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カナダ移住当初から立て続いた不都合の連続と今

こんにちは、さやです。

2023年7月末にカナダに渡航して半年。
夫は公立カレッジに、子どもたちは現地の公立小学校に通っています。

当初の予定では、夫が現地就職して経験を積み、子どもたちもある程度英語でコミュニケーションできるまでは、カナダに住もうと思っていました。

しかし。

ここにきてカナダ政府から思わぬ政策転換の発表が。

向こう2年間の学生ビザの発給制限に加え、留学生に関わるいくつかのビザの取り扱い変更を明らかにしたのです。

日本でも少しニュースになったみたいですね。

この度の政策転換と、その他の事情が重なり、私たちの生活にも影響が出ています。

海外移住、楽じゃないね。でもまぁ、なんとかなるよ。

そんなお話をさせてください。


不都合の連続

私たちのカナダ滞在予定。

実は序盤からかなりコケていまいた。

移住計画当初には気づいていなかった、想定外が続いたのです。

①ビザが6カ月しかおりない

まず。

夫が通う語学学校ですが、そもそも留学エージェントさんの手違いなのか、なぜか私のメールアドレスが登録されていました。

日本にいる間にそのことに気づき、学校のサイトから登録変更をしたものの、なぜかたまに私のメールアドレスに届く。(ほとんどは夫のアドレスに届いていました。)

仕方ないので、私宛にカレッジからのメールが来たら、夫に転送するようにしていました。

そんなことが何回か続き。

いざカナダに渡航したとき、入国審査官にこう言われました。

「学校の授業料の支払い証明書を出して。」

私たちはデポジットを払っていたので提出したところ、授業料全部の証明書が必要だと。

「まだ届いていない」と伝えると、かなり怪訝そうな顔をした審査官。

結果、6か月のビザしかおりませんでした。

1年くらいのビザが出ると思っていたのに、ちょっとがっかり。

でもよくよく確認してみたら、私から夫に転送したカレッジのメールの中に、授業料の請求に関する内容が含まれていたのです。

夫はそれを確認しておらず、私も中身を見ずに転送していました。

支払期日は過ぎていなかったのですが…もし入国時点で授業料の支払い証明書を提出していたら、1年のビザが下りていたのではないか…?

そんな疑念が残ります。

でも、仕方ない。

とにかく6か月後にまた更新すればいい。移民コンサルタントさんに代行してもらうならお金がかかるけど、とにかく入国できたから大丈夫。

そう思うことにしました。

②語学学校の期間延長

バタバタは続きます。

私たちの計画では、当初夫が4か月語学学校に通い、その後ITコースを受ける予定でいました。留学エージェントさんとも、そのように話していたんです。

しかし。

後から発覚したのですが、なんと、ITコース入学の条件を満たすために、夫の場合最低でも6か月語学学校に通う必要があることがわかったのです。

これは、ITコースの入学要件と夫の英語レベルをきちんと把握していれば、事前にわかることでした。

でもこのあたりの調査が不十分だったのです。

なんということでしょう。

もしちゃんと要件を把握していたら、学校に提出する語学力のテスト結果をもっと上げるように日本で努力できていたはず。

そうすれば、語学学校は4か月ですんだのに。

仕方ありません。授業料が数十万単位でプラスになるという痛い結果になりましたが、勉強代だと思うしかありません。

③ITコースの空きがない

そんなこんなで、2024年1月スタート予定だったITコースのスタートを後ろ倒しして、語学学校を延長することになった夫。

次回のITコース開講は2024年5月です。
4か月も出遅れることになりました。

しかしまぁ、仕方ないと思っていたら…。

なんと5月のITコースに空きがなく、キャンセル待ちになるとのこと。

ただし、「だいたいいつもキャンセルが出るから待ってて」と言われたものの、いつになっても連絡はなく。

このままでは、ビザの更新時に学校の入学許可書が間に合いません

夫からカレッジに相談したところ、9月開講であれば空きがあるから入学許可証が出せるとのこと。

ただし、その場合は語学学校終了から期間が空きすぎるため、さらにもう2か月語学学校に通い、欠席期間を減らす必要がある、と。

つまり…。

当初4カ月の予定だった語学学校がまさかの8か月になり、
そのうえ2024年1月スタートだったITコースが9月スタートになる。

もう、予定が遅れまくりです。

語学学校の期間が伸びれば、その分授業料も増えます。
夫が就労できない期間も伸びるため、私ひとりの稼ぎで頑張る期間も伸びます。

まじか…。

しかしもう、仕方ありません。

ビザを延長できないと、私たち外国人はカナダに滞在することすらできないのです。

➃政府の方針転換

そんなこんなしている間に、私たちのビザの更新時期が来ました。

お世話になっている移民コンサルタントさんに、更新手続きを依頼して一安心。

今までビジタービザだった私も、やっと配偶者就労ビザを取得できるようになる予定でした。

しかし。

なんと移民コンサルタントさんに更新手続きを依頼した2日後に、カナダ政府からのビザに関するまさかの発表が。

すでにカナダに入国している私たちには大きな影響がないと思いきや…。

移民コンサルタントさんより、こんな連絡を受けたのです。

「昨日の政府の方針の結果、奥様の配偶者就労ビザの申請はできなくなりました。ビジタービザでの更新になります。」

なんと…。

すぐにカナダで就労する予定はないのですが、期待していたビザが予定通りおりないなんて…。

しかしもう、これも仕方がない。

受け入れるしかありません。

⑤SINを取得できない

しかしこの配偶者就労ビザがおりない問題

意外な問題につながります。

私がビジタービザのままでは、SIN(Social Insurance Number)が取得できないのです。

SINがないと、何が問題かというと。

確定申告がしにくいのです。

正確にはTIN(Taxpayer Identification Number)を取得し、確定申告できます。

でも、海外フリーランスである私はカナダの納税事情に詳しくなく、現地の会計事務所に依頼しようとしていたのですが、SINがないと請けられないと言われてしまい…。

TINしか取得できない私は、自力でカナダのタックスリターンをやり抜くことになりそうなのです。

もちろん、やってできないことはありません。

でもフリーランスの場合、経費の扱いとか、ちょっと手続きが煩雑らしく…。

うまくできるか自信がありません。しかしもう、会計事務所さんが見つからなければ、やるしかないのです。

"もしも…"

まさかの不都合が続きまくっている、私たちのカナダ生活。

もしも。

日本にいたころに時間が巻き戻せたら。

カレッジの授業料を出国前に支払って、ビザが1年くらい取得できて。
ITコースに必要な英語レベルを把握して入国して、語学学校を4か月で終えられて。

そしたら、今回の政府の方針の影響を受ける前に、私は配偶者就労ビザを取得できたかもしれない。

そしたら、SINも取得できて、カナダの会計事務所に問題なくタックスリターンやらその他を任せられたかもしれない。

トータルの授業料だってもっと下げられたかもしれないし、夫が働けるようになる時期ももっと早かったかもしれない。

"もしも"を考えると、損したなぁと思うことがいくらでも思い浮かんでしまいます。

ポジティブに考える

でもまぁ、こんなことは言っても仕方ありません。"IF"の世界は存在しないのだから。

クヨクヨせずに前向きに考えるなら、結果オーライな部分もあります。

例えば、夫は長く語学学校に通うことができ、しっかりと英語のコミュニケーション力を身に着けられるでしょう。

入学要件を満たすためだけの付け焼刃の英語力ではなく、しっかりと体に染みついた英語力を持つ方が、将来英語でビジネスをするうえで絶対に有利です。

私は夫の学部生期間に就労ビザを取得できませんが、もともと海外フリーランスの私にとって必須のものではありません。
(カナダはビジタービザでのノマドワーカーを容認している国です。)

将来的にカナダではノマドワーカー向けのビザを発行する可能性もあるらしく、もしかしたらもっと良い条件のビザを入手できるかもしれません。

また、夫は公立カレッジに通っているので、ITコース(coop)を卒業後に取得できるポストグラデュエートビザという就労ビザは変わらず取得できる予定。

そしてその間は、私も配偶者就労ビザを取得できます。(今の方針では)

だから、私がカナダで働いてみるという可能性も、消えたわけではありません。

そもそも。

私たちのカナダ移住は、子どもたちの教育的な意味合いが濃いものです。

いろんなことが後ろ倒しになりましたが、その分カナダに滞在することができます。

私が稼がないといけない期間は伸びましたが、どっちにしても仕事を辞めるつもりは最初からないし、問題ありません。

そう考えれば、今回次々と見舞われた不都合の連続は、どれも乗り越えられるレベルのことだったといえます。

不都合から学ぶ

さてさて。

なんとかなる目途が立ったところで。私はこの不都合の連続から、いろんなことを学び、生かしていく必要があります。

第一に、海外移住なんて大きなミッションに取り組むからには、不測の事態をもっともっと想定しておく必要があった。

事前の情報収集の精度を上げるべきだったし、夫婦で「相手がやるだろう」とお互いが思っていたところが抜け穴にもなっていた。

コミュニケーションエラーを減らせるように、もっと密にお互いの状況を確認し合うべきでした。

それから。

「もう少し早く手をつけていれば」という後悔は、やっぱりダメージが大きい。

やるべきことは、後回しにしない。

後回しにしている間に、自分でコントロールできない大きな不都合がやってくることを、今回は痛感しました。

とにかくすぐやる。タスクをちゃんと管理する。

これも、改めて肝に銘じます。

また、カナダの納税の面では、私が見て見ぬふりをした自分の2つの弱点が大きく足を引っ張りました。

それは、英語力のなさと、会計知識のなさです。

「カナダ移住の目的は私の英語力アップじゃないし」
「会計のことは専門家に任せればいいし」

そんな感じで向き合ってきませんでした。

でも。

以前のnoteでも書いた私の価値観である「自由(または独立)」と「安らぎ」を守り続けるには、やっぱり自分自身の強さが必要です。

異国の地で自由に生きるなら、やっぱりその土地の言葉を使えないと誰かに依存することになる。

会計の知識がなければ、いざというときに自分自身で自分の事業を守ることができない。

そうなれば、自由や独立、安らぎは守れません。

だから、「英語力」と「会計知識」は、優先的に私が取り組まなければいけない課題なのだと、改めて思い知りました。

さっそく、時間の使い方を変えていこうと思います。

異国の地に住むということ

今回の経験は、いろいろと考えさせられることがありました。

当たり前のことなのですが、「外国に住むって当たり前に与えられた権利じゃない」ということも、心底痛感しました。

そして、「自分の価値観を守って生きるために、自分がやるべきことに目を背けちゃいけない。」

そんなことも身にしみて感じました。

同時に。

家族で立ち向かえば、だいたいのことは何とかなる。

そう思えたこと、実際に何とかなっていることも、大きな収穫です。

平穏に漫然と日本で生活していたら、こんな気づきもなかったでしょう。

うん。がんばってる。

そう思ってやるべきことに取り組みつつ、今あるこの生活をじっくり楽しみたいと思います。


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