豆から一杯のコーヒーまで:コーヒー記事和訳


最近記事の翻訳をやっていなかったので、今回はメデジンのメディア、El Colombianoのコーヒー関連の記事を和訳してみたいと思います。


この記事の舞台になっているハルディンは私が住んでいる農園から車で2〜3時間くらい。コーヒー栽培がとっても盛んでコーヒーツーリズムも最近では盛り上がっている街でもあります。メデジンからよくツアーが出ているので、海外からの観光客も多く訪れているんですよ。


 


元記事↓


https://www.elcolombiano.com/tendencias/cafe-el-proceso-del-grano-a-la-taza-CN18405351


 


豆から一杯のコーヒーまで:コーヒーの香りの裏側にあるもの


ホットコーヒー、アイスコーヒー、ブラックコーヒー、カフェラテ、リコール入りコーヒー、砂糖入りのコーヒー、苦いコーヒー。すべての一杯のコーヒーの裏側には世界中の人を虜にするアロマを作り出す農家たちがいる。


そのうちの一人、ハイメ・カスターニョはアンティオキア県南西部ハルディンの山の中で60年間コーヒーを栽培し続けている。彼の父親から受け継いだラマリアナ農園から、ハイメは「全ての栽培プロセスや段階には特別な条件が必要となるが、美味しいコーヒーの秘訣は種選びの時点で既に始まっている」と語る。


アンティオキア県でのコーヒーの生産量は国内でもトップクラスで約7万8千世帯の農家が年間220万袋ものコーヒーを栽培しており、ネスプレッソによるとこれは国内全体の15.8%を占めると言われているほどだ。自治体の地理的位置、標高、土壌、そして健全な農業生産工程から、ハルディンのコーヒーは最も優れたコーヒーのひとつだと言えるだろう。ここで作られるコーヒーの味はフルーツ感と酸味の独特な特徴があるとサンティアゴ・アランゴ氏は語る。アランゴ氏はハイメのコーヒーを買い付けているバイヤーだ。


 


品種


コーヒーの世界で主に栽培されている品種はロブスタ種と、口当たりが良く世界的に人気があり高価で取引されているアラビカ種だ。(コロンビアではアラビカ種を栽培している)


国内ではティピカ、ボルボン、マラゴシッぺ、タビ、カツーラ、コロンビアと呼ばれる品種が栽培されている。アンティオキア県やエヘ・カフェテロと呼ばれる地域では9月から12月と、ミタカやトラビエサと呼ばれる4月から5月の年に2回大きな収穫がある。ミタカは9月〜12月の収穫期に比べると量が少なく全体の20〜30%ほどになるとアランゴ氏は言う。


ハルディンのコーヒー農園は気候、土壌、品種、農業スタイルのミックスが生み出す南西部の特定なコーヒーの作り出すクラスターとなっているのだ。


ハイメ氏は彼とこの地域のコーヒーは、ワインの様でフルーツ感があり苦味より酸味が強く、更に口当たりが良いのだと表現する。


 


国内消費


コロンビアコーヒー生産者連合会によると94,8%のコロンビアの家庭がコーヒーを常飲しており、ニールセンによると93%のコロンビア人が朝食とともにコーヒーを飲むと言うことを明らかにしている。


しかしこれでもコロンビア人の一人当たりのコーヒー年間消費量はわずか2.8kgとされており、一方でフィンランド、アメリカ、ドイツ、日本、フランスの様な世界的なコーヒー消費国では年間12kgほどが消費されていると言うのだ。驚くべきことに、コロンビアではコーヒーの伝統が長い間国の経済を支えてきたのにもかかわらず、コーヒー消費量は世界で35位とそれほど高くないのである。


2020年のデータによると、現在コロンビアでは1日21.600.000杯のコーヒーが消費され、12.000.000杯のホットチョコレートが消費されているそうだ。


 


副産物とミツバチ


コーヒーの品質は種の時から決まるが、農産物や土壌のコンディションはたくさんの要素が絡んでくる。


農家たちは副収入や自給自足のためだけでなく、農産物の多様化としてフリホレス(豆類)やバナナなどを並行して栽培することを推奨されている。例えばコーヒーチェリーの皮はハーブティにしたり肥料として他の作物に使用することもできるとコーヒー農家のハイメ氏は話す。


またコーヒー畑で行われる養蜂はコーヒー農家の副収入になるだけでなく、殺虫剤を使わないことによるクリーンなコーヒー栽培や、コーヒーの木を健康に保つためにも役立っているのだ。


「ミツバチの存在は受粉を促進させ、コーヒーの生産量を増やしてくれる。ミツバチが介入することによってコーヒーはより美味しくなり品質が向上する。」サンティアゴ・アランゴ氏はこの様に述べた。


ハイメ氏は厳選して作られたラマリネラ農園のコーヒーをネスプレッソに売るだけでなく「ラマリネラコーヒー」として自身のブランドを立ち上げた。ハルディンのコーヒーの特徴であるワインの様なコーヒーだ。


 


ネスプレッソ


コーヒーがネスプレッソに届くまで最低でも5回のカッピングが行われ、購入からカプセルとして市場に出されるまで2年半の月日を要する。焙煎はブランドの味を作り出しているスイスの専門チームが行っている。


「コロンビアは生産量だけではなく栽培されているコーヒーの品種から、ネスプレッソにとってとても大切な存在になっている。ネスプレッソが提供しているコーヒーでコロンビア産コーヒーが含まれているのは80%にのぼるだろう。」


現在、アンティオキア県内で2600、国内では4万の農園がこのブランドにコーヒーを販売している。


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