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離れた時に見えるもの

住み慣れた場所を離れ、旅に出たからこそ気付くこと。

ちょっとしたキッカケで、かなり前に購入したサンテグジュペリの『星の王子さま』を読み返した。

『こんなお話だったかな?』と一度は読んだはずなのに、よく理解できない所もありつつ、不思議な世界に最後まで引き込まれた。

理解出来なかったのは、きっと私が子どもの心を忘れてしまったからかも知れない。

この作品の有名な言葉として『ものは心で見る。肝心なことは目では見えない』というのがある。

世界中の全ての人や動物たちと知り合いになることは出来ない。

けれど、縁あって出会った人や動物たち(植物も含む)と触れ合ううちに『世界でただ1人(1匹)』と呼べる、かけがえのない存在に変わる人や動物がいる。

自分の星を出て、そのかけがえのない存在について少しずつ学ぶうちに、自分にとってその存在が何であったのかに、旅の道中で気付く王子さま。

離れてみて初めて、自分にとって一番大切な存在に、王子さまが想いを馳せるようなるまでの物語と解釈。

目に見えないけれど大切なもの…ここでは『絆』を意味しているのかも知れない。

例えば、世界中にネコはたくさんいるが、飼い猫だったネコたちは、いつまでも忘れられない特別な存在というのに似ている。

子ども向けのお話だけれど、なかなか難しく、奥が深く…『大切な存在』について考えさせられた冬の夜の読書だった。


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