昔話になっていますが、この時の光景は、今でも忘れません。


「そうなんだね」
「それで?」「そっか〜」

と、十分に待ちながら聴いてあげられたらよかった。。。。
絞り出してくれた一言を、ただ受け止めてあげられたらよかった。。。。

受け止めて、待っていたら、きっと自然に次の言葉が出てくる。それをまた受け止めて待つ。その繰り返しをしたらよかったんだと思います。

聴く力とは、相手に安心して自然に話してもらう力とも言えます。

こうした経験から、子ども、部下、チームメンバー、パートナーなど、自分の周りの人たちに話してもらいたいと思うなら、話さない相手を責めたり、相手のせいにするのではなく、自分ができることとして、本当に相手の想いを受け取ろうとして聞けているかと自問するようにしています。


承認(アクノレッジメント)は幸せの種


アクノレッジメントは、「相手の存在に気づいていることを伝える」という語源があります。 
以前、接客の仕事をしていた時に、「いらっしゃいませ」はお客様への承認の言葉、と習ったことを覚えています。

子どもの褒め方については、子育てする上では悩むところではあり、褒める子育て、褒めない子育て、などいろんな考え方があります。
私が知ってよかったと思うのは、褒める褒めないというより、評価せずに承認することが、成長を促すということでした。

「すごいね」と褒めるのではなく、事実を事実として認めて伝えること。
 たとえば、 「初めて一人でお着換えできたね」「なわとび、昨日よりたくさん飛べたね」みたいに。

このことで、それを受け取った相手は、「いつも見てくれている」「気にかけていてくれる」「変化に気づいてくれている」と思い、信頼関係が築けるとともに、相手の意欲が引き出せるそうです。

つい、「えらいね」「すごいね」と褒めてしまうのですが、これによって伝わるのは、評価されているということ。
やり過ぎると、評価を気にして行動してしまうことになります。

娘が幼稚園の頃お手伝いをした時に、おばあちゃんから「えらいね」と言われ、嬉しいというより、むしろ、褒めらたくてやったんじゃないのに…と思っていた、と後になって言われました。

じゃあ、例えば、なんて言われたら、またお手伝いしようって思った?と聞くと、
ただ、「お皿お片付けしてくれて助かった。ありがとう。」って言ってくれた方が嬉しいと。

相手を観察して、事実を伝えて、加えて自分に起きたことを伝える。

そのことで、受け取った方は、自分のことを見てくれていることや、自分の存在や行動が、もたらした影響を知ることができます。

いい影響をもたらしていると感じられることが、成長につながるということのようです。

そして、それはお互いが幸せな気持ちになる種のような気がします。

「いつも見てくれている」「気にかけていてくれる」「変化に気づいてくれている」「自分は、いい影響を与えられている」


こういうことを相手が感じられるための行動として、普段からできることはどんなことがあるでしょうか。


例えば、こんなこと。

挨拶する
名前を呼ぶ
お礼を言う 
変化に気づいて伝える
相談をする
相手が前に言ったことを覚えている
I / WE メッセージで伝える


他にもいろいろありますね。


これを書きながら、大学生になった娘から言われて、嬉しかった言葉を思い出しました。

「ママが、私の名前を呼んでくれるときの、その呼び方が小さい頃から好きだった。その声を聞くとなんか安心するんだ。」

あれこれと難しいこと考えなくても、
相手の名前を愛を込めて呼ぶだけで、
いい関係性を築けるのかもしれません。

そして、娘のこの一言は、私にとって最高の承認の言葉で、私は幸せな気持ちに包まれました。

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