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30年間で「世界トップ→30位台」となった日本の凋落。日本復活のカギは「教育」?

世界競争力ランキングは34位・・・

スイスのビジネススクール国際経営開発研究所(IMD)が毎年発表している「世界競争力ランキング2022」(2022年6月発表)で、日本は前回の31位から順位を落とし34位だった。

同調査が始まった30年前は4年連続で1位だったが、2019年以降は30位台と低迷している。

算出方法は63カ国・地域を対象に、20項目・333の基準で競争力をスコア化して、「経済パフォーマンス」「政府の効率性」「ビジネスの効率性」「インフラ」「全体スコア」の5つのカテゴリーでランク付け。1位は今回初となるデンマーク、2位は前年1位のスイス、3位はシンガポールだった。

世界時価総額ランキングは?

また、同時期に発表のあった「世界時価総額ランキング」(2022年6月発表)では、前回3位だったが昨今の原油高の影響でサウジアラビアの国営石油会社・サウジアラムコが1位に、2位は前回1位のアップル、3位はマイクロソフトと続き、10位には中国のSNSサービス大手のテンセント、12位は台湾の半導体メーカーの台湾セミコンダクターが名を連ねた。

日本は、上位50社中、トヨタ自動車(39位)の1社のみとなった。

上位50社を国別で見ると、米国が21社と断トツ、次いで中国が3社、スイスが2社と続いた。業種は情報技術(IT)が最も多かった。

ここでも30年前を振り返ると、1位の日本電信電話(NTT)を筆頭にトップ5を日本企業が独占、上位50社中では32社がランクインしていた。

なぜ日本は凋落したのか? 

ランキング上位には情報技術が多い。であれば日本は技術力を得意としてきた国ではなかったのか。

ここからは私見だが、日本の情報技術低迷の代表格といえば半導体だ。産業のコメといわれる半導体は、いまやスマートフォンやパソコンをはじめ、自動車や家電とさまざまな製品に使われている。

日本が世界のトップを走っていた頃の半導体は企業用の大型コンピュータや通信機器だった。しかし、時代は流れ半導体を必要とする製品ニーズが企業の大型機器から個人のスマホやパソコンに変わった。この間、過去の遺産(レガシー)から革新できず、時代の変化に乗り遅れてしまった。

また、世界競争力ランキングと並行して行っている経営層へのアンケートで、日本の経営層は自国の魅力に「信頼できるインフラ」「高い教育水準」を挙げる回答は多かったが、「政府の競争力」「税制」は少なかったという。

英・米・独・仏・日本の5カ国の「教育への公的支出」(※)をみると、【初等・中等教育(表・真ん中)】はどの国もほぼ同水準だったが、日本の【就学前教育(表・上)】と【高等教育(表・下)】は、ほかの4国の半分程度というデータがある。

(※)文部科学省「諸外国と比較して、我が国の教育への公財政支出の現状・水準について分析」

「教育」に投資するということは未来の労働力、ひいては国の将来への投資と同じなのだ。高校の「情報Ⅰ」必修化、大学入試改革など試行錯誤を重ねているが、大学の授業料無償化拡充ももっと積極的にしてもよいのではないかと思う。

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