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灼熱の中の紫陽花
炎天下となった今年の七夕。
この日の午後、子供の頃から何度も通った川沿いの小道を私は歩いていた。
今も変わらず残る道。
最初、別の道を通ろうとしたのだが、猛暑に咲いている紫陽花に目が留まり、思わず足を向けたのだ。
毎年この場所には紫陽花が咲く。
今年はもう見られないと思っていたので何だか嬉しくなった。
この道は大好きなのだが、かつて初夏から秋の始めにかけて時々ヘビが出た。
そのため今でも、この時期にこの道を通るのは緊張する。
けれど恐怖より、紫陽花を近くで見たい気持ちが勝った。
ヘッダー画像のその紫陽花は、木の下に咲いていて、激しい太陽の熱から常に護られている。
近くに川も流れていて、時々涼しい風が吹く。
そのためか、少しくたびれてはいるが、何とか綺麗に咲いている。
さらにこの道を中程まで進むと、今度は灼熱の太陽を真っ向から浴びている紫陽花に出会った。
先ほどの紫陽花よりも萎れている。
コチラの紫陽花には、太陽の熱から護ってくれる大きな木はない。
![](https://assets.st-note.com/img/1720364042864-s31Yq7iPLZ.jpg?width=1200)
まるで困難に立ち向かっているかのような姿は、雨の似合う紫陽花とは程遠い。
今回は紫陽花に惹かれて通った小道。
この小道を、私は今まで何回通っただろう?
ピアノ教室への往復。
小学校の帰り道。
祖母と散歩をした時。
飼い猫の鳴き声が聞こえて走って迎えに行った時。
私が生まれる前からあった道。
そしてきっと、これからも残っていくであろう道。
この道に紫陽花が咲いていることに気づいたのは4・5年前。
それ以来、ここで紫陽花を見るのが楽しみになった。
名もない小道に咲く紫陽花。
そこは私のお気に入りのお花見スポット。
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