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カナダ留学|ホームレスの方とお話した。

今日のは少し重い話です。

数日前、大学から少し離れたお酒の店に向かって歩いていた時、ホームレスの方に声をかけられた。

びっくりして固まってたら、自分の生い立ちを話してくれた。

昔はフランスに住んでいて、奥さんとこっちに引っ越して来たこと。
奥さんは少し前に癌で亡くなって、そのすぐ後に自分も病気になってしまったこと。奥さんとは14の時から一緒にいて、彼女が居なくなった今は寂しい思いをしていること。少しでも長く、彼女にそばにいてほしい利己心で彼女の延命治療をしたこと。

医療費が払えなくなってこういう生活に至った。
14の時子供が出来て、その子は今フランスで素敵な家庭を築いている。孫が可愛い。でも今の状況を知られて迷惑かけたくないから連絡は取ってない。

今まで「ホームレス」というカテゴリーに属してる人、という認識でしかなかったものが、突然現実味を帯びた。

どんな人にも「人生」があって、
楽しい時や苦しい時間を何千と重ねて
生きてるんだ、と。

タイやフィリピンに住んでた頃は、
まだ自分が幼く見えたからか外国人に見えたからか、ホームレスから話しかけられることは無かった。
同じ空間にいながらも、何か別世界の住人のような気がしていた。

カナダでは成人。英語も話せるので、意思疎通ができる。
初めて実際にホームレスの生活を送る人から生の声を聞いて、心が動いたのを感じた。
彼らは別世界の住人じゃない。社会学のケーススタディや論文の研究対象でもない。
この世界で生きてる生身の人間だ。
なぜか分からないけど、涙が出そうになって、必死で隠した。なんで私が泣くんよ、辛いのは私じゃない。

なんでこうも不平等なのかな(;_;)


その後、友達とパーティにお酒持ってく約束してたから、買いに行った。買わないわけにはいかなかった。けど、自分の娯楽の為だけにお酒を買いに行く自分に、嫌気がさした。


でも貧しい人を思って自分の生活を極限まで制限節約するのも、また違うんじゃないか。

去年の哲学の授業でこういうジレンマのこと触れてたなぁと思いながら、ぐちゃぐちゃの心で家に帰った。

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